12月6日、池袋シネマ・ロサにて映画『ブラックホールに願いを！』の初日舞台挨拶が行われた。制作に8年を費やし、世界文化遺産の軍艦島や高エネルギー加速器研究機構（KEK）などでロケを敢行した本作は、分断の時代を描く「空想特撮映画」だ。満席となった会場には、ダブル主演の米澤成美、吉見茉莉奈をはじめ、斎藤陸、大沢真一郎、螢雪次朗、渡邉聡監督が登壇。劇中衣装での登場や撮影の裏話、人類滅亡をテーマにしたユニークなQ&Aで観客を沸かせた熱気あふれるイベントの模様をレポート！
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■ 制作8年の空想特撮映画『ブラックホールに願いを！』初日満席
満席の会場で主演・米澤が天然ハプニング、吉見がフォロー
STUDIO MOVESによる初の長編映画となる本作は、第一線の特撮現場で活躍する若手スタッフが集結して制作された。満席の客席を見渡したベテラン俳優の螢雪次朗は「ビックリいたしました。作品を気に入らなくても途中で帰らないでください」とユーモアを交えて挨拶し、会場の笑いを誘った。 冒頭の自己紹介では、主演の米澤成美が緊張のあまり自身の役名を忘れるというハプニングが発生。すかさずもう一人の主演である吉見茉莉奈が「伊勢田みゆきですよ」と優しくフォローを入れる場面が見られ、劇中で描かれる友情さながらの息の合った掛け合いを披露した。
「爆発」と「人間ドラマ」、監督が込めた社会的なメッセージ
構想から8年をかけた本作の見どころについて問われると、米澤は「やっぱり爆発ですね！すごい爆発しますからね！」と特撮映画らしい魅力を力説。一方、吉見は「特撮畑の監督がやりたいことを詰め込んだ作品であり、主演ふたりの友情や人間ドラマが見どころ」と語った。 渡邉聡監督は「特撮なので爆発などもございますが、意外と真面目に現代的で社会的な世界情勢問題も入れているので、そこを見逃さないで欲しい」と述べ、エンターテインメントの枠に留まらない作品の深層について言及した。
『カメ止め』ファンだった監督、オファーの裏話
本作には『カメラを止めるな！』で知られる濱津隆之や大沢真一郎が出演している。大沢は、監督が同作のファンであることを撮影現場では知らされず、つい1週間前に知ったというエピソードを披露。これに対し渡邉監督は、『カメラを止めるな！』を5回鑑賞し、濱津と大沢の演技に感動したことがオファーのきっかけだったと明かした。また、悪魔博士こと赤城教授役の鳥居みゆきへのオファーも、監督が彼女のファンであったことが理由だという。
「人類滅亡の瞬間」にしたいことは？ 個性あふれる回答
登壇者の多くが劇中の衣装で登場する中、螢だけは「抵抗して私服で来ました」とマイペースさをアピール。 劇中で描かれる危機的状況にちなみ、「もし人類が滅亡するなら最後にしたいこと」という質問が投げかけられた。米澤は「酒飲んで寝たい」、大沢は「カレー食って寝ます」、吉見も「美味しいものをお腹いっぱい食べたい」と食欲を優先する回答が続出。一方で斎藤陸は「みなさんと一緒に作品を作って終わりたい」と語り、螢は「沖縄の離島で泡盛を飲みながらその時を待ちたい」、渡邉監督は「人類が滅びるようすをカメラで撮影したい」と、それぞれの死生観や仕事への愛着が垣間見える回答となった。
「スルメみたいな映画」監督とキャストが込めた願い
舞台挨拶の終盤、米澤は本作を「監督の思いが詰まっていて、1回観ただけでは魅力が伝わらないと思う。2回、3回観たらもっと『ポンポコポーン！』となるスルメみたいな映画です」と独特な表現でアピールし会場を和ませた。 吉見は改めて「SFも特撮も見どころですが、私は人間ドラマがこの映画の好きなところ」と強調。最後に渡邉監督は「手作りで一生懸命作ったものなので、温かい目で見ていただきたい」と観客に呼びかけ、「気に入っていただけたらSNSで拡散をお願いします」と締めくくった。
映画『ブラックホールに願いを！』
【あらすじ】 見えない壁を乗り越えろ!!!!
西暦2036年。緊張すると声が出なくなってしまう場面緘黙症を患う伊勢田みゆき（⽶澤成美）は、⼈⼯ブラックホールの研究を⾏う「⼈⼯縮退研究所」の総務部職員として勤めていた。ある日、同研究所の⾚城容⼦教授（⿃居みゆき）が⾒えない時間の壁「ボブル空間」を作り出し、３時間後に時間犯罪を起こして⼈類に復讐することを予告する。研究所のほとんどが機能しなくなった中で偶然にも難を逃れた伊勢⽥は、事件解決のカギを握る同研究所准教授の吉住あおい（吉⾒茉莉奈）をボブル空間から救出することを決意。次々と発生するボブル空間により崩壊していく世界。果たして人類滅亡を阻⽌することができるのか。
『ブラックホールに願いを！』（上映時間：116 分）
出演：⽶澤成美、吉⾒茉莉奈、斎藤陸、濱津隆之、キャッチャー中澤、ねりお弘晃、三輪江⼀、⼤沢真⼀郎、星能豊、⻑万部純、岡崎森⾺、浦⼭佳樹、⿃居みゆき、螢 雪次朗 監督・脚本・編集：渡邉聡 特技監督：⻘井泰輔
配給協力：Atemo 製作：STUDIO MOVES
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