愛知県刈谷市のミニシアター「刈谷日劇」で、映画「野球どアホウ未亡人」(監督:小野峻志)の上映1周年を記念した舞台挨拶が9月22日に行われた。2023年9月22日から1年間、異例のロングラン上映を続けてきた本作。舞台挨拶には、小野監督、主演の森山みつき、出演者の藤田健彦、工藤潤矢らが登壇し、作品への想いや刈谷日劇への感謝の気持ちを語った。
森山さんは「1年前はこんなにも長く上映が続くとは思っていなかった」と感慨深げに語り、「これもひとえに、刈谷日劇の皆さん、そして応援してくださったお客様のおかげです」と感謝の言葉を述べた。
刈谷日劇での上映は、支配人の堀部氏とスタッフS氏の熱意によって実現した。当初、映画関係者(映画館関係者)からは「なぜ刈谷で?」「本当に1年間も上映するのか?」と疑問視する声もあったという。しかし、S氏を中心に、劇場をあげての宣伝活動や、観客参加型のイベントなどが功を奏し、徐々に人気が高まっていった。
舞台挨拶では、S氏の活動について、関係者から賞賛の声が相次いだ。インディーズ映画の聖地ともよばれる東京の「池袋シネマ・ロサ」の支配人・矢川氏はコメントを寄せ、「Sさんの活動は、まさに”好きで勝手にやってる”という感じで、清々しさすら覚えた」と語り、その熱意を称えた。
また、大阪のミニシアター「シアターセブン」のスタッフ・福住氏は、「どアホウゲート(刈谷日劇が制作した劇場入口の装飾の愛称)にしがみついて、寂しくなったらまた観に来ます」と、映画への熱い想いを語った。
東京のミニシアター「Stranger」小金澤氏(ナカチカピクチャーズ代表)は、当初は「野球どアホウ未亡人」の異様な盛り上がりに困惑していたが、上映を通して、観客もスタッフも笑顔で、映画館で映画を見て感動を共有することの素晴らしさを再認識させられたとコメントした。
3名とも、「野球どアホウ未亡人」を通して、映画の面白さや映画館の意義を改めて認識したことを強調している
イベントの終盤には、刈谷日劇の堀部氏とS氏に花束が贈られ、森山さんが感謝の気持ちを込めて歌を披露。
その後観客をバックに全員で記念撮影。観客も巻き込んだ温かい雰囲気の中、舞台挨拶は幕を閉じた。
刈谷日劇での『野球どアホウ未亡人』の上映は、9月26日まで続く。つづく。