第37回 高崎映画祭 最優秀作品賞『せかいのおきく』全ての皆さんに贈る賞を設けてくれて嬉しい

第37回 高崎映画祭 最優秀作品賞『せかいのおきく』全ての皆さんに贈る賞を設けてくれて嬉しい

第37回高崎映画祭授賞式が2024年3月24日、群馬県高崎市高崎芸術劇場で開催。最優秀作品賞『せかいのおきく』阪本順治監督や主演を務めた黒木華、共演の石橋蓮司が登壇。また、最優秀主演俳優賞に輝いた岡本玲(『茶飲友達』)や最優秀助演俳優賞を受賞した中村ゆり (『市子』)と森山未來(『ほかげ』)などの受賞者が出席。約1000人の観客を前に記念トロフィー や高崎名物”高崎だるま”を受け取り、喜びを語った。

■ 最優秀作品賞『せかいのおきく』阪本順治監督、スタッフ・キャストの皆さん コメント

阪本順治監督
最優秀作品賞をございます。嬉しくて、娘と弟とおじいちゃんを連れてきました。
この賞は私だけじゃなくて、スタッフ・キャスト・全ての皆さんに贈るということで他にこういう作品賞を設けてくれるところがないので本当に嬉しいです。

この映画を作ってから何のバチがあたったのかずっとお腹を壊してまして、あと5分かなっていう感じなんですけど、若い監督の皆さんの話を聞いてると、苦労された現場が多いと…本当に人の少ないスタッフで…とかお聞きすると、僕らはそんなに大仰に、「こっちも苦労したんです」と言えないんですけど、こっちはスタッフのメインの平均年齢は64歳だったかな。いえるのはそれぐらいで、現場は問題なく済んだんです。

この映画はうんちの映画ではありますけれども、若い人たち含めて、自由への渇望といいますか、そういうものを描いたつもりです。それと3年かかって、少しずつ撮りためたんですけど実質12日間ぐらいなんですけど、それでもこれだけの俳優さんが揃ってくれたっていうのは、そこに強固な共感関係というのがあったからだと思います。

今日壇上にあがってない、(本作に)関わった皆さんにも同様に感謝したいと思います。
このあと石橋蓮司さんがすごい面白いことを言ってくれますから、期待してください。
ありがとうございました。

原田満生
いつもは美術監督をやっておりますが、今回はプロデューサーを務めました原田です。
「本当にこの作品は大変だ」とスピーチしようと思ってたんですけど、ずっと最初から話を聞いてると、もっともっと皆さん大変な環境の中でやられてたんだなって思いました。

ただ、この作品は本当に短編から始まって、自分の企画で始まったのでお金もなくて自分の自腹でスタートして、そんな状況でもね、素晴らしい作品を生んでくださった坂本監督にまずは感謝したいと思います。

それと、通常こういうような企画でオファーしても絶対に出演してもらえないかなと思っていた黒木さんにオファーしても快く受けてくださって、また石橋蓮司さんをはじめ、俳優部、素晴らしいキャストの方々が賛同していただいて、作品に魂を吹き込んでいただいて、こんな素晴らしい作品になりました。

そしてこの作品はこの1年間素晴らしいいろんな賞を受賞しまして、ちょっと本当に驚いています。
今日もこんな素晴らしい賞を皆さんに評価していただいて本当にありがとうございます。今日はありがとうございました。

原田満生
黒木華 原田満生

黒木華
このような賞をいただいてありがとうございます。やっぱり、作品賞っていうものをもらえるのが本当に嬉しくて、最初は本当にかんちゃん(寛一郎)と、ちょっとしたシーンを撮ってからこういうふうに長編になるって言うことがすごく嬉しいですし、何よりもやっぱり原田さんだったり阪本監督だったりに一緒にやりたいと思ってもらえる役者であれたことが心から光栄だなと思います。

黒木華
黒木華

ね?
はい。なので、こうして今は4人ですけど、本当に全員で立ってる気持ちです。本当に嬉しいです。ありがとうございました。

石橋蓮司
高崎映画祭の関係者の皆さん。37回目だそうで。おめでとうございます。
この映画はもうご覧になった方もいらっしゃるんじゃないかと思いますが、この映画を上映中は劇場が非常ににおいに満ちておりまして、非常に皆さん席を立ってお手洗いに行く方が非常に増えるというような作品でございます。

大体、役者仲間で、“くさい演技をする人”を、否定的に言います。「あいつの芝居くさいよな」って。「あいつの芝居はどうもななぁ、においばっかりだよ」っていうような否定的な意味で言われるんですが、今回はくさい芝居をやらないといけないという非常に僕にとっては難しい演技でございまして、普段あまりかがないにおいを日頃かいだりして勉強させていただいたりしましたような次第でございます。

でもそんな映画ですが、こうやって作品賞をいただくことになったのも、やっぱり黒木さんがやっぱり生きることの厳しさと、それから愛することの尊さを見事に演じきってくれまして、においをはるかに超えた作品にしてくれたというふうに思っております。
黒木さんありがとうございました。

石橋蓮司
石橋蓮司

黒木華
ありがとうございます。

黒木華

石橋蓮司
それを助けたのがこの2人でございまして、大したことはやっておりませんが、今後もありますので一つよろしくお願いいたします。


▼高崎映画祭恒例のだるまを持ってのフォトセッション


高崎映画祭は、2024年3月31日(日)まで、高崎市内高崎芸術劇場、シネマテークたかさき、高崎電気館で開催される。高崎市内でロケが行われた『シン・仮面ライダー』ほか、公開を控えた『辰巳』(小路紘史監督)も上映。
また、『スイート・マイホーム』(3月30日(土)13:20〜上映)など邦画作品ゲスト登壇もあり、各作品で熱量高い上映が行われる。
上映作品など映画祭詳細は、高崎映画祭公式サイトまで→https://takasakifilmfes.jp/

第37回高崎映画祭 3月31日(日)まで開催中

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