映画『あこがれの色彩』。主演・中島セナ「結衣と似たような感覚・思いをした方に何か少しでも届いたら…」

映画『あこがれの色彩』。主演・中島セナ「結衣と似たような感覚・思いをした方に何か少しでも届いたら…」

陶芸の街に生きるひとりの少女の純粋さと儚さを描く青春映画『あこがれの色彩』が、5 月10 日(金)より渋谷シネクイント他全国順次公開。5 月11 日(土)、渋谷シネクイントで公開記念舞台挨拶が行われ、上映後の舞台挨拶に、中島セナさん、宮内麗花さん、安原琉那さん、小島淳二監督が登壇し、自身が演じた役や、キャスティングの決め手、撮影中に監督からもらった言葉などを語った。

■ 映画『あこがれの色彩』

日本の伝統工芸である有田焼の街に生まれた14歳の少女・結衣。折り合いがつかない家族のことや器用に立ち回る大人の都合に葛藤しながら、言葉にできない思いを絵に描き続ける彼女は、大人たちの裏切りを知り、暴走してゆく。


結衣役には、「ポカリスエット」のCMに抜擢され注目を集め、2023年には『ワンダーハッチ-空飛ぶ竜の島-』(ディズニープラス)でW主演を務めるなど、今最も活躍が期待される若手俳優・中島セナ。孤独と危うさを抱えた複雑なヒロイン役で、自身初の単独主演を果たす。

母親役に、映画やドラマで活躍中のMEGUMI、父親役に大迫一平、友人役に、ドラマ「ブラッシュアップライフ」の安原琉那など。監督は、TSUBAKIやマキアージュなど、資生堂のCMを長年にわたって手がけ、<女性美の魔術師>とも呼ばれた小島淳二。手の込んだものより合理的でシンプルな焼き物に需要が移る陶芸の街のいまを通して、“美しさとは何か”を問いかける。

▼公開記念舞台挨拶

もりとみ舞
それではご登壇者の皆様に 劇場公開を迎えられての今の心境を含め ご挨拶をいただきたいと思います, まずは中島セナさんお願いします,

中島セナ
本日は暑い中お集まりいただきまして 誠にありがとうございます, 結衣を演じました中島セナです。3年という月日を経て、こうやって皆様に公開できることをとても嬉しく思います。本日はよろしくお願いします。

もりとみ舞
続きまして、安原琉那さんお願いします。

安原琉那
咲役を演じました安原留奈です。本日はご来場いただきありがとうございます。中学生の時に撮影したものを、今こうやって皆さんにお見せすることができて本当に嬉しいです。本日はどうぞよろしくお願いします。

もりとみ舞
続きまして宮内麗花さんお願いします。

宮内麗花
本日はお集まりいただきありがとうございます。美樹役を演じました宮内麗花です。ついに公開の日を迎えられたんだなと、とても嬉しく思っております。よろしくお願いします。

もりとみ舞
では最後に小島淳二監督、お願いします。

小島淳二監督
今日はお集まりいただきありがとうございます。すごくいい天気の日にこんな重い映画というギャップがすごいなと思って、僕も今日川に飛び込もうかなと思って、そんなことを考えながら劇場に来ました。今日は大した話できないかもしれないですけど、よろしくお願いします。

▼着想のきっかけは?

もりとみ舞
ありがとうございます。早速ここからいろいろお話をお伺いしてまいりたいと思います。まずは監督、本作の着想のきっかけを教えていただけますでしょうか。

小島淳二監督
そうですね、2つありまして、最初のポイントは、自分の娘が子供の頃からすごく絵を描くのが好きな子でして、高校生になった時に美大に行きたいと言い出して、実際、美術の予備校に行き始めたんですね。
週に3回とか学校終わってから行くわけなんですけど、帰ってきて、明らかに「泣いてきたでしょう?」みたいな感じで、浮かない顔して帰ってくる時とかあって、理由を聞くと、美術の学校で美大の受験に受かるための絵を描かされるというのが、本人にはかなり苦痛だったみたいでした。

あと、順位をつけられるらしいんですよね、上手な人とそうでもないというかですね。2年生、3年生となっていくうちに、後から入ってくる人ってもっと上手な人がいたりとかですね。そういう楽しいはずだった絵を描くことがそんなに苦痛といいますか、楽しくなくなっていることがすごくかわいそうだなという思いがあって、そこをもっと「絵なんて楽しく自分の好きな絵を描きたいな」と思っています。「どんな風に描いてもいいのに」っていうところを伝えたいなというところがまず一点ありました。

もう一つが、僕は地元が佐賀県の武雄市というところなんですけど、近くに有田焼きの産地、有田町というところがあって、そこの焼き物が絵付けの凝ったものが売れなくて、どんどんシンプルなものが売れるようになってきていて、伝統とかそういったものが大切にされていないというか、そういう傾向があって、そういうことももう一回見直すようなことになる、きっかけになるようなこともしたいなというのもあって、その辺をくっつけて、最初は、企画・やり始めたところです。

▼中島さん(結衣 役)はあて書き

もりとみ舞
ありがとうございます。では続いて中島さん。
14歳という複雑な年齢というところを繊細に描いた作品だなという印象を持ちました。あて書きだったというお話も聞いたんですけども、そのあたりはいかがでしたか?

中島セナ
そうですね、あて書きをしていただいたりとか、あとは実際に私が絵を好きだという共通点もあったりして、実際に私が描いた絵を数枚、劇中に使用させていただいたりとか、そういうこともありました。

もりとみ舞
自分の描いた絵が劇中で使われるっていうのは、役を作っていく上で結構影響があったりとかしましたか?

中島セナ
そうですね、やっぱりそこが大きな共通点となったので、すごく自分の描いた作品というか絵が、作中で使われるというのは不思議な感覚にもなりました。

▼結衣をどのようにとらえて演じたか

もりとみ舞
ありがとうございます。続いて、結衣という女の子をどのようなキャラクターだと捉えて演じてみましたか?

中島セナ
結衣は大人に対して不信感を持っていたりとか、14歳ならではの感覚をすごく敏感に感じていたり…というキャラクターなんですけれども、不安定ながらも、 自分の自我というか自分の核となる部分を模索していっている、 そういうキャラクターだと思いました。

▼美樹に共感した点・難しかった点

もりとみ舞
ありがとうございます。では続きまして宮内さん。純粋さだけでは生きていけない理想と現実の狭間で葛藤する美樹を演じていらっしゃいました。共感した点や難しかった点などあれば教えてください。

宮内麗花
美樹は自分が描きたい理想と伝統の現実の狭間で揺れています。自分もちょうど30歳を迎えてから、この演技のお仕事を続けるかやめるかというので、悩んでたりしたので、全然違うことなんですけど、心情的には似た感覚だったので、その点では演じやすかったのかなと思います。

▼演じる時に意識したこと


もりとみ舞
ありがとうございます。
続いて、安原さん。女子中学生4人の一見仲良しだけど独特のヒエラルキーが潜んでいる関係性が怖くもありました。どんなことを意識しながら演じていらっしゃいましたか?

安原琉那
一見普通の中学生なんですけど、友達のためなら悪いことも協力しちゃうみたいな、そういう子だったので、そういうところを意識して演じました。
あと撮影以外の場所で、みんなで仲良くなるために、一部屋に集まって話したり、ゲームをしたりして、距離を縮めていきました。

▼キャスト、監督が好きなシーン

もりとみ舞
それぞれの好きなシーンというものを聞いていきたいなと思うんですけども、中嶋さんよろしいでしょうか。

中島セナ
はい、特定という感じではないんですけども、美術室のシーンのライティングだったりとか、セットの感じがすごく私はお気に入りです。

もりとみ舞
ライティングやセットの感じ、監督そのあたりは何かこだわった点はあるんでしょうか。

小島淳二監督
そうですね、一番光のいい時間。セナさんが絵を描いているシーンとかを撮るのに、一番いい午後の光の時間を待って、他のシーンをまた次に撮って、また翌日その光を待ってそのシーンを撮るとか、割と美術教室のシーンの光は。大事に撮影しました。

もりとみ舞

ありがとうございます。では続いて宮内さん、入っているシーンや好きなシーン、印象深かったシーンなどあればお願いいたします。

宮内麗花
私が覚えている一番印象的なシーンは、怒りにまかせて、ガシャッ☆(陶器を割るシーンです)。あのシーンは本当にドキドキしました。職人さんが準備してくれてた陶器だったので。

小島淳二監督
そうですね。素焼きの段階で本当に全部手書きのものをお借りして割ってしまったという。

宮内麗花
本当に泣きそうでした。

もりとみ舞
ありがとうございます。では安原さん、何かお気に入りのシーンや印象深いシーンはございますか。

安原琉那
4人で鬼ごっこするシーンがあるんですけど、そのシーンは…咲って、心から本気で笑えるシーンがあまり少なかったんですけど、そのシーンは本当に鬼ごっこを楽しみながら撮れたので楽しかったです。

もりとみ舞
ありがとうございます。それでは監督、たくさんあるかもしれないんですけど。

小島淳二監督
そうですね、結衣ちゃんが感情が抑えられなくて、車から飛び出して…というシーンがあるんですけど、シーンとしてもすごく印象的なんですけど、割と撮影の時も車とかも全部、僕らの制作部とかで運転したり、ドライバーの人もいたりとかするんですけど、そういうのを全部通して準備して、あのシーンを撮っているんですよね。だから割と大掛かりだったというか、何気ないシーンなんですけど、割とトランシーバーでいろいろやりとりしながらやったシーンで、2テイクぐらいであのシーン撮れたんで。わりと準備が大変だったので、僕としてはあのシーンが一番印象的です。

▼キャスティングの決め手

もりとみ舞
ありがとうございます。それではですね、監督にもう一つお伺いしたいんですけども、それぞれをキャスティングの決め手になった部分なんかを色々教えてもらってもよろしいでしょうか。

小島淳二監督
そうですね、セナさんに関しては、僕の友人が米津さんのミュージックビデオのプロデューサーをしていて、「すごくいい子がいるよ」ということで、セナさんのことをまず教わって、実際に絵を描いているという話を聞いて絵を描き慣れている人というか、本当に絵が好きで描いている人とそうじゃない人というのは多分絵に出るなと思って、絵を描くというところも決めて、あと脚本もまだ完成していなかったんですけど、ぜひ出ていただきたいということで。オファーしに行きました。

安原さんに関しては、東京でオーディションをしたんですけど、映画のその企画をよく理解してくれたっていうこととか、あとやっぱりコミュニケーション能力がむちゃくちゃ高くて、今回その中学生4人のうち2人が東京から、セナさんと安原さんが東京から行って、あと2人が福岡でオーディションした子だったんですね。
福岡のチームと東京で撮影の数日前に集まるということで、多分リーダー格といいますか、その役を安原さんだったらちゃんとやってくれるかなと思って、映画の中の関係性にもすごくぴったりだったので、安原さんにお願いすることにしました。

宮内さんは福岡で普段活動されてるんで、福岡のオーディションのときにお会いして、車の中で信夫(演・大迫一平)が香水の匂いに気づくっていうシーンがあるんですけど, あそこのシーンをオーディションでやってもらったんですね。
そうしたらいろいろ細かい… 例えばカセット、ラジオのボリュームをいじってみたりとかですね、そういう細かいお芝居をいろいろやりながら、「ちょっと熱いね」とかいろいろアドリブがすごくいっぱい入って、「この人すごくお芝居が好きなんだな」っていうのが伝わってきて、宮内さんにお願いしようというその時に思いました。

 もりとみ舞
ありがとうございます。
宮内さんオーディションのことは覚えていらっしゃいますか?

宮内麗花
オーディションは監督に選んでもらう場で, 自分が好きなことを好きなだけできる場所だったので、 本当にやりたい放題やりました。

もりとみ舞
そのやりたい放題をやったのが功を奏したというか決め手になったということですね。

▼撮影中に監督からもらった印象的な言葉は?

もりとみ舞
逆にキャストの皆さんに撮影中の監督からもらった言葉で印象深かったこととかもしくは先ほどのね控室なんかもとても皆さん仲の良さが伝わってくる感じだったんですけども監督の印象そんなことを少し聞いていきたいなと思うんですが、中島さん早速大丈夫そうでしょうか?

中島セナ
はい、撮影中は本当に監督含め撮影全体がすごく和やかで優しくて本当に撮影のしやすい環境で監督からの演技の指導としては感情が高ぶったりちょっと怒りが出るシーンとかで指導していただくという形になりました.

もりとみ舞
ありがとうございます。監督その辺何か気をつけたこととか何か意識したこととかあったりするのでしょうか,

小島淳二監督
そうですね, 特殊な作り方といいますか、東京のチーム以外の、福岡のチームで一回、全部のシーンをリハーサルをして、もうこういうシーンを、このシーンカットで、こういうのを撮るっていうのを全部撮影前に決めておいたんですね。
それで中島さんとか、東京のチームが来た時には、割ともうその演技だけを注目しとけばいいぐらい、他の人のところは全部もう出来上がっているみたいな状態にしたということで、多分現場がピリつかないようにっていうこととかは、すごく気をつけていました。
まずは全部自分の中でシーンを作り込んでいたので、なごやかに進めたのかなとは思っています。お話の内容は結構重みがあるんですけども、実際の撮影の現場はとても和やかだったという事で。

もりとみ舞
では続いて、宮内さん、何か監督の事で印象深い事や、こんな事言われたよみたいな話はあったりしますでしょうか。

宮内麗花
私は普段あまり褒められる事がなくて、コンプレックスの塊みたいな人なんですけど、「宮内さんの語尾がいいよね」って言われたのが未だに印象的で、話し方を褒められるとこんなに嬉しいんだなって思いました。

もりとみ舞
監督、覚えていらっしゃいますか。

小島淳二監督
すみません、その事は覚えていなかったですね。宮内さん、オーディションの時も本人がすごく映画が好きで、映画館で働いていた事があるぐらい映画が好きだという話もすごく印象的で、宮内さんがすごく映画好きだからこういうお芝居とかできるんだなって思ったことはすごく印象的でした。

もりとみ舞

宮内さん、映画館で働かれてたんですね。

宮内麗花
映写技師をやっていてまさか自分がこのステージの上に立つ日が来るとは思ってなかったので, どちらかというとフィルムかけてスタートボタン押しに行きたいなって今思ってます。

もりとみ舞
いつもとはすごく反対側に立たれてますけどどうですか?緊張されますか?

宮内麗花
はい、緊張しかしてないです。

もりとみ舞
ありがとうございます。安原さん、監督のこととかで印象深かったことやこんなこと言われたよみたいなことあったりしますか?

安原琉那
はい、最初に咲はこんな感じだろうって、自分で思って結構作り込んじゃってから練習とかいろんな演技をしてたんですけど,、監督から「もうちょっとナチュラルにやって」とか,「 自然に見えるようにやった方がいいよ」っていうアドバイスをいただいたから、この映画にちょっと馴染んでできたかなと思ってます。

もりとみ舞
監督、そのあたりは?

小島淳二監督
そうですね、安原さん本当に細かいお芝居が上手な方で、僕の映画にはちょっとやりすぎなくらい本当に細かかったんです。僕はそういうあんまり熱い演技の映画とかが苦手といいますか、そういうところもあって、安原さんにちょっとだけ抑えてくださいっていう感じで撮影していきました。

▼セナさん、小島監督からメッセージ

もりとみ舞
ありがとうございます。まだまだお伺いしたいことはあるのですが、お時間が近づいてきたよということでですね、最後に登壇者を代表して中島さんと小島監督から一言ずつご挨拶いただきたいと思います。

中島セナ
大きいことでも小さいことでも、結衣と似たような感覚というか思いをした方が少なからずいるのかなと思います。そんな方に何か少しでも届いたらいいなと思ってここにいます。本日はありがとうございました。

小島淳二監督
中島さんのすごく今の良い一言の後、僕が言うと濁りそうなんで言いにくいんですけど、本当にまずは今日ご来場いただいたことに感謝します。この映画を最初に企画し始めた時からずっと今もやってくれている安岡さんという企画をやってくれた安岡さんと、プロデューサーの荒木さんはヴィム・ヴェンダース監督の『PERFECT DAYS』の助監督もやられているすごい方なんですけれども、この二人が「やろうよ」って言ってくれたことで、今日を迎えられたので、本当に感謝しています。この場を借りてお礼を言いたいと思います。今日はとにかく皆さん来ていただいてありがとうございました。


<あらすじ>
伝統的な焼き物の街。14 歳の結⾐は、⽗と祖⺟の3⼈暮らし。美しいと感じたものを⾃分の⾊使いで絵に描くことが唯⼀の楽しみで、美術教室での技術重視の指導⽅針には馴染めないでいる。ある⽇結⾐は、⽗親が好意を寄せる絵付け師・美樹と出会い、その独創的な絵柄に魅了される。⼀⽅の美樹は、公募展を前に、⼊賞を約束された古典的なものか独⾃のデザインか、どちらを選ぶべきか葛藤していた。そんな美樹に対し、個性を尊重するべきだと勧める結⾐だったが……。⼤⼈たちの都合や裏切りに激しく動揺した結⾐は、驚くべき⾏動に出るーーー。

中島セナ ⼤迫⼀平 宮内麗花 安原琉那 MEGUMI
監督︓⼩島淳⼆
撮影︓安岡洋史 照明︓根岸謙 録⾳︓阿尾茂毅 ⾳楽︓徳澤⻘弦 美術︓古本衛(TRY2)
⾳響効果︓ジミー寺川 ⾐装︓Toshio Takeda(MILD) ヘアメイク︓⽊⼾友⼦
助監督︓中村周⼀ 制作主任︓⻑沢健⼀ プロデューサー︓荒⽊孝眞
グラフィックデザイン︓丸橋桂 配給︓スタジオレヴォ 制作︓teevee graphics, INC.
協賛︓佐賀県フィルムコミッション
2022 年/⽇本/カラー/107分/17:9/5.1ch デジタル
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5 ⽉10 ⽇(⾦)渋⾕シネクイントほか全国順次公開

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