- 2024年8月10日
第16回下北沢映画祭開催決定、9月21日(土)〜23日(月・祝)、フジコ・ヘミング初のドキュメンタリーを“ゆかりの地”下北沢で追悼上映
ジャンルを問わないコンペティションをメインプログラムに、⾳楽……
“母”東直子の小説『とりつくしま』を“娘”の東かほり監督が映画化した【特別な作品】『とりつくしま』、山崎ナオコーラ、蓮舫ほか各界著名人18名の絶賛コメントが到着。カモシタサラ(インナージャーニー)のミニLIVEほか、9月2日(月)には『とりつくしま』公開直前記念イベントも開催される。

もう一度、この世を見つめることができるとしたら
死んでしまったあと、モノになって大切な人の近くにいられるとしたら……。あなたは何になりますか? 亡くなった人に、「とりつくしま係」が問いかける。この世に未練はありませんか。あるなら、なにかモノになって戻ることができますよ、と。
映画『とりつくしま』は、東直子の小説「とりつくしま」(筑摩書房)を原作に、娘である東かほり監督が脚本・監督した“特別な映画”。
2007年に発行された小説「とりつくしま」は、すでに失われた人生のかけがえのない記憶がよみがえり、切なさと温かさと哀しみ、そして少しのおかしみが滲み出る11篇の短篇集。
海外も含めファンも多く、シネマプロジェクト作品として映画化を発表した際には様々な方面から多くの反響があった。
東かほり監督は、長編デビュー作『ほとぼりメルトサウンズ』(2021)が、第17回大阪アジアン映画祭、第22回ニッポン・コネクション(ドイツ)などに選出、その後劇場公開もされ、今、大注目の監督。母が生み出した原作の11篇の中から、「トリケラトプス」「あおいの」「レンズ」「ロージン」の4篇を紡ぎ、オリジナルストーリーを加えて映画化した。






本作は、ENBUゼミナール「シネマプロジェクト」の第11弾作品。本プロジェクトは、社会現象にもなった上田慎一郎監督『カメラを止めるな!』をはじめ、今泉力哉監督作『退屈な日々にさようならを』や、昨年1館から公開し80館以上に拡がりスマッシュヒットとなった外山文治監督作『茶飲友達』など、ワークショップからキャスティングされた魅力的な俳優たちと共に、商業映画とは一線を画す刺激的な映画を世に届けてきた。
本作のワークショップには応募総数399名の中から選ばれた71名のキャストが参加し、橋本紡、櫛島想史、小川未祐、磯西真喜、安宅陽子、志村魁など23名が出演。そして、小説で重要な役割となる“とりつくしま係”として、小説のファンである小泉今日子が出演している。






2024年3月、新宿K’s cinemaにて行われた全5回のイベント上映では、全回満席が続出。小泉、監督、東直子のアフタートーク回は発売開始直後に即完するほどの話題となった。また5月には 『ほとぼりメルトサウンズ』に続き、本作『とりつくしま』がニッポン・コネクション(ドイツ)のNIPPON VISIONS部門に選出。9月6日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開となる。
9月2日(月)、渋谷のLOFT9 Shibuyaにて『とりつくしま』公開直前記念イベントを開催
イベントは、映画『とりつくしま』の主題歌「陽だまりの夢」を作詞・作曲したカモシタサラによるアコースティックミニLIVE、東かほり監督短編2作品の上映、そして、最新作『とりつくしま』の魅力を紐解くトークイベントにて構成されます。トークイベントには、東監督ほかキャストなどのトークゲストが登壇予定。
そしてこの日、映画『とりつくしま』の主題歌「陽だまりの夢」のミュージックビデオを特別上映。この8月のお盆期間に東監督をはじめ『とりつくしま』と同じスタッフチームにて撮影を敢行し、2週間というスケジュールで仕上げるという痺れるスケジュールにて製作したもの。
トークイベントでは、『とりつくしま』撮影時や主題歌にまつわるエピソードやメイキングなどを交えながら映画について色々と語る。
市井昌秀(映画監督)
こんなの切ないに決まってる!
喪失であり、余白を描くことこそが映画だと思ってます。
「あおいの」と「ロージン」にやられました。
伊藤さとり(映画パーソナリティ・映画評論家)
現世に未練があるから「とどまる」だろう、間違いなく「居残る」だろうと今なら思える。
愛しい人を見守りたいからそばに居たい。
そんな純愛を愛おしいくらい可愛らしく具現化して、モノへの愛着は人への愛情なんだと伝えてくれる。
なんて、多幸感に満ちた死生観の映画なのだろう。
大好きだ。
大墻敦(映画監督)
人間は死後の世界に関与できない、という当たり前のことを映画を観ながら感じて、
すこし悲しくなり、すこしほっとした。
それは、この映画が、こころの奥底で「私」という存在を支える
「たましい」とも呼んでもいいなにか大切なものが、
この世の中に静かに満ちていることを、
映像と音声で見事に表現しきっているからだと思う。
小川あん(俳優)
小さいころに、よく星を見上げながらこう思ってた。
「自分が消えてしまったら…お星様になって、大切なみんなを見守ってたい」って。
でも『とりつくしま』だったら、もっともっと近くにいられる。
人を想う、この世で一番温和で尊いお話。
金子岳憲(俳優)
親が子を見守るように優しい。その優しさに少し反抗したくなる。
ふと、孤独に気づかされる。そのシーンの俳優がとても良い。
気づいたら寄り添っていた。優しい気持ちのまま映画を観終えた。
反抗しようとした自分が恥ずかしい。
優しくて良いじゃないか。よかった今日もまだ優しいままだ。
小林エリカ(作家・アーティスト)
死んでしまったものから、いま生きているものたちへ。
親から、子へ。小説から、映画へ。
失われてしまったものたちが形を変えながらとりついて、この映画ができているということ、俳優たちひとりひとりの存在が、眩しくて愛おしいものでした。
佐藤尚之(コミュニケーションディレクター)
週末の夕方にぼんやり見て、幸せを感じて、明日も生きていこうと思えます。
シブヤメグミ(”浮かぶ”二代目店主)
言葉をかけられなくても、返事を受けとれなくても、
約束ができなくても、もう「またね」って言えなくても、誰かは誰かを思っている。
どこかから聴こえてくるハナウタのような柔らかさで紡がれた物語。
抱きしめて、抱きしめられてた。
鈴木慶一(ミュージシャン/moonriders)
東かほり監督が脚本を送ってきてくれました。
声の出演をとのことで。
脚本を読んで悲しい涙ではない、暖かい涙を堪えてぜひ声を録音しようと思いました。
大事な家族、大切な友人、会ったことのない憧れの方々、
いなくなってしまった人たちとはもう会えないんだなと思ってました。
でも、その人たちのことを思い浮かべれば会えたんだ、
目の前のモノを見つめればきっとそこに居ると思う、
そんな気持ちになる素敵な映画です。
昨日生きてしまったら今日が来て、今日を生きたら明日が来る。
大事な、大切な、憧れたみんなと一緒に。
そして、とりつくなら音に。
田川恵美子(俳優)
大切な誰かを失った時、どうしたって悲しみや寂しさや、悔いが、残る。
そんな気持ちで俯いていた私の背中に、両手をそっとあててくれる映画でした。
今、目の前にある奇跡を、噛みしめて、抱きしめて生きていくことを、
肯定された気がしました。
また誰かを失ったり、愛する誰かを置いて自分が消えてしまう未来があるとしても、どんなとりつくしまがあるのか、を思い描いて生きていきます。
そしてそんな時は「いしやきいも」も思い出すと思います。
俵万智(歌人)
本歌取りだ、と思った。
元の歌の一部を受け継ぎながら、さらに展開を加える和歌の技法である。
『とりつくしま』という原作の卓抜なアイデアを活用しつつ、
映像には新しいリアルと味わいが息づいていた。
死を扱いながらも、温かくユーモアのある世界。
とりつく側の視点をこんなふうに描くのかという驚きとともに、
残された側にも踏みこんでいるところが魅力だった。
見送ったばかりの父を思うとき、笑顔になれたことにも感謝している。
たぶん私ではなく、母の何かにとりついていることだろう。
辻凪子(俳優)
いつもの生活の愛おしい瞬きを映し出す東さんの空気が好きです。
俳優は肩の荷を下ろして、その人らしい姿で存在する。
今作は永遠なんてない世界で、大切な人と一緒に居させてくれた。
お守りのような映画だなあ。
中島京子(小説家)
東直子さんの傑作小説を、娘のかほりさんが映画化し、小泉今日子さんが「とりつくしま係」を演じるという奇跡のような作品。死を扱った物語なのに、湿っぽさがなくて、諦観の横に温かさがあって、あれっ? と思うような展開もあって。孫にプレゼントしたカメラの「レンズ」にとりついたおばあさんの数奇な運命がとくに好き。ああ、いいなあ、もっと観ていたいなあ、と思った。
根矢涼香(俳優)
この目で見えなくてもそこに在る、生と死とやさしさの距離。
東さんの映画は、わたしたちの日常の輪郭の層をひとつ広げてくれる。
こんな眼差しに溢れた世界なら独りぼっちなんてこと、決してないかもしれない。
眞鍋卓嗣(劇団俳優座 演出家/舞台作品「とりつくしま」演出)
その絶妙な距離感。まるで、私たちが私たちを眺めているようだ。
ふわりとした空気感でありながら、人生の辛辣さや人間のおかしみが混在していて、なんとも言えない気持ちになった。
そして、観てから数週間たっても心に住み着いて、日常のふとした瞬間に思い出している。ああ、そうだった。これが「とりつくしま」の魅力であった。
親子の親和性によるものだろうか。東かほり監督が撮られたことの意味を感じる。
そっと大切にしたくなる映画。本当にうれしい。
山内ケンジ(劇作家・映画監督)
なんとまあ、優しい映画であることよ。
いくつもの感心してしまうディテイルがあるのだが、
その中でも最も優れているのは小泉今日子の起用であります。
この役は彼女以外にはあり得ない。
東かほり監督の慧眼、周到さに感服しました。
山崎ナオコーラ(作家)
世界はこんなにも切なくて温かい。
私たちが住んでいるのはこういう世界なのだから、明日も生きられる。
死んでも生きられる、と思いました。
そして、親が原作、子が監督という、夢のような映画があるもんなんだなあ、と驚きました。この映画が生まれて良かった。
ここは素敵な世界です。
蓮舫
舞台のような映画でした。
モノになっても想いを残し続けたい、そんな声が聞こえる物語をありがとうございます。
小泉今日子さん、素敵です。
カモシタサラ・アコースティックミニLIVE/短編・MV上映/トークイベント
日程:2024年9月2日(月)18:30開場/19:00開演
会場:LOFT9 Shibuya
https://www.loft-prj.co.jp/loft9
料金:2,500円(映画『とりつくしま』全国特別鑑賞券付き)
<アコースティックミニLIVE>
カモシタサラ(インナージャーニー)

<トークゲスト>
東かほり監督、カモシタサラ、橋本紡、櫛島想史、安宅陽子、宇乃うめの、佐藤有里子、澁木稜、Leiya、有希九美ほか
<上映作品>
「土曜日ランドリー」(5分)
「ほろほろほかほかワシワシ食べる」(21分)
『とりつくしま』主題歌「陽だまりの夢」MV※本邦初公開
「土曜日ランドリー」
土曜日の朝、コインランドリーの待ち時間にそわそわした表情で座っている百合子。そこへ気になっている男の子が現れる。ぐるぐると回る乾燥機の前で、淡い恋が動き始める。

監督・脚本:東かほり
出演:宇乃うめの 塗塀一海 桜井ルカ 相澤亮太
「ほろほろほかほかワシワシ食べる」
夏、風太は年の離れた従弟のために、かまどで米を炊いている。そこにバックパッカーのサリアが現れる。突然冷蔵庫が壊れてしまい、食材救出ライスパーティーがはじまる。

監督・脚本 : 東かほり
出演:澁木稜 LEIYA 嶋田鉄太 有希九美
【『とりつくしま』あらすじ】
人生が終わってしまった人々の前に現れる“とりつくしま係”は、「この世に未練はありませんか。あるなら、なにかモノになって戻ることができますよ」と告げる。夫のお気に入りのマグカップになることにした妻、だいすきな青いジャングルジムになった男の子、孫にあげたカメラになった祖母、ピッチャーの息子を見守るため、野球の試合で使うロージンになった母。
人生のほんとうの最後に、モノとなって大切な人の側で過ごす時間。



出演:橋本紡 櫛島想史 小川未祐 楠田悠人 磯西真喜 柴田義之 安宅陽子 志村魁 小泉今日子
中澤梓佐 石井心寧 安光隆太郎 新谷ゆづみ 鈴木喜明 千賀由紀子 佐藤有里子 宇乃うめの 山下航平
山田結愛 村田凪 田名瀬偉年 富士たくや 富井寧音 松浦祐子 大槻圭紀 平松克美 熊﨑踊花 大古知遣
監督・脚本:東かほり 原作:東直子『とりつくしま』(筑摩書房)
撮影:古屋幸一 照明:加藤大輝 録音:Keefar 美術:畠智哉 スタイリスト:中村もやし ヘアメイク:山田季紗
助監督:平波亘 制作:小林徳行 スチール:西邑匡弘 編集:中村幸貴 音楽:大江康太 小金丸慧 入江陽
宣伝デザイン:東かほり ラインプロデューサー:田中佐知彦 アソシエイトプロデューサー:大久保孝一 児玉健太郎 鈴木喜明
プロデューサー:市橋浩治 特別協賛:海色の地図 ラディアスセブン
主題歌:インナージャーニー「陽だまりの夢」
制作:Ippo 製作:ENBUゼミナール 2024年/©ENBUゼミナール
2024年9月6日(土) 新宿武蔵野館ほか全国順次公開

