8月22日、映画『蔵のある街』の初日舞台挨拶が開催され、主演の山時聡真、中島瑠菜をはじめ、高橋大輔、前野朋哉、そして平松恵美子監督が登壇しました。コロナ禍の「サプライズ花火」に着想を得た本作は、岡山県倉敷市を舞台に、幼馴染の約束を果たすべく奔走する高校生たちの姿を通じて、人々の「繋がり」と「成長」を描く希望の物語です。この日、満員の観客を前に、登壇者たちは作品への熱い思いと撮影秘話を語り、会場は温かい拍手と笑顔に包まれました。

■ 映画『蔵のある街』初日舞台挨拶、登壇者が語る作品への想い
MCの奥浜レイラの進行のもと、映画『蔵のある街』の公開初日舞台挨拶が始まりました。奥浜氏は観客に感謝を伝え、マスコミ以外の撮影・録音は控えるよう注意喚起しつつも、最後に観客向けの撮影時間があることをアナウンスしました。その後、盛大な拍手の中、主人公・蒼役の山時聡真、紅子役の中島瑠菜、学芸員・古城役の高橋大輔、喫茶店マスター・中桐仙太役の前野朋哉、そして脚本・監督を務めた平松恵美子監督が登壇した。山時聡真、中島瑠菜は初日を迎えられた喜びを語り、高橋大輔は「全国公開でこれからどんどん世に見ていただけるなと思うと嬉しい気持ちです」と期待を寄せ、前野朋哉は倉敷でのエピソードに触れつつ感謝を述べた。平松監督は「人生でこんなにヒューヒューと(歓声を)言われたのは初めて」と笑顔を見せ、観客に映画を楽しんでほしいと語りました。
▼作品の核となるテーマ「繋ぐ」への深い洞察
平松監督は、映画にとって非常に大切な言葉である「繋ぐ」というテーマについて深く掘り下げました。監督は、コロナ禍が人々の繋がりを分断した時期であったことに触れ、サプライズ花火をモチーフにしたと説明しました。繋ぐことの難しさについて、「人、団体、会社、県、町、世界と日本といったあらゆるレベルで何かが繋がり合うことがいかに難しいか」を語り、この映画がその繋がりへの「きっかけ」となればという思いを込めました。また、皆で同じ花火を見上げる行為自体が、個人と個人を繋ぐものだと指摘しました。
主人公・蒼を演じた山時聡真は、役柄を通して繋がりを感じた瞬間について質問されると、自身が出演していた朝ドラ「虎に翼」を視聴者が見てくれたことに繋がりを感じたと述べました。さらに、撮影中の暑い時期にスタッフや実行委員が氷や冷たいものを差し入れてくれたことにも、人との繋がりを実感したと明かしました。
▼撮影現場で育まれた絆と地元の温かい差し入れ
紅子役の中島瑠菜は、撮影中、倉敷の方々との繋がりを強く感じていたと話しました。実行委員の皆さんが撮影を円滑に進めるために配慮してくれたり、街のお店の方々が「頑張ってね」と応援してくれたりしたことに感謝を述べました。特に嬉しかった差し入れとして、岡山名産のフルーツ、特に大好きなマスカットや桃を挙げ、「ものすごく(たくさんのフルーツを)宿に持って帰ってたらしいです」と平松監督から暴露されました。


山時聡真も嬉しかった差し入れについて問われると、前野朋哉が持ってきてくれた地元のお菓子「むらすゞめ」が「めちゃくちゃ美味しかった」と絶賛しました。前野朋哉は、美観地区で有名なプリンを買いに行ったところ、既に100個が実行委員によって購入されていたため、急遽大好きだという地元の銘菓「むらすゞめ」を買い集めて差し入れしたという面白いエピソードを披露し、会場を沸かせました。

▼故郷・倉敷で感じた「繋がり」と俳優としての新たな挑戦
美術館の学芸員・古城緑郎を演じた高橋大輔は、高校生と大人を繋ぐ役割を担った役柄を通して、自身の人生における繋がりを語りました。彼は故郷である倉敷でスケートを始め、それが映画出演へと繋がったことに深い思いを馳せ、「この映画に出会ったことでこれからもどんどんどんどん新しいものに繋がっていくんだなと感じました」と述べました。故郷での撮影では、地元の方々から「おかえり」や「映画頑張ってね」といった温かい声かけを多くもらい、「自分の子供のように声かけをしてくださる方がたくさんいらっしゃって嬉しい気持ちになりました」と語りました。
喫茶店のマスター・中桐仙太役の前野朋哉も、故郷を舞台にした本作での意外な繋がりを明かしました。彼が演じたマスターのジャズ喫茶「アヴェニュウ(AVENUE)」は、自身が高校生の頃に先生に紹介された店であり、その場所でロケができたことに「繋がった」と驚きと喜びを表現しました。また、高橋大輔とは同級生でありながら「遠い存在だった」と述べ、この映画をきっかけに「2人で飲めたりもしたので、嬉しいです」と新たな交流が生まれたことを喜びました。


▼役柄と自身の「成長」を語る若手俳優陣、そして未来への抱負
自身の「成長」について問われた山時聡真は、宣伝活動や舞台挨拶を経験する中で、「人との出会いを大切にしようという気持ちを改めて思い出したのが成長だった」と語りました。この経験を通して、一日一日を大切にしたいと思うようになったと明かしました。
中島瑠菜は、長編映画で役として挑戦することが初めてだったと述べ、自身の役が他者の影響で成長していく姿を演じる中で、「誰かを助けようと思う頭ができた」と感じたと言います。これを通して人間として成長できるきっかけをもらえたとし、「まだまだこれから成長していきます」と今後の抱負を述べました。

監督は、山時聡真が普段は舞台挨拶前に周到な準備をするが、今日は準備をしておらず「心の声を聞いているようで楽しかった」と、2人の演技と今日の舞台挨拶への称賛と共に裏話も披露しました。
映画初出演となった高橋大輔は、初めての経験を通して「成長できてるんじゃないかな」と述べつつも、その評価は観客に委ねたいと謙虚な姿勢を見せました。今後の俳優業への意欲については、「出たいなはめちゃくちゃありますね」と前向きな姿勢を見せました。

前野朋哉は、年齢とともに成長への意欲よりも現状維持に努めていると冗談めかして語りつつも、本作で初めてドラムを叩く役を演じ、その練習が「めちゃくちゃストレス発散になって」新しい趣味を発見したと笑顔で報告しました。そして「ドラム叩けます」と、今後のバンド関連のオファーへの期待を表明し、高橋大輔とのボーカル・ドラムコンビ結成の構想も飛び出し、会場を沸かせました。これを受けて平松監督は、「前野さんがドラム叩いて高橋さんがその脇で歌を歌うPVを私に撮らせてください」と、その繋がりをさらに深める提案で会場を沸かせました。

▼観客へのメッセージと映画が繋ぐ未来への希望
最後に、登壇者一人ひとりから観客へのメッセージが贈られました。
山時聡真は、この作品が世代を超えて多くの人に勇気と希望、温かさを届けられると強調し、「この作品が本当にヒットするように皆様の協力をお願いしたいので、SNSなどで感想を書いていただければ嬉しいです。皆さんで繋いでください」と呼びかけました。

中島瑠菜も同様に、映画を見て温かい気持ちや前向きな気持ちになったのなら、その感想をSNSで共有し、次の観客へと「繋いで」ほしいと語りました。

高橋大輔は、映画を通して「思いであったりとか本当に大事なものって何かっていうのを僕もすごく感じて」と述べ、観客にも「素敵なものをたくさん見つけていっていただきたいな」とメッセージを送りました。

前野朋哉は、倉敷出身者にとって「宝物みたいな映画ができた」と表現し、「今後、倉敷ってどんな街?と聞かれた時に『蔵のある街』見てくださいって言えるような作品になっていると思います」と、故郷への深い愛と作品への自信を覗かせました。
平松監督は、自身の故郷である倉敷で撮られた映画であることに触れつつ、観客にも「自分にとって大切な町のことを思いながらこの映画のことを大事にしてもらえたら」と語りました。そして、町並みが永遠ではないからこそ、今の素敵な姿を大切にしてほしいと願いを込めました。また、主題歌を担当した手嶌葵の「風につつまれて」や、紅子のその後のストーリーがYouTubeで見られることに触れ、「今日の喜びが2倍3倍になる」と告知し、舞台挨拶を締めくくりました。






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映画『蔵のある街』
山時聡真 中島瑠菜
堀家一希 櫻井健人 田中壮太郎 陽月華 長尾卓磨 前野朋哉 ミズモトカナコ
高橋大輔 MEGUMI 林家正蔵 橋爪功
監督・脚本:平松恵美子 音楽:村松崇継
主題歌:手嶌葵「風につつまれて」(ビクターエンタテインメント)
プロデューサー:平松恵美子 撮影:森口大督 照明:宮西孝明 美術:倉田智子 録音:西山徹 編集:小堀由起子
装飾:極並浩史 衣裳:小堀あさみ ヘアメイク:反町雄一 音楽編集:本谷侑紀 音響効果:勝亦さくら VFXプロデューサー:浅野秀二
助監督:相良健一 協力プロデューサー:深澤宏 音楽プロデューサー:高石真美
プロダクションマネージャー:小松次郎 ラインプロデューサー:前場恭平
企画・製作:つなぐ映画「蔵のある街」実行委員会 制作プロダクション:松竹撮影所 企画協力:倉敷市 配給・宣伝:マジックアワー
2025年/日本/カラー/シネマスコープ/5.1ch/DCP/103分
©︎ 2025 つなぐ映画「蔵のある街」実行委員会
8月22日(金)新宿ピカデリーほか全国公開

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