獅子 THE LION-BEAT

61年の時を経て蘇る寺山修司の幻戯曲、新宿で開幕へ ミュージカル『獅子 THE LION-BEAT』囲み取材に豪華キャスト登壇

2026年10月3日、東京・新宿のTHEATER MILANO-Zaにて、Bunkamura Production 2026 ミュージカル『獅子 THE LION-BEAT』の囲み取材および公開ゲネプロが開催された。本作は、アングラ演劇を牽引した奇才・寺山修司が1965年にわずか1日のみ上演した幻の戯曲を、61年の時を経て令和の歌舞伎町で復活させる注目の舞台だ。演出を務める杉原邦生をはじめ、主演の新原泰佑、ヒロインの北香那、そして共演の豪華キャスト陣が登壇し、開幕に向けた熱い意気込みと見どころを語った。

令和の歌舞伎町で解き放たれる熱気と挑戦

開幕を目前に控えた囲み取材の冒頭、演出を務める杉原邦生は、初日に向けて興奮と期待を寄せつつ「61年ぶりに上演される作品であり、新宿歌舞伎町という街自体もテーマの一つ。空間や音楽、照明や音響を含め、1965年当時に観客が感じた衝撃や興奮をこの劇場で体感してもらえるよう工夫した」と演出のこだわりを語った。主人公・貞夫役を演じる新原泰佑は、「キャストやスタッフ全員が一丸となって作り上げた作品。身体表現や歌、言語が融合したここにしかないミュージカルであり、現代の人にも届くような新たな傷跡を残したい。劇場でしか味わえないお祭り感を体感してほしい」と力強く呼びかけた。また、ヒロイン・弓子役の北香那は、16年ぶりのミュージカル出演に「アンサンブルのパワフルな躍動感に元気づけられた。難しく思われるかもしれないが、とっても分かりやすくてポップ、そして弾けて泣ける作品。ぜひ多くの方に足を運んでほしい」と笑顔を見せた。

昭和の肉体性と濃密な「匂い」が織りなす熱量

続いて、癖のある登場人物たちを演じるキャスト陣からも熱い思いが明かされた。田中俊介は、主演の新原が見せる圧倒的な歌やチャレンジに刺激を受けたと言い、「作品に昭和の泥臭い『匂い』を纏わせるべく演出の杉原さんと対話を重ねた。観劇後にゾクッとするような闇と強いエネルギーを感じてほしい」と語った。勝矢は「時は来た。あとはやるだけだ」と威勢よく一言を発したのち、昭和の熱気や熱苦しさを体現するために当時の劇画作品や映画を鑑賞して役に挑んだことを明かし、「ハリー・ポッターとはまた違う、素敵な魔法にかかりに来てほしい」とアピールした。元ボクサー役を演じるさとうこうじは、本番前の過酷なボクシング稽古に触れつつ「アングラが持つ人間のパワーや人間臭さを前面に出した。これまでにない新しい寺山作品になっており、寺山ファンも初めて観る人も楽しめる」と手応えを口にした。

カオスな歌舞伎町で結実する圧倒的なマンパワー

歌舞伎町のど真ん中で本作を演じる意義について、岡田義徳は「雑多な新宿の劇場で昭和の物語を上演できるのが楽しみ。寺山作品の中でも観やすくポップで、観客をジェットコースターに乗せるようなワクワク感がある」と期待を込めた。人生初のミュージカル挑戦となった田口トモロヲは、圧倒的なスキルを持つ共演者やアンサンブルに囲まれた刺激的な稽古場を振り返り、「自分は寺山さんの前衛的な部分とノイズ、そして悪魔役を担当している。たった1日しか上演されなかった激レアな戯曲をこのカオスな街で公開することは必然の結実。その歴史的瞬間を目撃してほしい」と観客へ語りかけた。劇団☆新感線出身で寺山アングラ作品への憧れがあったという橋本さとしは、「群衆のエネルギーが地面から湧き上がってくるような熱量に、稽古場でも胸が熱くなった。映像に頼らずマンパワーで生み出す民衆のエネルギーを感じてほしい」と締めくくり、取材は熱気のうちに終了した。


▼ゲネプロ映像


<公演概要>

  • 公演名称:Bunkamura Production 2026 ミュージカル『獅子 THE LION-BEAT』
  • 作:寺山修司
  • 演出:杉原邦生
  • 音楽:☆Taku Takahashi[m-flo]
  • 潤色:桑原裕子
  • 振付:北尾亘
  • 出演:新原泰佑 北香那 田中俊介 勝矢 さとうこうじ 岡田義徳 田口トモロヲ 橋本さとし ほか
  • 公式サイト:https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shishithelionbeat.html

【東京公演】

  • 公演期間:2026年10月4日(日)〜20日(火)
  • 会場:THEATER MILANO-Za(東急歌舞伎町タワー6階)
  • お問合せ:Bunkamura 03-3477-3244 (10:00〜18:00) www.bunkamura.co.jp

【大阪公演】

  • 公演期間:2026年11月7日(土)・8日(日)
  • 会場:SkyシアターMBS
  • お問合せ:キョードーインフォメーション 0570-200-888 (12:00〜17:00※土日祝は休業)

この記事を書いた人 Wrote this article

Hajime Minamoto

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