第19回伊参スタジオ映画祭でシナリオ大賞を受賞した映画『生きているんだ友達なんだ』の公開記念舞台挨拶が、テアトル新宿で開催された。本作は脚本家・上野詩織の監督デビュー作であり、友人の不在を題材にした人間ドラマだ。舞台挨拶には上野監督と、主演を務めた優実役の永瀬未留、石井役のアサヌマ理紗が登壇した。撮影時と同じスタッフが手掛けたレトロな衣装に身を包んだ三人が、制作のきっかけや群馬県中之条町での過酷ながらも笑い溢れる撮影裏話、本作への思いを語り、永瀬によるオリジナル楽曲の弾き語りも披露された。

実在の先輩への思いを込めた監督デビュー作 本作が監督デビューとなる上野監督は、自身の経歴と制作のきっかけについて語った。三十歳まで会社員として勤めた後、シナリオ講座との出会いを機に退職し、脚本執筆に没頭したという。コンクールに受かるための作品作りに行き詰まりを感じていた折、純粋に自身の書きたいものを素直に書こうと決意して執筆した本作が、見事シナリオ大賞を受賞した。物語のモデルとなったのは、監督自身が強烈に印象に残っている実在の先輩であり、本作はその先輩へ向けたラブレターのようなものだと明かした。当初は別の人物に監督を依頼していたものの、スケジュールの都合でキャンセルとなった際、心のどこかで安堵している自分に気づき、後悔しないために自らメガホンを取ることを決断したという熱い思いも語られた。

過酷な自然と虫に悩まされた群馬での撮影秘話
優実を演じた永瀬さんは、アサヌマさんと初めて対面した瞬間から頭の中で描いていた石井像と重なり、群馬県のロケ地の雰囲気も相まって、自然体で作品の世界に入り込むことができたと振り返った。一方のアサヌマさんは、実際のモデルとなった人物と同様に関西弁で演じるにあたり、関西出身の監督や永瀬さんから指導を受けながら役作りに励んだことを明かした。撮影現場での思い出を問われると、三人は口を揃えて虫との格闘を挙げた。宿泊先の浴室やドライヤーの周辺に巨大な蛾が出現し、濡れた髪のまま逃げ惑ったというエピソードが披露され、会場の笑いを誘った。また、台風の直撃により曇天での撮影が続く中、重要なシーンの撮影時にだけ奇跡的に晴れ間が覗いたという裏話も紹介された。



優実から石井への思いを歌った「ネバーランド」
舞台挨拶の後半では、永瀬さんが本作の撮影後に自ら作詞作曲を手掛けたオリジナル楽曲「ネバーランド」の弾き語りを特別に披露した。この楽曲は、優実から石井へ向けた思いを形にしたものであり、アサヌマさんもこの曲は優実から石井へのラブレターのようだと語るほど、作品の世界観に深く寄り添った仕上がりとなっている。永瀬さんの透き通るような歌声とギターの音色が会場を包み込み、観客を魅了した。

観客の人生に寄り添う映画を目指して
最後の挨拶では、アサヌマさんがこの映画を見て少しでも前に進んだり、思い出したりするきっかけになればと語り、永瀬さんももっと沢山の人に見てほしいと力強くアピールした。上野監督は、全国での上映を目指して駆け抜けた一年間を振り返り、多くの人々の支えに感謝を述べるとともに、皆さんが人生を嫌になった時などに背中を押せるような作品をこれからも作っていきたいと今後の決意を語り、盛大な拍手の中で舞台挨拶は幕を閉じた。



映画『生きているんだ友達なんだ』


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