映画『距ててて』のメインビジュアル公開。内田英治監督らのコメント発表

映画『距ててて』のメインビジュアル公開。内田英治監督らのコメント発表

2022年5月14日(土)から東京・ポレポレ東中野で公開される映画『距ててて』(読み:へだててて)。が公開。本作は、写真家を目指すアコ(加藤紗希)とフリーターのサン(豊島晴香)の噛み合わない共同生活や2人が出会う人々が織りなす、日常の中の違和感や小さなおかしみを4章構成で描いた、監督の加藤紗希と脚本の豊島晴香による初の長編映画。

映画の公開に向けて、『距ててて』のポスタービジュアルが発表。舞台は、アコとサンが共同生活を営み、作品を象徴する「家」。ビジュアルの中には映画の各章に登場するアイテムがちりばめられているほか、一つの写真の中で複数の季節が同居しているかのような、映画が描く時空間の交差を表現したイメージになっている。

距ててて

また、内田英治、佐々木敦、大工原正樹、新谷和輝、西山真来、星野智幸、兵藤公美、松永良平から、映画について次のコメントが届いた。

■ 映画『距ててて』

ストーリー:

 写真家を目指すアコ(加藤紗希)とフリーターのサン(豊島晴香)。二人は共通の友人とともに共同生活を始めたものの、事情により友人が家を出た今やむを得ず二人暮らしをしている。アコは几帳面でストイック、サンはだらしなく自由気まま。正反対な二人の生活が順風満帆なわけもなく、日々の暮らしは微妙な空気に包まれている。
 そんなある日、二人の住む木造の一軒家に不動産会社の男がやってくる。なんでもサンが買ったアコーディオンが原因で、近隣住民から騒音クレームが入っているというのだが……。
 一人の男が訪ねてくることで始まる「ホーム」、立て篭もりをする女と口下手な男の喧嘩にサンが巻き込まれる「かわいい人」、アコの元に不思議な女の子が現れる「湯気」、口論した二人がちぐはぐな旅に出る「誤算か憧れ」。
 噛み合わない二人と、二人を取り巻くちょっと変わった人々との日々を描いた4章構成のオムニバス作品。

距ててて

内田英治監督ら、著名人コメント

内田英治(映画監督)
日常のなかにまぎれ込む非日常。
自由すぎるラストにニンマリした。
こんな映画撮ってみたい。

佐々木敦(思考家)
ささやかな日常、のささやかでなさ。
なにげない生活、のなにげなくなさ。
そんな「特別ではない特別さ」と「特別でないことの特別さ」を、
この映画は繊細に、だが力強く描いている。

大工原正樹(映画監督)
本職は俳優である豊島さん・加藤さんの新作が、「気心の知れた俳優仲間と作った長編」という自主映画にありがちな枠組みを遥かに超えた、作家としての本気が伝わる作品となっていることに驚いた。特に、第三パートの本荘澪さんの「仕草」における脚本と演出は本当に上手いなあと感嘆しました。

新谷和輝(ラテンアメリカ映画研究者)
安易な共感や感情移入をすりぬける異物たちが混線的に絡みあうことで、「私とあなた」の閉鎖的二者関係は歪み、ほぐれ、生まれ変わっていく。見知ったキャストと共に主演俳優の二人が監督と脚本をつとめる制作手法も、こうした作品のあり方と響きあう。内輪ノリからは遠いところで、ウェットでもクールでもない視線が探し出す秘密の輝きがある。そこには、今を誰かと生きていくことの望外の楽しみが隠されている。

西山真来(俳優)
映画が終わって、現実というもうひとつのおとぎ話にぽうっとほうり出されました。声出して笑いました。不思議な体験です。面白かった。

あと演者さんたちが作り出す演技の時間が丁寧にうつされているのが印象的でした。

星野智幸(小説家)
どの物語も、マレビト(闖入者)が押しかけてきて、空気を不穏にする。ずっとゾワゾワして先が怖いのに、一方でもう可笑しくて可笑しくて笑いっぱなし。怖いことと可笑しいことの間には境界はないんだなと発見。迷惑かけ合うって、楽しいね!

兵藤公美(俳優)
アンバランスになった2人と客人、
不安プレイで繋がってる2人、お告げに来たようなあたたかみのある2人、
冷気のようなグレーがかった色の中で人物たちの陽気で陰気なふるまいが見どころ!ラスト率直に向き合う2人の浴びてる景色が清々しかったです
楽観でも悲観でもなく前進!

松永良平(ライター/リズム&ペンシル)
SFの「S」は「サイエンス」だが、この映画のそこかしこにひそむSF設定の「S」をあえて名づけるのなら、きっと「ササイエンス」だ。圧倒的な規模感や手の込んだCGがなくても、世界は少しだけ変えられる。息を飲んで見つめるかわりに、ぼくは気持ちよく息をした。

▼映画の公開に向けた様々な試み

試み ~その1:SNSトーク配信~
TwitterスペースとInstagramライブで、トーク配信「ててての時間」が毎週おこなわれる。「ててての時間」では、監督の加藤と脚本の豊島を中心に、キャストやスタッフと『距ててて』について語り合う。各回30分で、初回は2022年4月12日(火)21:00からTwitterスペースで配信される。詳細や第2回以降のスケジュールはTwitter(https://twitter.com/hedatetete)とInstagram(https://www.instagram.com/hedatetete/)で随時発信されるので、ぜひチェックしてほしい。

試み ~その2:ワークショップ開催~
加藤紗希と豊島晴香による創作ユニットで、『距ててて』を製作した「点と」が、身体や芝居について参加者とともに考えるワークショップを開催する。開催は2022年4月26日(火)を予定しており、時間や場所などの詳細は点とのTwitter(https://twitter.com/ten___to)および『距ててて』のTwitterで後日発表される。「点と」の2人ならではのこの試みも、お見逃しなく。


■監督・脚本プロフィール


加藤 紗希(かとう さき)[監督]
5歳で踊り始め、中学2年生でミュージカル劇団に入り寮生活を経験、全国巡業。ジャズダンス・ミュージカル・リズムタップを学び、現在は映画や舞台への出演・振付を行う。映画美学校2017年度アクターズコース修了。創作ユニット「点と」を結成、映像制作も行う。初監督作『泥濘む』が第41回ぴあフィルムフェスティバルで入選。今作が初長編監督作。振付担当・出演作に映画『ReLIFE リライフ』(2017年)、振付担当作に映画『よだかの片想い』(2021年)などがある。

豊島 晴香(とよしま はるか)[脚本]
慶應義塾大学環境情報学部卒業後、2年間の旅行会社勤務を経て文学座附属演劇研究所に入所。卒業後、小田尚稔の演劇、ウンゲツィーファ、わっしょいハウス、はらぺこ満月など小劇場の舞台を中心に活動する。映画美学校アクターズコースで出会った加藤紗希の誘いで脚本を書き始め、ともに映画製作を開始。その俳優にしか演じられない、個人の魅力を最大限生かした当て書きを得意とする。

距ててて

映画『距(へだ)ててて』
監督:加藤紗希
脚本:豊島晴香
出演:加藤紗希/豊島晴香/釜口恵太/神田朱未/髙羽快/本荘澪/湯川紋子
撮影:河本洋介
録音・音響:三村一馬
照明:西野正浩
音楽:スカンク/SKANK
製作:点と
(2021年/日本/フィクション/78分)

オフィシャルサイト:https://hedatetete.themedia.jp/

Instagram:https://www.instagram.com/hedatetete/

Twitter:https://twitter.com/hedatetete

2022年5月14日(土)、東京・ポレポレ東中野ほか全国順次公開

距ててて

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