第37回高崎映画祭授賞式が2024年3月24日、群馬県高崎市高崎芸術劇場で開催。最優秀作品賞『せかいのおきく』阪本順治監督や主演を務めた黒木華、共演の石橋蓮司が登壇。また、最優秀主演俳優賞に輝いた岡本玲（『茶飲友達』）や最優秀助演俳優賞を受賞した中村ゆり （『市子』）と森山未來(『ほかげ』)などの受賞者が出席。約1000人の観客を前に記念トロフィー や高崎名物”高崎だるま”を受け取り、喜びを語った。
■ 最優秀助演俳優賞 中村ゆり『市子』 コメント
中村ゆり
よいしょ…
高崎の皆さん、遠くから来られた皆様もこんばんは。中村ゆりです。
嬉しいです！
高崎へは、映画の撮影で何度も来させていただいてるんですけども、こんなに地域を挙げて日本映画を応援してくださるっていう場所は高崎しかないかなってぐらい、本当に日本映画に対して協力的で温かいイメージがあります。今回このような素晴らしい賞をいただけて、高崎に戻ってこられたのは本当に嬉しいです。
この『市子』という作品は、私は2015年に監督の戸田さんが、まず演劇をこの『市子』をテーマにした「川辺市子のために」という演劇を上演されてるんですけども、それを私は拝見していて、この『市子』という少女が抱える問題というか、社会的なことなんですけども、その彼女の孤独を目の当たりにしたときにものすごく心揺さぶられるものがありまして、帰ってからそのことをすごくいろいろ調べたりとか忘れられない作品の1本でした。
それが今回映画化されるということがあって、ご縁あってこうやってキャスティングしていただいて、すごくムキになっている自分がいて、それぐらいこの少女の存在を世の中の人に知っていただきたいなっていう思いが強かったです。
普段はなるべく嫌われないようにして生きてるんですけども、もう今回監督に嫌われてもいいやと思うぐらい、自分の意見を現場でもすごく言わせていただいて、でも結果的には本当に戸田監督に豊かな役になるように導いていただけたなと感謝しております。
この受賞の連絡を昨年末にいただいたんですけども、事務所の人と「ちょっと早いお年玉だね」って話していて今までの人生で一番嬉しいお年玉でした。今日はありがとうございました。
▼スペシャルゲスト 戸田彬弘監督
戸田彬弘監督
先ほど中村さんからもお話があったんですけど、この作品は本当に100人ぐらいしか入らない小劇場で上映したものが原作で、そのときにわざわざ小さい劇場まで観に来てくださって、いろんなお話をその後させていただいました。
映画化するという話になって、このなつみという主人公の『市子』のお母さんの役はまさに中村さんにぴったりだと思っていたので、キャスティングのお話をさせていただきました。それで快く出ていただけたんですけど、やっぱり映画っていうのは何か僕の中では、誰かの人生と出会うメディアだなというふうに感じてまして、そういうものに出てくださってる、そのキャラクターの人生を体験していただく俳優さんがこうして評価を受けるというのは、非常に個人的に監督として一番嬉しく思ってます。
特にこの『市子』のお母さんのなつみという役は非常に重要な役で、映画の中ではたくさん描かれない役であるから、すごく難しかったと思うんですけれども、すごく豊かに演じていただいて、こういう賞に評価していただけて本当に嬉しく思いますし、中村さんだからこうなれたんだなと思っています。
まだご覧になってないお客様もいらっしゃるかもしれませんので、映画祭中に流れますので良かったら見ていただけたら嬉しく思います。はい。本当におめでとうございます。
高崎映画祭は、2024年3月31日（日）まで、高崎市内高崎芸術劇場、シネマテークたかさき、高崎電気館で開催される。高崎市内でロケが行われた『シン・仮面ライダー』ほか、公開を控えた『辰巳』（小路紘史監督）も上映。
また、『スイート・マイホーム』（3月30日（土）13:20〜上映）など邦画作品ゲスト登壇もあり、各作品で熱量高い上映が行われる。
上映作品など映画祭詳細は、高崎映画祭公式サイトまで→https://takasakifilmfes.jp/
第37回高崎映画祭 3月31日（日）まで開催中
