石川泰地監督特集「一部屋、二人、三次元のその先」テアトル新宿にて1週間限定上映

石川泰地監督特集「一部屋、二人、三次元のその先」テアトル新宿にて1週間限定上映

5月3日(金祝)~5月9日(木)、東京・テアトル新宿にて、石川泰地監督特集「一部屋、二人、三次元のその先」が1週間限定上映される。国内最大級の自主映画の祭典「ぴあフィルムフェスティバル」で入選を果たした近作2作品を同時上映する。

■ 石川泰地監督特集「一部屋、二人、三次元のその先」

しゃべってるだけ と思いきや 想像の彼方へ!

「ぴあフィルムフェスティバル」にて連続入選!
石川泰地の監督作2作品、初の劇場同時公開


▼イントロダクション

早稲田大学在籍時に是枝裕和監督、映画研究者・土田環氏の指導のもと映画制作を学んだ石川泰地、初の劇場公開。国内最大級の自主映画の祭典「ぴあフィルムフェスティバル」で入選を果たした近作2作品が同時上映される。

夜の東京を闊歩する巨人の幻影に取り憑かれた友人に翻弄される男の運命を追った『巨人の惑星』(2021)、自室に引きこもる男とかつての映画仲間との珍妙な時間旅行を描き、PFFアワード2023映画ファン賞(ぴあニスト賞)を受賞した新作『じゃ、また。』(2023)。
両作品とも、撮影はほとんどアパートの一室のみ。さらに、メインキャストは監督自身とその友人の2人だけ! “自主映画”を地でいくミニマムな作品ながら、毒っ気たっぷりでユーモラスな言葉のやりとりと、小さな部屋がいつのまにか得体のしれない大きな「何か」に接続しているダイナミックな構成が観客の心をつかみ、好評を得ました。

可笑しくて、ちょっと怖くて、ほんのちょっと切なくて──鏡写しのような2つの作品が連れだすのは、「ここ」と遠いようで本当は隣りあっている不可思議な世界。ぜひ劇場という特別な空間でご堪能ください。

▼特集上映にあたってのコメント

石井裕也(映画監督)
某有名俳優が『じゃ、また。』を観て「俺もこの作品に出たい」と言っていたが、石川監督が作るあの「部屋」には簡単に入れない。誰にも真似できない会話劇。


石川慶(映画監督)
なんだろう、作りも題材もすごく“自主映画”なんだけど、最後とんでもなくダイナミックに“大きな映画”に様変わりするんですよ。
規格外の新人の登場に、同じ石川監督として戦々恐々としております。


山川直人(映画監督)
最小限の素材で最大の面白さ。これが石川泰地監督作品の特質だ。
しかも謎なのに魅力的、これは現実か幻想か、そして真面目なのかハッタリなのか…。
頭の中で想像が渦を巻く。これこそたぐいまれにして至上最高の映画体験だ!

▼上映作品

『巨人の惑星』

脚本・監督・撮影・編集:石川泰地
音響:佐藤恵太 VFX:癸生川稜
出演:石川泰地、国本太周、高取生
2021年/25分/スタンダード/カラー
英題:Planet of the Giants
©Ishikawa Taichi

*第43回ぴあフィルムフェスティバル PFFアワード2021入選
*第9回バクナワフェスティバル(フィリピン)MATÁ-ASYA部門 上映

「巨人がさ、歩いてるんだよ」。カワイ(石川泰地)が大学時代の友達・ホンダ(国本太周)を訪ねると、彼は東京の夜の街に出現する巨人の存在に妄執していた──。自室から「定点観測」しているから世界の変化に気付いたと、飄々と語るホンダ。常軌を逸していく彼の挙動が、カワイの認識に揺さぶりをかける。なぜ、見えないはずのモノを“いる”と信じずにはいられないのか? スタンダードサイズにこだわったフレーミングが巨人の幻像を漂わせる。PFFアワード2021にて初入選を果たした短編作品。


『じゃ、また。』

脚本・監督・編集:石川泰地
撮影・グレーディング:新藤早代
録音・MA:寒川聖美 音楽:関口諭
出演:石川泰地、国本太周
2023年/52分/ヨーロピアンビスタ/カラー
英題:See You Then.
©Ishikawa Taichi


*第45回ぴあフィルムフェスティバル PFFアワード2023 映画ファン賞(ぴあニスト賞)受賞
*第24回TAMA NEW WAVE「ある視点」部門 上映

大学も卒業しないまま引きこもり続けているナリヤス(石川泰地)。お盆休みに学生時代の映画サークル仲間・シュウタ(国本太周)が彼を訪ねてやってきた。けれども……。巻き戻される時間、ズレていく会話、何かがおかしいこの部屋で、二人が想い出すのは完成させることができなかった映画のこと。宙ぶらりんな空間で交わされるシュウタとの答えあわせが、ループする人生を少しずつ変えていく。上映劇場のテアトル新宿で撮影したショットはどれも必見! PFFアワード2023にて映画ファン賞も受賞した最新作。

▼メッセージ

石川泰地(監督)
カメラという言葉は、ラテン語で「暗い部屋」という意味の“camera obscura”から来ているそうですね。今回上映される二つの短い映画はどちらも、ある男が暮らす部屋を、もう一人の男が訪ね、二人の間で反射した言葉が窓ガラスを抜けて、部屋の外に虚像を作り出す、みたいな話です。一人、自室で煮詰めた二つのアイデアが、近しい友人たちの多大なる献身を得て、それぞれの像を結びました。この、たいへん小さな映画が、映画館という「暗い部屋」で上映されることで、大きな映画となることにワクワクしています。

▼プロフィール

石川泰地(いしかわ・たいち)


1995年生まれ、東京都出身。早稲田大学在学中から自主映画の制作を始め、現在はテアトル新宿のアルバイトスタッフおよび山形国際ドキュメンタリー映画祭の東京事務局スタッフとして働きながら映画制作を続けている。2018年、是枝裕和氏、土田環氏らが担当教員を務める授業内で短編映画『亡霊は笑う』を監督。早稲田松竹で特別上映された。2020年、第21回東京フィルメックス「New Director Award」において長編映画企画『縊の木(くびれのき)』が最終選考に進出。2021年、短編映画『巨人の惑星』がPFFアワード2021に入選。2023年、続いて制作した中編映画『じゃ、また。』もまたPFFアワード2023に入選。映画ファン賞(ぴあニスト賞)を受賞。また第24回TAMA NEW WAVE「ある視点」部門においても上映された。2024年、第2回講談社シネマクリエイターズラボにて優秀賞を受賞、短編映画『エンパシーの岸辺』を制作予定。


5月3日(金祝)~5月9日(木) [東京]テアトル新宿にて1週間限定上映!!

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