フィルムカメラを愛し、自ら映像制作にも取り組む葵うたのさん。そんな彼女が、映画『タイムマシンガール』で初主演を務めます。笑いあり、感動ありのタイムスリップSFコメディの舞台裏、そして葵さんの内面に迫るインタビュー。彼女の多彩な魅力に触れてください。

■ 映画「タイムマシンガール」 主演・葵うたの インタビュー
▼1:葵うたの、名前の由来
インタビュアー: 本サイト恒例で、お名前の由来についてうかがっているのですが、葵さんの“うたの”の名前の由来について教えていただけますか?
葵うたの: 「“うたの”は本名で本来は漢字なのですが、芸名はひらがなで“うたの”になっています。ちなみに、女の子だったら“うたの”にしようと決めていたそうです。

▼2:『タイムマシンガール』出演経緯
インタビュアー: では、本作参加のきっかけについて、お話しを聞いてみたいと思います。
オファーや、応募してのオーディションなど、いくつかのパターンがあると思いますが、どのような形で参加するようになったのでしょうか?
葵うたの 『タイムマシンガール』はオーディションを受けさせていただきました。受ける前に台本を読ませていただいたのですが、それがすごく面白くて、初めての出会いがたくさんあったんです。
インタビュアー:その初めての出会いとはどういったものだったのでしょうか?
葵うたの: “タイムマシン”とタイトルに書かれているので、「あ、SFな作品だ」と思って自分の中の知っているSFとすり合わせながら、「こうかな?」と思っていたら、もう「なんじゃこりゃ!?」という、初めての設定が盛りだくさんでした。
出てくるキャラクターも、そのタイムスリップ自体が個性的だというのも面白かったし、セリフにも、恐らく、木場監督がすごく好きなオタク機質というか、細かい設定がしっかりと練り込まれていて、「あ、これは面白い!」と思いました。そういった経緯で、可子というキャラクターを選んで、オーディションを受けさせていただきました。

▼3:『タイムマシンガール』オーディション秘話
インタビュアー: オーディションはどのようなタイプの形式でしたか?監督との会話や、劇中のワンシーンを演じるものだとか。
葵うたの: オーディションは劇中にも使われているシーンを演じました。
シーンとしては、千鶴がある失敗をしてしまった時のシーンでした。そのシーンを千鶴と可子の役を入れ替えて、2 回、どちらの役も演じました。
インタビュアー: もしかしたら、千鶴役を演じていた可能性もあるわけですね。
葵うたの: それももちろんありますね。

▼4:初主演への意気込みとキャスティング
インタビュアー: 今回のキャスティングは本当に神がかり的に面白かったと思います。今回、撮影現場を見る機会があって、現場にも立ち会わせていただいたわけですが、可子と千鶴は本当にいいコンビでしたね。
今回、主役ですし、選ばれた時の気持ちは特別なものだったのではないかと思うのですが、いかがでしたか?
葵うたの: 選ばれた時の気持ちは、もう「よっしゃー!」という感じですね。この作品に対して、面白いから出たいという思いが強かったので、決まった時はすごく嬉しかったし、主演が初めてだったので、嬉しいのと同時に不安もありました。
インタビュアー: その不安というか、主演を務めるにあたっての意気込みはいかがでしたか?
葵うたの: 意気込みはありました。監督は越せないかもしれないけど、誰よりもこの台本・物語を知っておこう思って、何度も読み返しました。
タイムスリップのルールもあって、ここではどうするといったタイミングが複雑なんです。
主人公がタイムマシンだし、タイムスリップのきっかけや、タイムスリップする時のルールがあるので。

▼5:撮影後作品感想
インタビュアー: 撮影を終えて、編集が加わって、完成した作品をみた感想を教えてください。
葵うたの 監督の“木場ワールド”がすごかったです。現場では周りのキャストさんたちのお芝居が台本の想像を超えてきたので、「こんな方々と一緒に作品を作っていくんだ!」という嬉しい気持ちでした。さらに出来上がった作品を見たら特殊効果もすごいし、音楽もサントラが欲しくなってしまうくらいでした。それに、「あ、意外とこんなにほろりと来るんだ…」という時間があって、撮影の現場の中にいた時よりも、客観的に作品を見た時に、うるっとくるポイントがしっかりあって感動しました。
▼6:役作り
インタビュアー: ご自身が演じたキャラクター・可子をどのように捉えてお芝居に生かしていったか、取り組んだことがありましたら教えてください。
葵うたの: 可子は、そこまで、“こういうキャラクターだ!”という役ではないと感じていました。
なので、好きなものがプロレスだったり、一人時間の過ごし方だったり、羨むようなタイムスリップの能力を疎ましく思っているといった、そういった軸を持つようにしました。
あとは役作りというか、現場で周りのキャストさんたちが与えてくれる行動というか、その自然さというか、台本が最後まで連れていってくれた感覚がありました。
後半になるにつれて、可子の表情が柔らかくなっていったり、いろいろと面白がれるようになっていくあの表情は、自分が思っていたよりもなんだか柔らかくて、それはおそらく、自分の役作りだけじゃ作れないものだったと思います。

▼7:芸能活動の原点
インタビュアー: うたのさんが芸能活動を始めるきっかけになったものについて教えていただけますか?
葵うたの: きっかけは母の影響が大きいです。私が生まれる前に、母は舞台演劇をやっていたらしく、物心ついた時にはもう「私は女優という職業につく」と、なんとなく思っていました。
こどもの時に映画を見たら、“女優さん”というよりも、“役”としての認識が強いと思うんですけど、もう当時から当たり前のように、「女優さんだ」という目で作品を見ていました。それは本当に幼い時からですね。
インタビュアー: お母様の演じる姿は見たことがあるのでしょうか?
葵うたの: それがないんです。見せてもらっていなくて。
ただ、劇団に入る時のオーディションに臨むにあたって、特訓をさせられていました。
覚えているのが、暗い部屋で電気を探して歩いているというシチュエーションで、そこで何かに転んだので、それを触ってみたらそれが、亡くなった人だったっていうものでした。
インタビュアー: 怖い…というか、こどもにやらせる内容じゃないですね。おいくつぐらいの時のことですか?
葵うたの: こどもの頃でしたから、幼稚園か小学校低学年ぐらいの時だと思います。そんなヘビーでシリアスなこともありましたが、箸を口に加えて笑顔の練習もしました。
インタビュアー: 表情筋の鍛え方とか、幼いころから英才教育を受けられていたんですね。
葵うたの: 振り返ってみると英才教育でした。習い事もそうでしたし、箸の持ち方といったマナーだったり、品を大事にしなければいけないこととか、現在、あらためて思うのですが、そういったことを教えてくれようとしてくれていました。
インタビュアー: お話をうかがっていると、演劇・舞台と映像でしたら、お母様の話からすると舞台系への経験が先だと思うのですが、本格的な芸能活動においては、どちらが先でしたか?
葵うたの: 最初は演劇からスタートして、映像に触れたのは今の事務所に所属してからです。
受けるオーディションや映像のお仕事でやりたい作品の話をしていたので、そこから映像の世界に入りました。
なので、高校3年生ぐらいの時でしょうか…
演劇、映像を含めた、しっかりしたお芝居のメソッドというか、レッスンを学び出したのがその頃でした。

▼8:葵うたのの趣味とCafuné films
インタビュアー: うたのさんが演じた可子はプロレス好きでしたが、うたのさん自身の好きなものや趣味を教えてください。
葵うたの: かなり多趣味で、休みの日も忙しくしています。カメラもやっていて、フィルムカメラが好きです。
インタビュアー: カメラを始めたきっかけは何ですか?
葵うたの: 昔から散歩が好きで、その散歩の記録として、見た鳥や建物の光の影などを残したいと思ったのがきっかけです。
インタビュアー: 動物や建物以外、人物を撮ることはありますか?
葵うたの: 人をあまり撮ったことがないというか、撮るのが苦手なので、風景が多いです。
インタビュアー: どんなカメラを使っているんですか?
葵うたの: 最初は、全部オートのカメラを使っていましたが、今はニコンのフィルムカメラを使っています。レンズもニコンです。
自分で調整する時の「ガチャッ」という音が好きで、そのカメラを選びました。

▼9:新たな試み。Cafuné films
インタビュアー: 年末頃にSNSで「プロジェクトを始めた」という投稿を目にしました。それはどういったプロジェクトなのでしょうか?
葵うたの: 以前からYouTubeに短編映像を自分たちで制作してアップしていたのですが、そのチームを本格的に始動させたいと思って、「Cafuné films」というチームを立ち上げました。
インタビュアー: 「Cafuné films」はどのようなチームなのですか?
葵うたの: メンバーは、俳優とカメラマンで構成されていて、私もそのメンバーとして作品に出演しています。これまでに2作品ほど制作しました。
インタビュアー: 具体的にはどのような作品を制作されたのですか?
葵うたの: 「その夜のさえぎり」という作品と、「花火が消える前に」という作品です。
自分たちで物語を考え、撮影や編集も行っています。
インタビュアー: 自分たちで作品を制作するようになったきっかけは何ですか?
葵うたの: 作品に参加していない時間を利用して、自分たちで物語を形にしたいと思ったからです。また、最近の役者自身が主体的に動く流れも影響していると思います。
インタビュアー: チーム名の「カフネ」にはどういった意味や由来があるのでしょうか?
葵うたの:チーム名を考えている時に、なぜか「カフネ」という言葉が浮かんできたんです。初めて頭に浮かんだ言葉だったのですが、「カフネ」という言葉が降りてきたような感覚でした。その言葉に不思議な縁を感じています。

▼10:未来: 夢と目標
インタビュアー: 葵さんの今後の目標や夢についてお聞かせください。何か演じてみたい役柄などはありますか?
葵うたの: タイムマシンガールへの出演が大きなきっかけになっていると感じています。
インタビュアー: どのように影響を受けているのでしょうか?
葵うたの: 今まで演じてきた役とは少し違って、明るくてコメディ要素のある役を演じることに、とても魅力を感じています。
インタビュアー: 具体的にどのような役を演じたいですか?
葵うたの: 見てくれる人が、心から笑って楽しめるような、ワクワクできる作品に携わっていきたいです。
インタビュアー: コミカルな演技に挑戦したいということですか。
葵うたの: 見た人が大口を開けて笑えるような、元気になれるようなお芝居ができる女優になりたいと思っています。
インタビュアー: ご自身がワクワクできる作品に関わりたいという思いも強いのですね。
葵うたの: そうですね。自分自身が楽しみながら、観客の方にも楽しんでもらえる作品に、これからも積極的に関わっていきたいです。
インタビュアー: 映像制作チーム「カフネフィルムス」での活動も、今後の目標に関わってきますか?
葵うたの: はい。自分たちで映像を作ることで、表現の幅を広げていきたいと思っています。
インタビュアー:機材なども手に入りやすくなったので、表現者が自分の作品を世に出せる良い時代になりましたよね 。

▼映画をご覧になる方へのメッセージ
インタビュアー: 『タイムマシンガール』をご覧になる方へのメッセージをお願いします。
葵うたの: 本作は、個性豊かな登場人物で繰り広げられる日常タイムスリップ物語です。
主人公はタイムスリップという「体質」を厄介に捉えていますが、それを誰かが認めてくれたり、面白がってくれることで、ポジティブな世界が広がっていきます。
この作品の独特な世界観と、優しい友情を、是非、劇場で味わって頂けたら嬉しいです。

▼初日舞台挨拶映像
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映画『タイムマシンガール』
〈ストーリー〉
プロレスとソロ活が大好きな主人公の星野可子(葵うたの)は、とある事件をきっかけに
ビックリすると少しだけタイムスリップしてしまうという体質になってしまう。そのためなるべく他人
と関わらないようにしていたが、ふとしたきっかけで恋の始まりが訪れるのであった。しかし、おっ
ちょこちょいな山本千鶴(高鶴桃羽)に驚かされ、意図せず時間が巻き戻り、そのチャンスもな
かったことになってしまう。だが特に良くなかった可子と千鶴の仲は次第に近づいていくのだっ
た。
可子の能力を知った千鶴はギャンブルでお金を稼ごうと提案し、成功するものの、時空を調査
する公務員の安野時夫(立川志の太郎)や、タイムマシンの実験が失敗して2人に増えてしまっ
た発明家の井手泰人(木ノ本嶺浩)に追われ、タイムスリップすることにより世界が崩壊する可能
性を指摘される。悩んだ可子は自分の体質を治そうと奔走するが…。
〈キャスト〉
葵うたの 高鶴桃羽
木ノ本嶺浩 立川志の太郎 重岡サトル
遠山景織子(特別出演)
嶋村太一 安川結花/惡斗 鹿目凛(でんぱ組.inc) コウガシノブ
アレス 夏葵 武蔵 木村桜輔 汐月なぎさ 才原茉莉乃 キラ☆アン 茉莉 MARU
永井絵梨沙 蒼乃ありす 千夜ヒナタ みあ朝子 研菜々美 青葉ちい
ほりかわひろき 清水崇 穂紫朋子 須賀由美子
〈スタッフ〉
監督・脚本・編集 木場明義 / 制作 杉山葉・前橋佑樹 / 助監督 茅嶋直大 /
撮影 長谷川朋史 / 撮影応援 下山天 / 録音 中山昭彦・玉置太郎 /
助監督応援 山本晃大 / ヘアメイク 原早織(Kleuren)/
ヘアメイク助手 山中美礼乃・大石桃加(Kleuren) /
車両 石川祐羽 / キャスティング 石野美佳・戸髙彩希(SKALY)/
スチール 金田一元 / プロレスマスク制作 南由加 /
企画協力 小田憲明(株式会社清月エンターテイメント)/ 協力 アクトレスガールズ /
川崎競輪 / 美粧協力 STAR OF THE COLOR・RICE FORCE /
宣伝協力 ブラウニー / 製作・配給:イナズマ社
2025/日本/105分/カラー/DCP/シネマスコープ/ステレオ/ 映倫:G区分
©2025 イナズマ社
公式X https://x.com/timemachinegir1
2025年池袋シネマ・ロサ他全国順次公開!
