9月6日(土)、新宿K’s cinemaにて、映画『2人のギブス』の大ヒット御礼追加舞台挨拶が開催され、多くの観客が詰めかけた。池浦愛花役の古見陽香里さん、伊坂詩織役の古林南さん、中谷昌樹役の田村明石さん、日高虎太郎監督が登壇。小川信一朗プロデューサーの進行からはじまった舞台挨拶で、登壇した面々が、撮影秘話や作品への熱い思いを語った。

■ 映画『2人のギブス』大ヒット御礼舞台挨拶
プロデューサーの小川信一朗氏は、会場に集まった観客に、本作の完成までにはクラウドファンディングで協力した方々の力が不可欠だったと語り、この場を借りて感謝を伝えた。
登壇者の一人である古見陽香里さんは、本作の愛花役として初めて舞台挨拶に登壇するにあたり、大変緊張している様子を見せつつも、古林南さんと共に舞台に立てた喜びを表現した。古林南さんも、短い時間ではあるが古見さんと共に登壇できたことを非常に嬉しく思っていると述べた。田村明石さんは、中田役として観客への感謝を伝え、日高虎太郎監督は、古見さんと揃って初めての登壇ができて嬉しいと語った。
映画館で初めて作品を鑑賞したという古見さんは、「後ろの方からたくさんの見てくださっている方の頭がチラチラと見えるのがすごく嬉しかった」と述べ、親しい人たちが大きなスクリーンに映し出されているのが「面白かった」と率直な感想を漏らした。一方、古林さんは、このような舞台挨拶の機会があることが「すごく嬉しいし、楽しみに今日を待っていました」と語り、久々に古見さんと舞台に立てた喜びを語った。
撮影当時のエピソードとして、古林さんと田村さんは2年前の夏の公園での撮影が「一番暑すぎてしんどかった」と振り返った。セミが非常に多かったため、水鉄砲でセミを打ち落とす役割のスタッフがいたというユニークなエピソードも披露された。また、バスケットボールのシーンでは、小学校と中学校のバスケ部員たちとコートを共有する形となり、一時的にコートを「占領」してしまったことを申し訳なさそうに語った。
古見さんと古林さんの間では、暑さに対する反応の違いが話題となった。古見さんが基本的に暑さに強いのに対し、古林さんはすぐに日焼けし、常に飲み物を求めるタイプだったという。古林さんは、最後のダンスシーンで裸足で芝生の上を踊るのが辛かったと語り、古見さんが南さんに虫が寄らないようケアしてくれたという心温まるエピソードも明かされた。古見さんは、古林さんのようなタイプの俳優にはあまり出会ったことがないと語り、再び共演したいという希望を述べた。
日高監督は、オーディションでの古見さんの印象的な応募理由について語った。多くの応募者が長い志望理由を送る中で、古見さんのメールには「私の心の中で爆発が起きました。」とだけ書かれており、そのユニークさに「見る前からすごく期待期待してオーディションした」と明かした。古見さんは、この表現について、愛花役と自身のプライベートな部分が重なる部分が多く、また喋るのが苦手なため、思ったことを端的に書いた結果だと説明した。監督は、古見さんと古林さんのファーストコンタクトも演出したと語り、教室で先に待つ古見さんのところに古林さんが後から入る形をとり、その時の二人の表情が今でも鮮明に記憶に残っていると明かした。
最後に、登壇者たちは改めて観客への感謝を述べた。古林さんは、キャストやスタッフだけでなく、クラウドファンディングなどで作品を支えてくれた人々のおかげで劇場公開が実現したと語り、今後も様々な形で作品が上映されることを願った。小川プロデューサーは、本舞台挨拶が和やかな雰囲気で「とても楽しかった」と述べ、上映が9月12日まで続くこと、来週も豪華ゲストが登壇する予定であることを告知した。また、劇場物販では古見さんと古林さんのサイン入りポスターが販売されており、運が良ければ猫のイラストも描かれていると付け加え、会場の笑いを誘った。
映画『2人のギブス』は、互いに怪我を負った愛花と詩織が、バスケットボール部員としての地位や実力が無効になる状況から物語が始まる青春ドラマである。この日の舞台挨拶は、作品の裏側に込められた情熱と、キャスト・スタッフの温かい絆が垣間見える貴重な機会となった。