2024年10月30日、第37回東京国際映画祭にて、片山慎三監督最新作『雨の中の慾情』の舞台挨拶とQ&Aセッションが行われ、主演の成田凌さん、中村映里子さん、李杏さんが登壇。本作は、つげ義春さんの原作をベースに、片山監督独自の視点で再構築されたラブストーリー。会場からは作品に対して、多くの質問がなされた。
登壇者からのあいさつ
舞台挨拶の冒頭では、3人の俳優がそれぞれが、本作が初めて一般の観客に向けて披露される場であることに、特別な思いがあると語りました。
出演を決めた理由は?
中村さんは、片山監督の作品を以前から高く評価しており、オファーを受けた際に迷いはなかったそうです。また、原作の世界観にも魅力を感じ、成田凌さん(義男 役)と森田剛さん(伊守 役)との共演にも期待を膨らませていたことを明かした。
李杏さんは、2017年に片山監督と出会い、縁を感じていたとのこと。その後、監督が台湾で映画を撮影することになり、オファーを受けた際には、監督のストーリーテリングや映像表現に感銘を受けていたため、迷わず快諾したと語りました。
それぞれの役作りは?
李杏さんは、片山監督から「目を瞬くスピードをゆっくりにしてほしい」という指示を受けたエピソードを披露。観客にどのように演技を見せるかという監督の明確なビジョンを感じ、良い経験になったと語りました。
中村さんは、監督から「福子はとにかく明るく演じてほしい」という指示を受け、リアルさよりも思い切りよく演じることを意識したとんこと。また、汗っかきという設定を生かし、汗やオイルを多用して福子のキャラクターを作り上げていったことを明かしました。
成田さんは、「福子が好き」という義男の気持ちを核として役作りに取り組んだと語り、福子への強い気持ちが、義男の行動や言動の根底にあることを意識して演じたと明かしました。
台湾ロケの思い出は?
中村さんは、台湾の寒暖差に苦労したエピソードを披露しました。特に、夜遅くまでの撮影で薄い衣装を着ていたため、寒さに耐えるのが大変だったと語った。
李杏さんは、日本のスタッフのプロ意識の高さに感銘を受け、言葉の問題もなくスムーズに撮影が進んだことを明かしました。また、片山監督の事前の準備が万端であったため、撮影現場では大きな問題もなく順調だったと語りました。
劇中の登場人物でやりたい役は?
観客からは、「劇中の役でどの役がやりたいか」という質問も飛び出しました。成田さんは「もうやりたくない」と即答し、会場の笑いを誘いました。中村さんは「X」を、李杏さんは「二人の子供の娘」を挙げ、それぞれの役柄への興味を示しました 。
愛情溢れる現場から生まれた力作
最後に、成田さんは、本作が愛情溢れる現場で制作されたことを強調し、観客の心に響く作品になってほしいと締めくくりました。
映画『雨の中の慾情』
■あらすじ
貧しい北町に住む売れない漫画家・義男(成田凌)。アパート経営の他に怪しい商売をしているらしい大家の尾弥次(竹中直人)から自称小説家の伊守(森田剛)とともに引っ越しの手伝いに駆り出され、離婚したばかりの福子(中村映里子)と出会う。艶めかしい魅力をたたえた福子に心奪われた義男だが、どうやら福子にはすでに付き合っている人がいるらしい。伊守は自作の小説を掲載するため、怪しげな出版社員とともに富める南町で流行っているPR誌を真似て北町のPR誌を企画する。その広告営業を手伝わされる義男。ほどなく、福子と伊守が義男の家に転がり込んできて、義男は福子への潰えぬ想いを抱えたたま、三人の奇妙な共同生活が始まる……。
成田凌
中村映里子 森田剛
足立智充 中西柚貴 松浦祐也 梁秩誠 李沐薰 伊島空
李杏 / 竹中直人
監督・脚本:片山慎三 原作:つげ義春「雨の中の慾情」
企画:中沢敏明 エグゼクティブプロデューサー:英田理志 中西一雄 林之晨 鶴丸智康 プロデューサー:厨子健介 筒井史子 劉士華
コ・プロデューサー:後藤哲 李芃君 川端基夫(山形ロケ) 和田大輔(茨城ロケ) 脚本協力:大江崇允 音楽:髙位妃楊子 衣裳デザイン・扮装統括:柘植伊佐夫
撮影:池田直矢 照明:舘野秀樹 録音:秋元大輔 美術:磯貝さやか 装飾:折戸美由紀 小道具:佐藤桃子 編集:片岡葉寿紀 音響効果:井上奈津子
VFXスーパーバイザー:朝倉怜 衣裳デザイン補・スタイリスト:玉置博人 スタイリスト:橋本ゆか ヘアメイク:会川敦子
VFXプロデューサー:川瀬基之 音楽プロデューサー:安井輝 宣伝プロデューサー:小口心平 スチール:柴崎まどか キャスティング:北田由利子 助監督:山口晋策
制作:セディックインターナショナル 日商賽奇客有限公司 井風國際娛樂有限公司
製作:映画『雨の中の慾情』製作委員会 配給:カルチュア・パブリッシャーズ ©2024 「雨の中の慾情」製作委員会
公式サイト:https:/www.culture-pub.jp/amenonakanoyokujo/ 公式SNS:@ame_yokujo
11月29日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開