ふつうの子ども

第17回TAMA映画賞:『ふつうの子ども』に特別賞。呉美保監督と出演の嶋田鉄太、瑠璃、味元耀大が登壇

2025年11月15日にパルテノン多摩大ホールで開催された第17回TAMA映画賞授賞式において、映画『ふつうの子ども』(呉美保監督)が特別賞を受賞した。同賞は、呉美保監督及びスタッフ・キャスト一同に授与され、誠実な映画作りが評価された。授賞式には、呉監督と共に、出演した嶋田鉄太、瑠璃、味元耀大の3人が登壇し、賑やかな撮影の舞台裏を明かした。

「平和なようで事件だらけ」な世界を生き生きと描写

特別賞の表彰は、映画が「平和なようで事件だらけの現実に体当たりできる子どもたちの世界を描いた点」が高く評価された。また、「子どもたちの日常やさな冒険が生き生きと描かれ」、「多くの人も共感できる、心温まる作品」として観客を魅了したこと、そしてその「誠実な映画作り」に対して敬意を表するとされた。

呉監督は、このTAMA映画賞が市民の映画祭であり、自分にとって「必ず帰って来られるだろう」と思えるありがたい場所だと語り、この映画を選んでくださったという実感を噛みしめていると述べた。

毎日喧嘩が起きた「濃厚な夏」

監督は、この作品が「とにかく子どものために作った」映画であると位置づけ、オーディションで選ばれた29人の子どもたちとの「濃厚な夏」を振り返った。

撮影現場は「毎日喧嘩が起き、それをなだめ、そして仲直りしたと思ったら、また別のところで喧嘩が起きる」という、「楽しく疲れてしまうような日々だった」と回想した。

出演者した子どもたち、3名が登壇、喜びと裏話を語る

監督と共に登壇した嶋田鉄太さん、瑠璃さん、味元耀大さんも、生き生きとした姿でコメントを寄せた。

瑠璃さんは、「このようなとても素敵な賞をくださり誠に嬉しいです」と喜びを伝え、この作品に関わってくださった皆様に心から感謝を述べた。

味元耀大さんは、特別賞が「その映画に関わった全ての皆さまに与えられる」賞であることを強調し、受賞できたことを大変嬉しく思うと述べた。

また、嶋田鉄太さんは、映画の終盤にある牧場のシーンが印象に残っているとして、その撮影の裏話を明かした。このシーンは、設定上は夜中の牧場に忍び込む設定だったが、実際は昼間(炎天下)に強いライトを当てて撮影し、最後にCGや合成を駆使して夜のシーンにしていたという。嶋田さんは、昼間の撮影で「めっちゃ眩しいんですよ」と振り返り、顔をしかめてしまうため「今は夜だから!」「顔を仕留めるな!」と言われながらの演技だったと語った。

呉監督は、今後についても、この受賞を糧に「またここに帰って来れるような映画を作りたい」と思っていると意欲を見せた。

嶋田さんは、授賞式でのコメントで「僕、ちょっと謝りたいことがひとつありまして…」と切り出し、「僕は、この映画で、映画『国宝』を超える!」と言っちゃって たんですけど、ちょっと僕 の力が少し足らなかった ので、恥ずかしながらすみません!」と述べ、場を和ませた。

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Hajime Minamoto

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