君は映画

【イベントレポート】上田誠 初長編監督作『君は映画』がロケットスタート!伊藤万理華&井之脇海らが初日舞台挨拶に登壇、メタ構造の裏側を語る

『ドロステのはてで僕ら』『リバー、流れないでよ』で脚本を務めたヨーロッパ企画代表の上⽥誠が満を持して⻑編初監督を務め、伊藤万理華と井之脇海が W 主演を飾った下北沢⻘春ギミックコメディ『君は映画』が 6 ⽉ 19 ⽇(⾦)に全国公開を迎えました。同⽇、東京のTOHOシネマズ⽇⽐⾕ スクリー ン 12 にて初⽇舞台挨拶が⾏われ、伊藤万理華、井之脇海をはじめ、共演の藤⾕理⼦、⾦丸慎太郎、そして上⽥誠監督が登壇。本編で刑事役を務 めたお笑いコンビ「ザ・ギース」がMCを担当し、終始和やかな雰囲気の中で⾏われたトークセッションでは、制作の裏側やキャスト陣の知られざるエピソード がたっぷりと語られました。

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【初監督作着想のきっかけと⻩⾊い⾐装の秘密】
上⽥誠監督は初監督作の着想について、企画⽴ち上げからわずか4ヶ⽉後に撮影というスケジュールだったことを告⽩。「東京で撮影するなら、(ロケ地 は)過去 2 作で組んだ映画館“トリウッド”さんが良さそうだぞ、と。トリウッドの椅⼦の⻩⾊も決め⼿になりました」。劇作家のマドカとバンドマンのカズマという 主⼈公の2⼈については、ちょうどその時期に舞台「リプリー、あいにくの宇宙ね」で共演していた伊藤万理華と井之脇海に運命を感じてオファーしたと語りました。この⽇の登壇者たちの⾐装にも⻩⾊がワンポイントで⼊っており、伊藤は、⾐装の胸元につけられたバッジをファッションデザイナーで友⼈の BEBI さん が今⽇のために作成し、英⽂の刺繍までしてくれたことを嬉しそうに報告。


【上⽥監督の“発明”とも⾔うべき脚本の印象とは︖】
緻密な構成で知られる上⽥監督の脚本について、伊藤は「台本の1ページ⽬に図解付きでルール説明が書かれていて」とその独特な脚本に驚きつつも、 「⽂字を読むだけで⾯⽩く、台本で読んだ時の新鮮な笑いをスクリーンで表現できるか不安もありながら楽しく撮影できました」と述懐。井之脇も「意外とさら っとは読めるんですが『ん︖どういうことだっけ︖』と疑問点が多く、現場でやりながら⾒えてくるワクワク感がありましたね」と振り返ります。劇団員シホ役の藤⾕ 理⼦は、「上⽥さんの脚本は理解することを⼀回放棄しないと読めなくて(笑)」と冗談交じりに話しつつ、当て書きされた⾃⾝の役柄を通して「上⽥さん、 私に対してこう思っているのか、と思いました(笑)」と⼀抹の不安を覚えたと苦笑い。バンドマン・ミコシバ役の⾦丸慎太郎は、「⼀発では分かりづらいほど 構造がややこしく、撮影現場でも混乱しました。クリストファー・ノーランも腰を抜かすだろうな(笑)」と笑いを誘います。


【キャストが語る、下北沢の街への特別な思い⼊れ】
劇中の舞台である下北沢について、伊藤は個⼈的にも古着屋やカフェを巡り、トリウッドにも⾜を運んだこともあったため、今回の企画に感慨深さを感じてい る様⼦。藤⾕は「東京に出てきて、初めての舞台が劇中にも登場する駅前劇場だったんです。なので下北沢での撮影にはやっぱり特別な思い⼊れがありま す」と語った。他にも「歩いている⼈がスマートフォンを⾒るのではなくお店を眺めるなど、顔を上げている⼈が多く活⼒を感じる街」(井之脇)、「⽼若男⼥を 受け⼊れてくれる街」(⾦丸)とそれぞれの街に対するイメージを吐露する中、劇団として本公演を毎年⾏っている上⽥監督は「⾳楽と演劇の街、というイ メージですね。喫茶店や居酒屋に⾏ったら楽器を持っている⼈が多い。演劇のことは⾃分の活動分野で分かるので、準備期間はひたすらバンドマンのルポ やドキュメンタリーを調べていました。なのに、出来上がった映画は気づいたらカズマもミコシバも楽器を持ってなくて(笑)」と笑いながら明かしました。


【“この瞬間が映画になったらいいな”と思ったエピソード】
「⾃分の⼈⽣も、もしかしたら物語や映画になるかもしれない」というメッセージも感じる本作。そこで、トークテーマは“「この映画が映画になったらいいな」と思 った瞬間は︖”。⾦丸は本作のオールアップの瞬間を挙げ、「映画を撮っている状況そのものが映画になれば、上⽥さんの特殊な構造をさらに上回れる︕と感じた瞬間だった」とコメント。そして井之脇は、最近引っ越しの準備中に⻑年⾒つからなかった亡き⺟からの時計が偶然出てきたそうで、「⾒つけた時、思 わず泣いちゃいまして。⺟がつなげてくれた時計。その瞬間は映画とかで残せたら」と感動的なエピソードを明かします。伊藤は、ふと幼少期に住んでいた⼤ 阪のマンションを⼀⼈で訪れたとか。「何か⽬的があったわけではないんですが、過去の⾃分を回収するような旅になって、それこそ泣けてきてしまって」としみじ み。藤⾕は、本作の打ち上げで伊藤から切なげな表情で「同じ学校だったら親友になれたかな」と⾔われたことを明かし、「私はもうすっかり、まりっかちゃんと 親友の気持ちだったんだけどな…」と⾃虐を交えつつ、「ここから親友になっていく映画の1ページですね」と語り、登壇者同⼠の仲の良さを伺わせます。それ を聞いていた上⽥監督は、井之脇の映画には『マザー・トケイ・ブルース』、伊藤の映画には『⼤阪サルベージ』、藤⾕の映画には『万理華、泣かさないでよ』 と即興で映画タイトルを命名。監督のひとり⼤喜利に、会場は爆笑の渦に包まれました。


【映画を愛するすべての⼈へ】
最後に登壇者を代表して、伊藤、井之脇、上⽥監督が挨拶。「映画が完成しスクリーンで観た時に、今の状況が映画になるかもしれないというワクワク感を くれる作品」(伊藤)、「この作品は映画を愛する⼈のための映画であり、⼈間讃歌のような作品。映画館で観なきゃだめな作品なので、ぜひ広めてくださ い」(井之脇)、「撮影中は、誰も登ったことのない⼭をみんなで登るような楽しさがあった。キャストも、ギミックを我がものにしながら、エモーショナルの深いと ころまで表現してくださった。まさにスーパープレイの連続の映画。ぜひ応援してください」(上⽥監督)とそれぞれ呼びかけ、舞台挨拶は盛況のうちに幕を閉じました。


【作品情報】

  • タイトル:『君は映画』
  • 監督・脚本:上田誠
  • 出演:伊藤万理華、井之脇海、藤谷理子、金丸慎太郎、前田旺志郎、菊池日菜子、金子鈴幸、三河悠冴、今井隆文 / 尾関高文(ザ・ギース)、高佐一慈(ザ・ギース)、石田剛太、酒井善史、土佐和成、角田貴志、諏訪雅、永野宗典
  • 配給:TOHO NEXT、トリウッド
  • コピーライト:(C)ヨーロッパ企画/トリウッド 2026

全国公開中

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Hajime Minamoto

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