映画『とおいらいめい』初日舞台挨拶。17歳を過ごした思い入れのある大切な作品。

映画『とおいらいめい』初日舞台挨拶。17歳を過ごした思い入れのある大切な作品。

8月27日(土)池袋シネマ・ロサにて、映画『とおいらいめい』公開初日舞台挨拶が行われ、劇中で三姉妹を演じた髙石あかり、吹越ともみ、田中美晴と、大橋隆行監督が登壇。本作原作・撮影監督の長谷川朋史がMCを務め、製作の経緯、キャストの選出、挑戦したこと、役と自身の共通点などを語った。

とおいらいめい
左から、大橋隆行監督、田中美晴、髙石あかり、吹越ともみ、MC:長谷川朋史(原作・撮影監督)

映画『とおいらいめい』は、今年7月に開催されたSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022の国際長編部門に、日本映画では唯一選ばれていた作品。
トリプル主演となる三姉妹を演じたのは、東京で半年以上のロングランヒットとなった『ベイビーわるきゅーれ』で初主演し、ドラマ「生き残った6人によると」にレギュラー出演中の髙石あかり、ドラマ「半沢直樹」の吹越ともみ、日仏合作『MINORI』でフランスで話題になった田中美晴。
人類の滅亡を前にゆっくりと家族になっていく姉2人と腹違いの妹を描いている。

■ 映画『とおいらいめい』初日舞台挨拶

▼原作の“双子の姉妹”から、本作で“三姉妹”になった理由

MC:長谷川朋史(本作原作・撮影監督)
本作は2004年に上演された舞台演劇が原作なんですが、原作では双子の姉妹という設定だったものが
三姉妹になった理由や経緯を教えていただけますか?

大橋隆行監督
もうズバリ、“髙石さんと出会ったから”というところが大きいです。
長谷川さんから台本をいただいて、映画用に直す・アレンジしていくところで、わりと長いこと、どう進めていいのか悩んでいました。
僕にとっての前作にあたる『かぞくあわせ』という作品の公開前の試写会に、髙石さんがたまたま観に来てくれていて、そのときの印象が強く残っていました。
3番目の腹違いの妹という存在を置いて書いていったら、何かいい感じになるんじゃないかとひらめいたんです。

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大橋隆行監督

MC:長谷川朋史(本作原作・撮影監督)
悩んでいましたよね。それがスッと、髙石さんを思い出して…

大橋隆行監督
そうですね、具体的な人物がポッとはまったことで、他のいろんな様子がカチカチッとハマったと思います。

▼オファーを受けた髙石あかりさんが、挑戦したこと

MC:長谷川朋史(本作原作・撮影監督)
髙石さんに出演のオファーをしたところ、すぐに快諾していただいて、髙石さんは”音”を演じることになったわけですが、“音”を演じるにあたって、挑戦したことや難しかったことはありましたか?

髙石あかり(三女・音 役)
今から観ていただくと分かると思うんですけど。
“音”というような役を演じることが今までありませんでした。
自分が音を演じられるかっていうのが少し不安というか…ワクワクとかドキドキに近くて楽しみでした。

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髙石あかり


初めて台本をいただいて、読み進めていくうちに、「あ、私、宮田音っていう役を愛していけるなぁ」って、思っていきました。
それが、この劇中にも伝わるくらい、その場にある空気を感じてリアルなお芝居をしてみたりとか。
自分とは本当に違う役だったので、お芝居を作りに行きたいところだったんですけど、自分はそういう役作りというものは、その当時はできなかったので、岡山に行ってそのときの空気だったりとか、現場の雰囲気をみながら作っていきました。
それがすごく映画に伝わっていて、自分はそれで良かったなと今は思っています。

とおいらいめい

MC:長谷川朋史(本作原作・撮影監督)
素晴らしいチャレンジだったということですね。みんな分かっています。ぜひ、それをスクリーンで確認していただきたいと思います。

▼長女・オーディション前に、姉妹の雰囲気というものはあらかじめ決めていたか?

MC:長谷川朋史(本作原作・撮影監督)
監督に伺います。長女・絢音と次女・花音はオーディションで決定したと伺いましたが、どういうキャラクターか、最初から考えがあったんでしょうか?

大橋隆行監督
考えはなかったです。オーディションをしたタイミングでは、実は台本が全然できていなくて、仮で書いたワンシーンを演じていただいて、オーディションにしたという経緯があります。
オーディションをしたときに、たまたまお二人が同じ組で並んで座っている様子を見て、「姉妹っぽい空気感を持っているな…」って思ったので、組んでお芝居をしてもらったんですけど、その時にはお姉ちゃんと妹を逆にしたりとかもしていただいたんです。
でも、吹越さんの当時のいろいろとあったトラブルが…

吹越ともみ(長女・絢音 役)
トラブルって言わないでください(笑)

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吹越ともみ

大橋隆行監督
吹越さんが、緊張で頭が真っ白になってセリフが飛ぶっていうことがありまして、そのわたわたとしている姿を見て、「このお姉ちゃん、頼れないな」という感じがこの三姉妹にとって、ものすごく大事な要素だったっていうのを、オーディション会場で僕も気づきました。

MC:長谷川朋史(本作原作・撮影監督)
これ深堀りして、大丈夫ですか? つまりこれは、ほぼ三人にあて書きということですね。

大橋隆行監督
そうです。

MC:長谷川朋史(本作原作・撮影監督)
いま、気づきました。そういうことなんですね。

大橋隆行監督
そうですね。3人とお会いしたときの印象が多分、そのまま台本になっていって、現場でさらに3人の個性が乗っかっていったんだと思います。

▼吹越さんに質問。長女・絢音と共通することはありましたか?

MC:長谷川朋史(本作原作・撮影監督)
絢音役の吹越さんは実生活でも長女だそうですが、絢音と共通することは何かありましたか?

吹越ともみ(長女・絢音 役)
今日はちょっと広島から両親が観に来てくれているので、恥ずかしいんですが、1人で抱え込んでいるように見えて全然隠しきれていないところとか、外面だけいいところとか…。

とおいらいめい

MC:長谷川朋史(本作原作・撮影監督)
大丈夫ですか?すごく深堀りになっていますが。

吹越ともみ(長女・絢音 役)
絢音の性格と、さっきのあて書きとおっしゃってたんで、多分、自分がそうなんだろうなと今思ったんですが、共感できる部分はたくさんありました。

とおいらいめい

▼実際に三姉妹の真ん中という田中美晴さん。次女・花音と共通する点は?

MC:長谷川朋史(本作原作・撮影監督)
花音役の田中さんは、実生活でもなんと三姉妹の真ん中っていうことで、これすごい偶然だと思うんですけど、花音役と共通することって何かありますか。

田中美里(次女・花音 役)
あて書きといわれた後であれなんですが、
三姉妹の真ん中だと、上と下とのバランサーというか、頼まれてもいないのに気にして、どっちともやりとりを一生懸命してしまう感じとかは似ているかなと思います。

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田中美晴

吹越ともみ(長女・絢音 役)
ゴロゴロしてるところもね。

MC:長谷川朋史(本作原作・撮影監督)
ぜひ、ゴロゴロしているところも確認していただきたいと思います。

▼シェルターのシーンのロケはいかがでしたか?

MC:長谷川朋史(本作原作・撮影監督)
吹越さん演じる絢音は、彗星の衝突の前に、シェルターの個室の設計をしているという役柄で、様々な危険と隣り合わせの日々が、実は続くんですが、シェルターシーンのロケはいかがでしたか。

吹越ともみ(長女・絢音 役)
私も台本をいただいて、「このシェルターのシーン、どこで撮影するんだろう?」とずっと思っていて、行ってみたんですね、本当に。殺伐とした怖い場所がたくさんありました。
本当によくこんなロケ地を見つけてくださったなと思うくらいに、映画に良いスパイスを与えたんじゃないかなと思います。

とおいらいめい

MC:長谷川朋史(本作原作・撮影監督)
シェルターのロケ地に関しては全て監督が探したんですよね。

大橋隆行監督
必死に探しました。

MC:長谷川朋史(本作原作・撮影監督)
そこもぜひ楽しみにしていただきたいと思います。

▼田中さんが演じる花音は再会する小学校の同級生の彼をどういった存在ととらえていたか?

MC:長谷川朋史(本作原作・撮影監督)
田中さんが演じる花音は、奥さんとうまくいってないお子さんがいる小学校の同級生、小学生の同級生の良平と再会するという設定なんですけど、花音にとって良平はどのような存在ですか?。

田中美里(次女・花音 役)
私的には、たまたま大変な状況の中に、自分の故郷に戻ってきたら、“ただ、そこにいた”という存在でした。

とおいらいめい

MC:長谷川朋史(本作原作・撮影監督)
思い入れはなかったということですか?

田中美里(次女・花音 役)
特別好きだったとか、そういうことではなく、なんとなくそういう大変な状況の時に出会ったりすると、結構大事だったりとか、普段なら一緒にいないような人と一緒にいられたりするようなそんな感覚で演じていました。
それはちょっと観ていただいて、どう思うかを逆に聴きたいと思いました。

とおいらいめい

MC:長谷川朋史(本作原作・撮影監督)
ぜひ感想を聴かせていただきたいと思います。

▼ポスターにもなっている日没のシーン。撮影はいかがでしたか?

MC:長谷川朋史(本作原作・撮影監督)
ポスターになっている日没のシーンですが、ほぼアドリブで撮影したそうですが、実際の撮影はいかがでしたか。

大橋隆行監督
僕はとても楽をさせていただきました。
演じる3人の大変さと、現場を管理するスタッフのみなさんの大変さ。
僕はもうただただその場を楽しむという、すごくお気楽なシーンだったんですけど、このシーンは都合2回挑戦させていただいて、日没の時間帯にやったんですよね。
1日目でもし駄目だったら、全部脚本を書きなおそうと思っていたくらいだったんですけど、1日目をやってみたらもう全然なんの問題もなく、“三人がよく動いてくれた”っていうと変なんですけど、すごくいいお芝居をしてくれたので、「翌日、もう1回やってみましょう」っていうくらいでやりました。

とおいらいめい

MC:長谷川朋史(本作原作・撮影監督)
正直私はスッゴイ大変でした。

▼1年間を3回に分けて撮影した本作。髙石さんからみなさんへのメッセージ

MC:長谷川朋史(本作原作・撮影監督)
2020年、今から2年前の3月から12月まで。なんと、17歳、1年間を3回に分けて、音として髙石さんに参加していただいたんですが、これからご覧になる皆さんに、ぜひ注目してもらいたい点とメッセージをお願いしたいと思います。

髙石あかり(三女・音 役)
緊張が伝わっている通り、すごく本当に思い入れのある作品で、17歳のセブンティーンの1年といったらあれですけど、自分にとってすごく大切ですし、この日没のシーンもすごく思い入れのある、多分きっとこれからずっと覚えているだろうなっていうすごく大切なすごいシーンです。
そういうシーンを初めて観てくださるがこの皆さんで、観てもらえてすごく嬉しいと思っております。

とおいらいめい


今コロナ禍が来ていて、皆さん大変な時期を一緒に過ごしてそれが、少し落ち着いて、自分にとっての大切なものが、私は家族だったり、コミュニケーションがすごく大切だなと思っていたので、この映画のテーマとなっている絆だったり、そういう部分が、みなさんに届いていたらいいなと思っています。
すごく感想が気になる作品となっているので、ぜひつぶやいていただいたりとか、いろんな方に観ていただいて、共有して、何度も何度もいろんなお芝居がすごく楽しめる作品ですし、景色もすごく素敵なので、観ていただければなと思います。

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■ 映画『とおいらいめい』作品概要

あらすじ
彗星の衝突により人類の滅亡が数ヶ月後に迫った2020年。小学生だった1999年にノストラダムスの予言を信じ、家出をした長女・絢音と次女・花音と、その後生まれた腹違いの妹・音が、初めて一緒に生活することになる。
絢音は、彗星の衝突を前にシェルターの個室の設計を担当しており、暴力によるシェルター強奪の危険と隣り合わせの日々。花音は、帰郷を機に、妻とうまくいっていない妻子持ちの小学校の同級生・良平と再会。音は、未成年ながらひょんなことから飲み会サークルと出会い、飲んだ帰りに花音が良平にキスするのを目撃。
互いに踏み込めず、すれ違う三姉妹は、世界の終わりを前に、本当の家族になれるのか。

キャスト・スタッフ・クレジット
髙石あかり 吹越ともみ 田中美晴
ミネオショウ 大須みづほ 森徠夢 武井美優
古矢航之介 三原哲郎 川辺純子 石橋征太郎 大田恵里圭 園山敬介 タカ海馬 荒井啓仁 舞木ひと美
藤田健彦 しゅはまはるみ

企画・製作・配給:ルネシネマ
監督・脚本:大橋隆行
原作:とおいらいめい(2004年上演舞台)
撮影監督:長谷川朋史  音楽:上久保汐李  助監督:原啓仙/渡辺喜子
録音:長沼優可/小牧将人/寒川聖美  ヘアメイク:大貫茉央/早川葵
制作:藤田健彦/大原昌典  フードコーディネーター:荒井啓仁
アクションコーディネーター:タカ海馬  ガンエフェクト:小暮法大
協力:岡山県フィルムコミッション協議会/せとうちフィルムコミッション/瀬戸内市商工観光課/備前市役所産業観光課/厚木土木事務所/相模原水系広域ダム管理事務所
2022年/日本/シネマスコープ/ステレオ/150分 ©ルネシネマ
公式サイト: https://runecinema.com/tooiraimei/
Twitter: https://twitter.com/tooiraimei
Facebook: https://www.facebook.com/rune.tooiraimei/
Instagram: https://www.instagram.com/distantthunder2022

8月27日(土)〜9月23日(金)池袋シネマ・ロサにてレイトショー公開

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