『神田川のふたり』W主演の上大迫祐希&平井亜門、いまおかしんじ監督が40分長回しを語る

『神田川のふたり』W主演の上大迫祐希&平井亜門、いまおかしんじ監督が40分長回しを語る

9月3日(土)、池袋シネマ・ロサにて、映画『神田川のふたり』公開記念舞台挨拶が開催され、W主演の上大迫祐希&平井亜門、いまおかしんじ監督が登壇。驚異の40分間の長回しの裏話を披露した。

神田川のふたり

■ 映画『神田川のふたり』公開記念舞台挨拶

いまおかしんじ監督は、「僕は男子校だったんで、二人が川沿いを歩いているだとか、ムカつく対象でしかなかったんです。最初『監督してくれませんか?』と言われた時は、どうやって撮ったらいいかわからないなと思いました。『高校生が「好き」と言う、言わない』だけだとあんまり興味ないんですけれど、僕も今まで何人も知り合いが亡くなっていて、生きている人は何をしたらいいんだろうと思うことが何回もあって、今回そういう話にしました。」と元々の企画に加えた設定を説明。

神田川のふたり
いまおかしんじ監督

「最初『神田川の源流の井の頭公園まで行くとしたら、70〜80分ワンカットで1日で撮れるよね』という話があったんです。話を作っていくと、カラオケなどが増えてきて、『それは無理だね』となったけど、最初の方はなるべくワンカットでいったらこの映画のテイストに合うと思って、ワンカットにしました。楽でしたね、40分あっという間に撮れちゃうんで」と冗談混じりに話すと、出演者が、「こっちとしては楽ではない!」とツッコミ!

キャスト・スタッフとしても本作に参加したMCのたきみずに、「監督も走って大変だったじゃないですか!」と言われると、監督は、「二人の前の自転車にカメラマンがちょんと乗って、二人が止まったら降りて手持ちになりました。俺と録音部はその前にいてただ必死に走っているだけで、ほぼ芝居を見れていない。確かに、足がガクガクするなと思った。リハを入れて40分を3本。(ワンカットを撮り終わった後、撮った映像を)最後に確認するから、『みんな、行ってきて』で良かったけれど、そんな雰囲気はなかった」と当時を振り返った。上大迫は、「達成感はすごくありました」と笑顔で語った。

ワンカットで撮ると聞いた上大迫は、「すごく身構えました。私自身自転車にもあまり乗り慣れていなかったので、事前に自転車を借りて練習しました」と驚きの告白。平井は、「自転車初心者を感じさせない自転車捌きでした」とフォローし、「自転車をゆっくり走るというのが大変。歩いた方が早い」と大変さを説明した。

神田川のふたり
上大迫祐希

平井が、「全身オレンジのジャージを着た役の佐藤宏さんは、いまおかさんの作品で見たことはあったけれど、一緒に演技をしたのは初めて。面白かったです。」と挙げると、MCのたきみずが、「(ワンカットなので、)撮影本隊が到着するまで、佐藤さんは、両手首を縄で縛られたままだった」と裏話を話し、会場は大爆笑。いまおか監督は、「佐藤宏になると熱が入っちゃう。単なる友達で、普段は警備員をやっているんです。縛られているあの役を『僕は孫悟空だと思う』と話していた。孫悟空も山に閉じ込められていたので」と、その解釈にびっくりしたエピソードを共有した。

神田川のふたり
平井亜門

上大迫は、「キスシーンは元々台本には書かれてなくて」と激白。平井も、「『You、キスしちゃう?』みたいな感じで投げかけられて、マネージャーさんも二つ返事で。」と当時のことを回想し、上大迫は、「何も準備をしていなかったので、亜門さんが常備していた(口内清涼剤の)仁丹を分けてもらって、お昼ご飯の口直しをして挑みました」と裏話を披露した。

監督が「どうせダメかなと思って、言ってみた」と説明すると、平井が「確かに、言わないで後悔するよりも言った方がいいですよね」と理解を示し、監督も、「本作のテーマにも通じる。」と本作のテーマに言及した。

本作では、他にも、「パオーン」と「ヒヒーン」という擬音など、撮影現場で監督が思いついた“いまおかワールド”の演出が多数登場。上大迫は、「ノリノリでやらせてもらいました」と話し、フォトセッションでは、撮影中は演じた智樹のキャラを統一するため折衷案を提示し拒否した平井と、いまおか監督までもが、「パオーン」ポーズを披露した。 最後に平井は、「初めの40分、色々事故が起こっているとは思うんですけれど、そういう事故も広い心で面白いと思っていただければ嬉しいです。気に入ってくださったら、SNSなどで『こんな映画があったよ』と伝えていただければ」、上大迫は、「この先どうなるかドキドキしながら楽しんでいただいていたらと思います。SNSなどで感想を聞かせていただいたら嬉しいです。」とメッセージを送り、舞台挨拶は終了した。

■映画『神田川のふたり』作品情報

【あらすじ】

川をのぼった先にあるもの…。

亡きクラスメイトの想いを届けるため、ふたりはゆく。

高校2年生の舞と智樹は中学時代のクラスメイトの葬儀の帰り、久しぶりに二人きりで神田川沿いで自転車を押していた。二人は互いに気があったものの、思いを伝えられず別々の高校へ進学していたが、どうもその気持ちはまだ続いているようだ。

東京都杉並区永福町の幸福橋から高井戸方面へ神田川沿いを上る二人は、上下オレンジ色のスウェットに両手首を縄で縛られ倒れている謎の男に遭遇するが、その遭遇がきっかけで下高井戸八幡神社へ行くことになる。神社で亡きクラスメイトが想いを寄せているみおという名の女性との恋が成就することを祈願した絵馬を発見した二人。井の頭恩賜公園のボート乗り場で働くみおにクラスメイトの想いを伝えるため、舞と智樹は神田川の源流である井の頭恩賜公園へ向かうことに。

みおがお気に入りのクマにキャラクターのぬいぐるみと、告白には欠かせないとクラスメイトが言っていたモンブランをゲットし、なんとか日没前に公園に到着するも、その日はみおが非番のため会うことができずに翌日に改めることにする。

すっかり日も暮れて賑やかさを増す吉祥寺の街を歩く2人だが些細なことで口論となり、それぞれが夜の街に消えていく。バッタリ会った高校の同級生と路上で話し込む智樹の前を、ナンパしてきた男と二人で街をゆく舞が通りかかり…。

 ▼公開情報
出演:上大迫祐希 平井亜門
監督:いまおかしんじ
脚本:川﨑龍太 上野絵美
2021年/日本/カラー/83分/ビスタサイズ/5.1ch/DCP/G
配給・宣伝 アイエス・フィールド

≪公式WEBサイト≫is-field.com/kandagawanofutari/
≪公式Twitter≫@kandagawano
≪公式Facebook≫@kandagawano
≪公式Instagram≫@kandagawanofutari

9月2日(金)より池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

いまおかしんじ

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