現代日本のリアルな「生活」と「恋愛」を描いた、知多良監督による長編デビュー作『ゴールド』。偶然の出会いから生まれたMVがスピッツ草野マサムネ氏らの紹介で話題となり、3年の歳月をかけて長編映画化されました。2025年10月25日から、東京・ポレポレ東中野での上映が始まると、観客から好評の声があがり、2度も上映期間が延長されたという異例の話題作となっている。夢を追いかける二人の男女の姿は、苦いけれど、確かにきらきらした「ゴールド」のように輝いています。現代に生きる私たちの共感を呼び起こす、等身大の青春ドラマをぜひ劇場でご覧ください。東京・ポレポレ東中野では上映イベントも開催。大阪では11月29日より十三・シアターセブンにて公開。

■ 映画『ゴールド』 知多良監督と小畑みなみインタビュー
1.お名前の由来について
ー: 最初に、弊サイトの定番の質問として、お名前の由来についてお聞かせいただけますでしょうか。小畑みなみさんのお名前の由来について伺ってもよろしいでしょうか。
小畑みなみ: はい、私の名前は本名です。父親が母を誘い新婚旅行で地球を一周したほどのバックパッカーで、旅が好きなタイプなんです。姉の名前も旅行関係の由来があるのですが、私の場合は、南の国の人みたいに温かくて、優しい人になってほしいという意味が込められて、「みなみ」とつけられました。漢字も考えたらしいのですが、生まれたての顔が漢字の顔をしていなかった(漢字の字体のような角ばった感じがなかった)らしく、「もうこれはひらがなでいこう」となったそうです。
ー: 面白いエピソードですね。知多良監督はいかがでしょうか?
知多良監督: 私は本名ではないんです。もともと旧姓が高橋良多でしたが、結婚して妻の苗字になりました。妻も監督業をしているため、ややこしくなるのを避けて芸名を使っています。親、特に母方が沖縄の出身で、沖縄の苗字である「チナ」をもじって、元の名前の「リョウタ」を逆にして、「チタリョウ」と名付けました。よく言われるのですが、知多ハイボールが好きだからというのも少しあります。沖縄の親の苗字を少し使いたいという思いも込めています。
2. 作品制作のきっかけと経緯
ー: ありがとうございます。それでは、作品制作のきっかけについて伺います。本作はグッナイ小形さんの楽曲MVを出発点とし、監督の実体験をもとに長編化された経緯があるそうですが、この流れを教えていただけますか。
知多良監督: 最初のきっかけは、恋愛をテーマにしたミュージックビデオを撮ることになったことです。MVの撮影は通常1日か2日程度ですが、男女が初めて出会っていきなりカップルを演じても本物の関係性にはなりにくいと考えました。そこで、出演してもらったサトウヒロキくん(弘樹役)と小畑みなみさん(ミキ役)の二人の関係性を作るために、セリフのあるリハーサル用台本を15枚ほど用意したんです。
ー: リハーサル用の台本ですか。
知多良監督: はい。そのリハーサルで、『ゴールド』の重要なシーンにもなっている食卓での喧嘩のシーンなどを演じてもらったところ、15分ほどのシーンが予想以上に見ていて素晴らしいと感じました。そこでMVを撮りながら、「短編としても撮りたい」という話を二人にしたんです。
知多良監督: 最初に撮った15分の短編は、二人が喧嘩するシーンや楽しそうなシーン、そして弘樹の清掃の仕事でのパワハラを受けるシーンなどが含まれていました。ただ、食卓の喧嘩のシーンだけを見ると、弘樹が職場でパワハラを受けてため息をついているのに対し、ミキが「ため息ついてガキかよ」といったことを言い、ミキが嫌な人に見えてしまうという問題が生じました。
ー: 意図しない見え方になってしまったのですね。
知多良監督: はい。自分としては不本意だったので、ミキにもミキの抱えている職場での事情があるということを描きたいと思い、シナリオを書き進めました。それが長編化し、気づいたら2年が経ち、120分分のシナリオになってしまいました。撮ろうか悩んでいたのですが、プロデューサーがヒロキくんに「長編化するらしいよ」と言ってしまい、ヒロキくんから「楽しみに待ってます」と言われてしまったので、これは撮らないといけないと決意しました。周囲から埋め立てられて撮ることになった、という感じです。
ー: 結果的に、良い作品になってよかったですね。主演のお二人はオーディションではなく、撮影の経験の信頼があるから選ばれたということですね。
知多良監督: 初めての長編映画だったので、信頼ある人とやりたいと思っていました。
3. 小畑みなみさんの魅力
ー: 監督から見て、小畑みなみさんの魅力はどのような点でしょうか?
知多良監督: 役者さんとして…ですよね。私は最初期の作品から何本も恋愛映画でご一緒させていただきましたが、撮影とは別に、プライベートで恋愛相談をさせていただくこともありました。何を言っても返してくださるという信頼感があり、僕の中では、みなみさんは「恋愛マスター」のようなイメージがあるんです。
恋愛におけるあらゆる感情をすべて知っている人、というイメージです。それはお芝居だけで作り出せるものではないので、恋愛映画をやるなら絶対にみなみさんだと思っていました。この資質こそが、他の役者さんにはない、みなみさんが持っている一番の魅力だと思っています。
小畑みなみ: (笑いながら)いろいろ恋愛してきてよかった。

4. 実体験と恋愛要素の着想
ー: 先ほどの制作のきっかけの話で、知多良監督の実体験がもとになっているとのことですが、具体的にどのあたりが実体験に基づいているのでしょうか?
知多良監督: 私自身もかつて社員として駅の深夜の清掃の仕事をしていました。映画の中で弘樹が転職した先の職場は、私の実体験がもとになっています。実際に話してみると良い人だったりするのですが、別の場面では陰湿なパワハラを行っていたり、誰かを病ませようとするようなことがあったりしました。ニュースやSNSで見るような単純なパワハラよりも、現実のパワハラは、誰が良い人、悪い人だと簡単に決められないほど複雑だという、その難しさを描きたいと思いました。
ミキの方(映像制作会社の事務職)についても、私自身が昔、映像制作会社で働いていた経験を取り入れています。大きなパワハラはないかもしれませんが、そこでの雑なやり取りや、仕事に追われて忙しいせいで他人に優しくできないといった人間関係の部分が実体験に基づいています。
ー: 恋愛要素の部分については、何か元ネタとなったものはあるのでしょうか?
知多良監督: 恋愛については、もちろんみなみさんも恋愛マスターですが、僕自身も結婚する前は、すぐに人のことを好きになってしまう、恋が発生しやすいタイプでした。ただ、みなみさんは相手との間で恋が発生することが多いのに対し、僕は一人で発生しているタイプだったので、そこはちょっと違いますね。
自分の過去の交際経験で、働く・働かないで喧嘩をしたことなどがあり、どちかというと昔は僕もミキに近い部分があり、相手に「突っ込んでよ」「気にしなきゃいいじゃん」と強めな態度を取ってしまうことがありました。昔付き合っていた、働くのが苦手な方に対する思いなども参考にしています。
また、ミキが彼氏に専業主夫になってほしくて、ミキ自身は働くのが好きだという関係性については、佐藤睦美監督の作品『ゴミのような』が大きなきっかけとなっています。この作品では、通常と男女の役割が逆になっており、そこでの葛藤が描かれていました。そのテーマを、僕なりにもう少し掘り下げたいという思いがあり、影響を受けている作品です。
5. ミキ役とご自身との比較
ー: 小畑さんご自身が演じたミキとご自身を比較してみて、似ている点、あるいは異なる点をあげるとするといかがですか?
小畑みなみ: 私は割と似ているタイプだと思っていて、根本的なところは同じ場所にいると思うので、すごく分かるところがいっぱいありました。ミキは弘樹に専業主夫になってほしいと思いつつも、彼のことを尊重している部分もあり、そのバランスが難しいと感じました。
昔は、私自身「こうしてほしい」「こうであってほしい」という人に期待してしまう傾向が強いタイプだったので、その点で言えば昔の私とミキは違ったところにいたかもしれません。ですが、最近は人生で色々な経験を経て、人に期待しちゃいけないんだなと思うようになりました。人に「何々してほしい」と望むのではなく、「自分がじゃあ何をしたいか」という風に気持ちが変わってきています。ミキも割とそちら側だと思います。
知多良監督: ミキが期待するのは、弘樹が働くのが嫌なら毎日笑顔でいてほしいという点です。だから専業主夫になってほしいと思う。でも、弘樹が働きたいと言うなら、彼が辛そうにしていることは我慢はしている。その結果、フラストレーションが爆発したりする。それは弘樹に負けたいというより、目の前の人がため息をついていたら嫌で、それに対する心配と苛立ちのようなものが混ざっているのだと思います。
小畑みなみ: 私は、弘樹みたいな、ちょっと控えめで、オラオラしていない、人に向かっていけないタイプの人を守ってあげたいと思っちゃうタイプなので、そこはミキとすごく通じ合っていて、役柄がスッと入ってきました。

6. タイトル『ゴールド』の由来
ー: 映画のタイトル『ゴールド』は、いつ頃、どのような理由で決まったのでしょうか?
知多良監督: シナリオ執筆に2年ほどかかったのですが、最後までタイトルが思い浮かびませんでした。16分ほどのラストシーンのシナリオを書いている時に、ゴールドの題名に関わるようなセリフが出てきて、そこでようやく『ゴールド』かなと思えたんです。
タイトルを『ゴールド』にした理由ですが、シナリオを書いている時期がコロナ禍の真っ最中で、身近な同年代の友人が亡くなってしまうことがありました。彼らの人生は、結婚し、こどもを持ち、やりたい仕事をして充実していた。外から見ると豊かな人生でしたが、結末だけ見れば終わってしまったから、バッドエンドに見えてしまう。
私は、彼の人生自体には様々なことがあって、輝かしい日々があった。そして彼といた時間もすごく楽しかったということを肯定したかったんです。コロナの頃は「生きること」が優先されていましたが、亡くなってしまった人のことにも思いを馳せ、彼らの人生を肯定したいという、亡くなった人への弔いのような意味合いで「ゴールド」と名付けました。
ー: 作品の中には、ミキがお酒を飲むシーンが多々あり、ビールやゴールデンタイム、ハッピーアワーといった「ゴールド」にまつわる要素も出てきますね。
知多良監督: 私も以前、新宿の近くに住んでいて、ゴールデン街によく行っていたので、お酒と「ゴールド」というキーワードは無意識のうちに生活と結びついていたのかもしれません。
ー: タイトルには、生活のための「お金」のゴールド、ビールの黄金色、そして黄金の時間(ゴールデンタイム)やハッピーアワーなど、様々な意味合いが含まれていると思いました。
7. 長編化の経緯と小畑さんの感想
ー: 監督から長編化する話を聞いて、シナリオを初めて読んだ時の感想を聞かせてください。
小畑みなみ: MVの時は恋愛のところしか見えていなかったので、ミキが働いている姿は知りませんでした。MVのミキは弘樹との恋愛をしているので、「女の人だな」という感覚が強かったのですが、シナリオを読んで、会社でのミキや、友達と一緒にいる時のミキなど、ミキの生きている場所や世界が広がって見えてきました。
「ミキって人間だったんだ」という感じがして。その軸として、やはり弘樹のことが大好きなんだなというのも伝わってきました。MVが長編になることを聞いて、「どういう世界が広がるんだろう…」とすごくワクワクしていました。そしてシナリオを読んでみて、想像していたものがきちんと言葉になって、画になったことに感動したというか。
特にラストシーンが、初めて読んだ時から詩的なものとしてとても好きでした。そのシナリオが、役者さんたちの声が入って形になるのが本当に楽しみだと感じました。

8. 脚本制作の苦労とテーマ
ー: テーマがかなり盛り込まれていると感じましたが、脚本構成において苦労された点はありますか?
知多良監督: 私は想像力が豊かな方ではないので、何かを自由に思い浮かべることはできなかったのですが、その時経験していたこと、例えば職場でのパワハラ体験が脚本のベースになっています。少し詳しく話すと、同期の男の子がパワハラのターゲットになってしまった時、自分が何もできなかったという罪悪感が残りました。
知多良監督: 僕は、ちゃんとした社員として働いて結婚しようと思っていた時期に、この職場でうまくいかない自分になってしまったら、結婚もできない。普通の人みたいに生きるってこんなに生きづらいんだと初めて分かりました。大切な人を守れない自分がいるということを痛感し、その気持ちがシナリオの核の一つになっています。
また、私は単純な加害者・被害者の話にはしたくなかったんです。どっちかというと、弘樹(被害を受けている側)のシーンと対比させて、ミキの職場では、弘樹みたいな人が被害者側(山中さん)になっているという構造を描きました。立場や視点が違えば、忙しさや責任ある立場から、単純に「誰々が悪い」とは生きられない状況がある。その複雑さを描きたかった。構成は終盤までできていましたが、最後の結末が全然思いつかず、どうやって終わるんだろうと悩んでいました。その時、グッナイ小形さんのエンディングテーマにもなっている曲『グッドバイ』がリリースされました。歌詞にある「君はいつも笑ってるけど本当は死にたいのかもしれない」というフレーズが、この映画そのものだと感じました。そして「最後に優しくバイバイって言える」という歌詞を聞いた時、笑顔でバイバイできたら、それだけでいいんじゃないかなと思って、物語に決着をつけられました。
9. ロマンス/生活という構成について
ー: 本作の構成の中で、「ロマンス」と「生活」というキーワードが繰り返されていることに気づきました。池袋シネマ・ロサでの上映企画の副題に「ロマンス/生活」というものが過去にあり、佐藤睦美監督作品の上映時につけられていました。佐藤監督の作品からも影響を受けた部分がありますか?
知多良監督: はい、佐藤睦美監督の影響もあって、「ロマンス/生活」という区切り方をオマージュしています。みなみさんがおっしゃっていたように、MVから長編になる過程で、恋愛だけだったものに現実(生活)が入ってきました。映画はフィクションですが、現実にもフィクションがあり、どんなフィクションがあっても現実はある。その差を描きたいという思いがありました。
恋愛というのは、仕事の毎日のルーティンや、わけもなく涙が出るような現実から脱出できる唯一のロマンスだと思っています。ただ、恋愛によって生活や仕事がうまくいかないこともあります。長い話でもあるので、パートパートで分けて描いていこうと決めたのは、睦美さんの映画の影響もあります。
また、シナリオを書きながら、ミキのキャラクターには、睦美さんが言いそうな「男だからってなんとかじゃない」といった、少しへ理屈っぽいことを簡単に言うキャラクター像もイメージしました。
10. 長編初主演としての心構え
ー: 小畑さんにとって本作は長編映画初主演ですが、主演として、あるいは座長として心がけたことはありましたか?
小畑みなみ: 主演として選んでいただきましたが、オーディションにも同席したので、一緒に選んだ感覚も少しあります。ヒロキくんを含め、周りの役者さんたちが本当に素晴らしい方たちばかりで、逆に私は皆さんに支えられたという方が強いです。こんな弱いことを言ってはいけないかもしれませんが、私が引っ張っていくというよりは、皆さんがいたからできたという感じがすごく強かったです。
監督もおっしゃっていましたが、主演がメインなのではなく、他の周りのキャストさんにもそれぞれの世界があるという考え方でした。不安ももちろんありましたが、初長編の作品を、信頼関係のある知多良監督とやれて本当に良かったと思っています。だからこそ、割とナチュラルに役に入ることができたと思います。

知多良監督: 撮影前は、小畑さんは「飲みの座長」みたいになっていましたね。飲み会のシーンも多いので、共演者と高円寺に飲みに行ってくれたり、お茶したりして、プライベートで会って関係性を構築してくださっていました。
11. ミキの次の恋愛
ー: 今回の恋愛を経験して、ミキは次にどんな恋愛をすると想像されますか?
小畑みなみ: おそらくですけど、ミキはまた弘樹みたいな人を好きになるんじゃないかなと思っています。ミキは弘樹のことが嫌いになったわけでも、弘樹の生き方を否定したわけでもない。ただちょっとしたズレの連続で終わってしまっただけなので、弘樹との恋愛を後悔していないと思うんです。
だから、弘樹と全然違う人に行こうとも思わないでしょうし、ミキの好きな人のタイプは弘樹みたいな人だとというところはブレてないと思います。ただ、もう弘樹とは一緒になれないだろうというのも気づいているはずです。ミキは前向きな人だから、まずは仕事をして、今、目の前にあることをやろう、という姿勢になると思います。その中で、ミキがちゃんと前を向いていけるようになった時に、また誰かと出会うんじゃないかなと願っています。
ー: 同じ弘樹のような人を好きになったとして、ミキ自身は変わるのでしょうか?
小畑みなみ: ミキはミキのままだと思います。ミキは自分のことが嫌いではないんですよ。人のこともそんなに言わないタイプで、**「ありのままでいいじゃん」「そのあなたでいいじゃん」**と思うタイプだからです。友達もいろんなタイプの人がいますが、それもそれでいいと思える人なので、ミキはミキのままだと思います。
12. 「ありのまま」というテーマ
ー: 「ありのまま」というキーワードが、この作品のテーマの一つとして出てくるかと思いますが、お二人にとって「ありのまま」とはどのようなものでしょうか?
知多良監督: 良い人がありのままにいるのは全然良いと思うのですが、僕みたいに雑な人間がありのままにいると人を傷つけるから良くないと思っています。この映画のテーマの一つ「ありのままじゃ生きられない」という考えは、塚田万理奈監督の映画の影響も受けています。
僕は昔、「ありのままでいい」という言葉を自分の都合の良いように解釈した結果、3年間ほど何も活動しない時期がありました。その後に結婚しようと思って会社員として清掃の職場に入ったら、何の能力もないためにパワハラも助けられない、何も頑張ってこなかったから何もできない自分がいることを痛感しました。「ありのままじゃダメなんだ」という思いと、「お酒を飲んでありのままに振る舞うと後輩を傷つける可能性がある」という二つの意味で、「ありのままじゃいけない」と言っているのかもしれません。
小畑みなみ: 「ありのまま」は、良い意味も悪い意味もありますが、やっぱり「素直な気持ち」だと思います。私は旅に出ると、誰も私のことを知らない状態でいられるので、すごくありのままだなと感じられます。年齢、仕事、住んでいる場所など、日本でいると様々な属性に縛られてしまいます。それを聞かれて「こういうタイプだね」とカテゴライズされるのが嫌なんです。そういうものに縛られていないことが「ありのまま」だと思います。
13. 映画を見る方へのメッセージ
インタビュアー: 最後に、映画をご覧になる方へのメッセージや見どころをお願いします。
知多良監督: この映画は、恋愛と仕事をしていく中で生まれる、様々な感情が描かれています。SNSなどでは被害者や加害者が分かりやすくカテゴライズされがちですが、この映画はそうではない、人の感情の小さな繊細な部分を描いています。不自由な社会の中で、どうにか小さな自由を大切にしていたり、人の気持ちを気にしたりしている人、誰にも言えなかった感情を抱えている人には、共感できるものがあるかもしれません。途中辛い場面もありますが、最後まで見たら、きっと何かしらの「ゴールド」が待っていると思います。ぜひ大スクリーンで観に来ていただけたら嬉しいです。
小畑みなみ: 本作が私にとって長編初主演という意味もあります。ただでさえ生きづらい世の中で、誰もが母、娘、上司、部下など様々なポジションにいて、しんどい、苦しいと感じていると思います。『ゴールド』を見ても状況は変えられないかもしれませんが、見ることで何かに気づいたり、勇気が出せたり、言えなかったことを言えたり、それこそ「好き」な人に「好き」と言えたり。何かのきっかけになってほしいと思っています。
知多良監督: この映画は、とにかく色々な人が話している映画なので、見た後にあれこれいろいろ言いたくなる、話したくなる映画だと思います。私も劇場に毎日いるので、ぜひ話しかけてください。何だったら一緒にビールを飲みに行きましょう。

▼イベント情報
映画『ゴールド』

小畑みなみ、サトウヒロキ
幸田純佳、ゆかわたかし、新井秀幸、池田光輝
松木大輔、太志、武田祐一、藤村拓矢、佐藤達也、庄司浩之、漆崎敬介
関口蒼、卯ノ原圭吾、やまぎしゆうや、Ksayaka、グッナイ小形
加茂井彩音、平川はる香、田野真悠、いとうたかし、Mari niheri、ニローシャ
椋田涼、小野孝弘、二田絢乃、福地亜沙美、李多韻
田中陸、大川大、村田啓治、土屋直子、林優花、石井彩友美
監督・脚本・プロデュース:知多良
撮影:菊池祥太 助監督:金子愛奈、青木祐人 ヘアメイク:松村南奈(B★side)
スチール:Fujkawa hinano 共同プロデュース:野本梢
エンディング曲:グッナイ小形「グッドバイ」(Cafe au Label)
©︎2024「ゴールド」
配給 キノパトス
10/25〜 ポレポレ東中野、 11/29〜 大阪・シアターセブン、 名古屋シネマスコーレ(※日程調整中)
