CINEMA JAM vol.2

「CINEMA JAM vol.2」授賞式開催!観客賞は『猫オチ(仮)』、特別賞に3作品、制作者還元を掲げる映画祭の熱き夜

劇場未公開のインディーズ映画を集めた映画祭「CINEMA JAM vol.2」の授賞式が、8月23日、シアターギルド代官山にて開催された。ナカチカピクチャーズと配信プラットフォーム「BOXX」が共同開催した同映画祭は、新宿K’s cinemaでの1週間の上映を経て、多くの観客を魅了。観客投票による賞の発表のほか、主催者やクリエイターが映画への情熱を語り合い、大盛況のうちに幕を閉じた。独自の興行収入還元システムや、今後の展望についても熱いコメントが飛び交う、興奮のイベントをレポートする。

CINEMA JAM vol.2

観客賞グランプリは『猫オチ(仮)』 諦めかけた夢が結実

最も多くの観客の心を掴み、見事「グランプリ観客賞」に輝いたのは、みやび監督の『猫オチ(仮)』であった。同作は、お笑いコンビ「低反発プリン」の剛が、ある日突然、猫になってしまった恋人のみゆきに翻弄される姿を描く、40分のハートフル・コメディである。 授賞式でマイクを握ったみやび監督は、昨年事務所を辞め、今年は会社員として働きながら一度は映画制作や俳優の道を諦めていたという衝撃的な事実を明かした。しかし、今年初めに出演者の山口改氏や髙橋篤弘氏と出会い、「一緒に何かやりましょう」と誘われたことで、諦めかけていた夢への情熱が再燃した。弾丸スケジュールでの過酷な撮影を乗り越えて完成した同作は、上映期間中も劇場でチラシ配りを行うなど、人一倍の努力を重ねて観客へ届けられた。受賞の瞬間、みやび監督は「心臓が止まるかと思った。本当に作ってよかった」と、涙ぐみながら仲間たちへの感謝を語った。

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僅差の大接戦を物語る特別賞3作品の選出と、制作者たちの決意

今回の映画祭では、アンケート集計結果が極めて僅差の超接戦であったことから、急遽「特別賞」が3作品設けられ、手作りの盾と映画祭にちなんだ本物のジャムが贈られた。 特別賞の1作目は、広瀬瑛登監督の『さようなら』。同棲していた家を引き払い、別れを迎える若い男女の些細な喧嘩と出会いを描く、1日間の群像劇である。広瀬監督は「ほぼ初監督と言える作品で、このような賞をいただけたことは、今後の創作活動における大きな励みと弾みになる」と、喜びと手応えを語った。

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2作目は、杉浦仁輝監督の『DUELLE』。いじめ加害者の女性に対する聞き取り調査と、そのプロセスにおける葛藤や緊迫した人間模様を鋭く描いた社会派ドラマである。杉浦監督は、観客賞を逃した悔しさを滲ませつつも、「みやび監督が誰よりも努力している姿を見ていたので、この結果に悔いはない。私たちはさらに努力を重ねていく」と勝者を称えつつ次なる意欲を語った。

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同作の主演とプロデューサーを務め、今回が初主演となった23歳の立澤愛氏は、「映画人のことを親身に考えてくれるシネマジャムの方々に深く感謝する。」と、次なる飛躍を誓った。

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3作目は、林真子監督の『パズル 残念ながら 1ピース』。人生の終盤を迎えた75歳の女性・輪子が、病床で自らの人生を走馬灯のようにたどり直し、過去の選択と向き合う物語である。映像グループ「世田谷センスマンズ」のメンバーとともに16人もの俳優が参加して制作された同作について、林監督は「特別賞という温かいお気遣いをいただき感謝している。素晴らしい仲間と芝居に向き合い、この映画祭に参加できて本当に楽しかった」と、充実した表情を見せた。

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配給代表が語る「クリエイターへのキャッシュ還元」という社会的責任

本映画祭の最大の特徴は、チケットの売上(興行収入)を監督や制作クリエイターへ直接配分する、独自の持続可能な運営システムにある。 共同主催を務めるナカチカピクチャーズの小金澤剛康氏(映像事業管掌)は、授賞式の総括として、映画界の未来に向けた極めて熱いメッセージを投げかけた。小金澤氏は、配給レーベルとして活動を始めてから3年間、手探りで進んできた日々を振り返り、1年半前にスタッフの田村氏から「CINEMA JAM」の企画を提案された際の裏話を明かした。。「いくら儲かるのか」と問いかけたのに対し、田村氏は「結構儲かります」と答えたものの、結果として初年度は赤字であったという。その際、田村氏から「自社が黒字か赤字かはどうでもいい。優秀なクリエイターになるべく多くの資金を還元し、彼らが光を浴びる場所を作りたい。これこそが我々がやるべき意義だ」と熱弁され、その情熱に突き動かされて2年目の開催を決断したと語った。 小金澤代表は「映画制作は、クリエイターが自らの魂を削り、口から吐き出すようにして生み出す尊い営みである。だからこそ、その表現がカルチャーとして届くだけでなく、彼らにしっかりとキャッシュ(対価)として還元される仕組みを作らなければならない。それが配給会社である我々の責任だ」と力説した。

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さらに、「すでに一部の高名な映画監督からも『来年出品したい』と打診を受けているが、私は『出せるものなら出してみろ、勝てるものなら勝ってみろ』と言い返した。この1、2年目で血のにじむような努力をして熱狂を作ってきた草創期の若いクリエイターたちの熱量が、どれほど凄まじいか分かっていないはずだ」と語り、インディーズ映画に関わる若き才能たちを全力で守り、エンパワーメントしていく覚悟を示した。この代表の力強い言葉に、会場に集まった多くの映画関係者からは、この日一番の割れんばかりの拍手が送られた。

2027年の開催も決定、熱狂は次なるステージへ

授賞式の最後には、次回「CINEMA JAM 2027」の開催決定が発表された。主催からは、来年3月から4月頃にかけて準備と作品公募を開始し、今年同様に熱い夏の時期である8月頃の上映を目指すという。

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今回上映された21作品は、それぞれが社会の縮図や人間の深淵を映し出す名作ばかりであった。映画祭を通じて生まれたクリエイター同士の横のつながりや、観客との絆は、単なる上映イベントの枠を超え、日本のインディーズ映画界に新たな風を吹き込む一大ムーブメントへと成長しつつある。制作者へ対価を還元し、持続可能な創作環境を守り抜くというシネマジャムの挑戦は、3年目、5年目、長期的には10年目へと、さらなる情熱を伴って引き継がれていく。

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公式サイト https://vodbox.themedia.jp/pages/9712046/CJ2

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Hajime Minamoto

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