日本中を席巻した角川映画の設立50周年を記念し、名作を一挙上映する「角川映画祭」が5月1日より開幕する。それに先駆け、4月30日に角川シネマ有楽町にて、目玉作品である『セーラー服と機関銃 4K デジタル修復版』の先行上映会および【緊急舞台挨拶】が開催された。ステージには、薬師丸ひろ子演じる主人公・星泉の同級生・智生役を務め、当時19歳で映画初出演を果たした柳沢慎吾が登壇。およそ45年ぶりとなる撮影現場の鮮明な記憶を呼び起こし、主演の薬師丸らとの知られざるエピソードを語り尽くした。

■17歳の薬師丸ひろ子が見せた驚異のプロ意識
柳沢は舞台挨拶で、主演を務めた薬師丸の女優としての凄みを熱弁した。物語のクライマックスである、機関銃を乱射する有名なシーンの撮影時、薬師丸は跳ね返ってきたガラスの破片で顔を切ってしまったという。しかし、当時わずか17歳の高校生だった彼女は痛がる素振りも見せず、そのまま演技を続行した。柳沢は「普通なら撮影を止めるのに、そのまま演じきった。プロ女優の域を超えていた」と、痛々しいアクシデントをも乗り越えた彼女の役者魂を大絶賛した。
■相米慎二監督の過酷なワンシーン・ワンカット撮影
また、メガホンを取った相米慎二監督の厳しい演出についても言及された。本作はワンシーン・ワンカットの長回しが多く、一つのシーンに対して何十回もテストが繰り返されるのが常だったという。深夜3時に行われた新宿での撮影では、トラックの荷台からカメラを回し、緻密なタイミングを合わせるために何度もリハーサルを重ねるなど、現場は常に極度の緊張感に包まれていた。柳沢自身も、夏の暑い中で走るシーンの撮影時に、53回もリテイクを出されたという過酷な経験をユーモアたっぷりに振り返った。
■角川社長の無茶振りと色あせない記憶
さらに、当時の角川春樹社長にまつわる信じられないような裏話も飛び出した。過去に行われた本作のイベントで、薬師丸の熱狂的なファンが大勢詰めかける中、角川社長の唐突な指示により、柳沢ら共演者の男優3人が薬師丸よりも先にステージへ出され、彼女の代わりに主題歌を歌わされたという珍事があったことを明かした。ファンから帰れとヤジが飛ぶ中での出来事だったというが、今となっては笑い話として観客の爆笑を誘っていた。
柳沢は45年前の出来事とは思えないほど驚異的な記憶力を見せ、事前の予告通り、ノンストップのワンマンステージで怒涛のトークを繰り広げた。最後に、鮮やかに蘇った4K デジタル修復版の本作をアピールしつつ、「これからも角川映画を楽しんでほしい」と満面の笑みでイベントを締めくくった。