深田隆之監督 最新作『ナナメのろうか』早くも劇場公開。奥山和由らから応援コメント到着

深田隆之監督 最新作『ナナメのろうか』早くも劇場公開。奥山和由らから応援コメント到着

深田隆之監督の最新作『ナナメのろうか』が、ポレポレ東中野にて公開されることが決定した。深田隆之監督は、初の劇場公開作『ある惑星の散文』が本年6月に上映され、大きな話題を呼んだ。
本作は改装される予定の祖母の家に来た姉妹二人の関係の変化を描く珠玉の44分。前作『ある惑星の散
文』は作家性や芸術性の高さが評価される映画祭での上映が相次いだ。フランスのベルフォール国際映画祭やアメリカポートランド美術館で上映され、その豊かな映画表現とロケーションから着想を得たユニークな映画作りは観客の注目を集めた。

ナナメのろうか


最新作では44分という短い上映時間の中に2つの側面を持つ映画を見事に生み出した。オルタナティブな映画表現を追求する深田隆之が最新作でもユニークな映像世界を紡ぎ出す。
今回、映画プロデューサーの奥山和由氏や三宅唱監督らから応援コメントも到着した。

■ 映画『ナナメのろうか』

それぞれの”いま”を⽣きる姉妹。⼦どもの頃にはもう戻れない。

あらすじ
改装される予定の祖母の家に来た姉妹、聡美と郁美。妹の郁美は妊娠し、シングルマザーになる決意をしていた。2人は家に残された物を片付け始めるが、昔遊んだおもちゃ箱を見つけ、こどもの頃のように遊び始める。しかし、お腹の子どもをめぐってお互いの溝が露わになり、2人は家の中ですれ違い、会えなくなってしまう。嵐の夜の中、姉妹は暗闇の中でお互いを呼び合うのだった。

■ 応援コメント

奥山 和由 (映画プロデューサー)
大好きな映画、としか言いようがない。演じる女優さん、漂う空気感、「人」の懐かしい自然な表情を切り取る演出、すべてが心地よい。人の心の奥底を映す、映像本来の媚薬感を満喫できる。

三宅 唱(映画監督)
廊下。台所。庭。寝室。見慣れたはずの生活空間なのになぜか目が離せない。そして、その場所に囚われているかのような二人が、いつしかその境界線をゆるやかに、いや必死に越えようとする。その様が時にユーモラスで、時にスリリング。家一軒で、階段一つで、こんなに刺激的なことができるのか。

草野なつか(映画作家)
深田隆之監督の穏やかな視座と、雑然としていながらもきちんと手入れのされた「この家」には心地の良い余白がある。家はもうすぐ姿を変える。建て直しではなくリフォームである。声やかたち・役割に変化が生じるようだ。実際に(きっと日本国内の)どこかにあるであろうこの家も同じ運命をたどるのか、それともそれは物語のなかだけのお話なのか、そのことにとても興味を持った。たとえ物語のいち舞台に過ぎないとしても、この家の声と匂い手触りに触れたような気がしたからかもしれない。

■ 映画『ナナメのろうか』作品情報

世界の映画祭が注目する新たな才能。
44分、驚きの映画体験。


監督プロフィール: 深田隆之
1988年生まれ。『ある惑星の散文』は2018年、第33回仏・ベルフォール国際映画祭にて正式招待され、2022年現在全国劇場公開中。また、濱口⻯介監督『偶然と想像』の2,3話に助監督として参加している。映画制作以外の活動として、2013年から行われている船内映画上映イベント「海に浮かぶ映画館」の館⻑でもある。社団法人こども映画教室の講師・チームファシリテーターとしても活動中。2021年からは愛知大学メディア芸術専攻で非常勤講師を務めている。


監督ステートメント
『ナナメのろうか』は祖母の空き家をめぐる姉妹2人の物語です。彼女たちが取り組む「片付け」という行為は様々な個人的記憶を呼び起こし、現実と交差します。2人がかつて一緒に遊んだ祖母の家。昔に戻ったように遊ぶ2人が直面するのは、それぞれの現実を生きる、変わってしまったお互いの姿です。そして、前半と後半で別の映画のようになる今回の構成は、映画表現だけが持つ話法の可能性に賭けたひとつのチャレンジでした。改装されるのを待つ家。生まれようとする命。何かが決定的に変わる直前の束の間の時間。是非劇場でご覧ください。


出演
吉見茉莉奈  笠島 智


スタッフ
監督・脚本・編集:深田隆之 撮影:山田 遼 録音:河城貴宏 照明:小菅雄貴 助監督:高橋壮太 制作:南 香好
音楽:本田真之 整音:黄永昌 カラリスト:山田 遼 英語字幕:上條葉月 配給:夢何生 製作:√CINEMA
2022年/日本/44分/スタンダード/モノクロ/5.1ch
公式Web:itchan-and-satchan.com

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