2024年7月13日(土)、埼玉県川口市のSKIPシティで、「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024」が開幕。オープニング上映作品『初級演技レッスン』(串田壮史監督)がワールドプレミア。上映前舞台挨拶には、串田監督をはじめ、毎熊克哉、大西礼芳、岩田奏が登壇した。
■ 映画『初級演技レッスン』舞台挨拶レポート
過去の記憶と現在が交錯する時、奇跡が生まれる–
7月13日、埼玉県川口市のSKIPシティにて、「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024」が開幕した。オープニング作品として、串田壮史監督の最新作『初級演技レッスン』が世界初上映され、上映前に主演の毎熊克哉、大西礼芳、岩田奏、そして串田監督が舞台挨拶に登壇した。
『初級演技レッスン』は、廃工場で演技教室を開くアクティングコーチ・蝶野穂積(毎熊克哉)が、即興演技を通じて生徒たちの記憶に入り込み、彼らの人生を辿る中で「奇跡」に出会う物語。 串田監督は、長編デビュー作『写真の女』(20)でSKIPシティアワードを受賞、続く『マイマザーズアイズ』(23)も国際コンペティション部門にノミネートされるなど、映画祭と縁が深い。
主演の毎熊も、2011年に短編映画『ケンとカズ』で同映画祭の短編部門奨励賞を受賞。 大西も、2014年に短編映画『時ノカケラ』で同映画祭の短編部門にノミネートされた経験を持つ。 映画祭にゆかりのある顔ぶれが、再びSKIPシティに集結した形となった。
串田監督は、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭について、「長編3作目までの監督が対象なので、僕はこの『初級演技レッスン』で卒業になる。最高の花道を用意していただいたので、最高の作品で答えたいと思った」と意気込みを語った。
毎熊は、『ケンとカズ』を「僕にとって人生が変わった映画」と振り返り、「この作品のおかげでいろいろ続けることができて、今回またこの場に立たせていただいているのは感慨深い」と語った。
大西は、『時ノカケラ』出演当時を振り返り、「東京に出てきて初めて撮った短編映画で、これから役者としてやっていけるのか不安だった。10年ぶりにこの映画祭に帰ってこれて、まだ映画に参加させてもらえていると、当時の自分に言ってやりたい」と述べた。
映画祭初参加の岩田は、「オープニング作品に選んでいただき、本当に嬉しい。素敵な役をいただき、演技をしている時もずっと楽しかった。この作品を皆さんがどう受け取ってくださるのか、すごく楽しみ」と語った。
台本を読んだ際の感想を聞かれると、毎熊は「全く意味が分からなかった」と笑いながらも、「わからないと言いつつも、すごく優しい作品だと思った。理屈じゃないものがいっぱい映っていて、心を温かくする。観客の皆さんがこの作品から何を受け取ってくださるのか楽しみ」と語った。
大西は、「私は脚本を読んで絶対出演したいと強く思った。セリフや言葉よりも、場面の展開や脚本のリズムが面白い。この映画の見どころは、おそらく“反復”だと思う。同じことの反復ではなく、深層に入っていくのか、変化していくのかはわからないけれど、そういう中でこの映画の面白さを感じ取ってもらえたら」と語った。
岩田は、「水面や風景の描写が多い映画なので、そういう空気感にも注目して見ていただけたら」と語った。
串田監督は、「難しい映画が始まるんじゃないかと不安に思う方もいるかもしれないが(笑)、謎を解く手がかりを一つだけ。毎熊さんの髪型を見てください」と観客にメッセージを送った。 果たして、観客は『初級演技レッスン』からどのような「奇跡」を受け取るのか、今後の反応に注目が集まる。
映画『初級演技レッスン』
監督:串田壮史
出演:毎熊克哉、大西礼芳、岩田奏、森啓一朗、鯉沼トキ、柾賢志、永井秀樹
2024年 / 日本 / 90分
第21回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024開幕!