- 2025年9月11日
映画『愛のごとく』2026年1月23日(金)公開決定。主演・古屋呂敏&共演・宮森玲実の ティーザービジュアル 2種が解禁。
映画『愛のごとく』が2026年1月23日(金)池袋・新文芸坐……
2025年9月5日(金)、「アップリンク吉祥寺」にて、映画『憧れdoll』の上映後トークイベントが開催され、監督・主演を務めたみやびをはじめ、青木尚美役の秋田ようこ、高校時代尚美役の穂紫朋子、嶋田さえ役の南山莉來、新谷肇役の岡慶悟の5名が登壇した。みやびがMCを務め、平日の夜にもかかわらず会場はほぼ満席となり、観客は熱心にトークに耳を傾けた。本作は、1月の初上映から約8ヶ月を経ての凱旋上映であり、再びこのスクリーンで観客に作品を届けられたことに、みやび監督は深い喜びを語った。

※凱旋上映初日に撮影した写真を追加で掲載いたしました。

トークはまず、みやびさんから各キャストへの役柄についての質問から始まった。物語の中で「一番怖い」とも称される青木尚美役について、秋田ようこさんは、自身では「怖い」と思って演じていたわけではないと述べた。

彼女は、監督から提供された脚本やキャラクターメモ、そして尚美の生きてきた環境に関する背景資料を元に役を構築。「皮膚むしり症」や、高校時代の事件をきっかけに発症した「境界性パーソナリティ障害」といった詳細な設定が、尚美の人格を表現する上で重要であったと明かした。みやび監督は、尚美を「悪い人」として描きたくなかったと強調。純粋な思いがこじれてしまった結果として尚美が存在するという意図を秋田さんに伝え、秋田さんがその役を「精神誠意生きていただけた」と感謝を述べた。
高校時代の尚美を演じた穂紫朋子さんは、本作が上京後初めての映画出演であったことに触れ、自身の演技が大人になった尚美役の秋田さんの演技と繋がるか不安だったと語った。しかし、完成した映像を見て「ちゃんと繋がっている」と感じ、とても嬉しかったという。また、穂紫さんは、自身が苦しいシーンを演じた後、秋田さんがそっと背中をさすってくれたことが大きな支えになったという感動的なエピソードを披露したが、秋田さんはその時のことを覚えておらず、会場からは笑いも起きた。

みやび監督は、子供時代と大人時代の役柄に一貫性を持たせるため、尚美の生い立ちや経験に関する細かな設定をお二人と共有した結果、ぴたりと役がはまったと語った。穂紫さんの演技は、秋田さんがその後の尚美を演じる上で大きな力になったと、秋田さんも改めて感謝を伝えた。
嶋田さえ役の南山莉來さんは、純粋にあかねが好きという気持ちが歪んでしまった女の子としてさえを演じたと語り、撮影中の2日間は「しんどい」と感じるほどだったと振り返った。みやび監督は、脚本段階で「睨む」と指示していたシーンについて、南山さんがその感情になれるか不安を表明した際、「確かにその状況でさえちゃんの気持ちだったらああなるよな」と納得させられた経験を語り、南山さんが役の「正解」を見せてくれたと絶賛した。

さらにみやび監督は、さえというキャラクターが、大学時代に自身が最も仲の良かった友人をモデルにしており、友人が摂食障害になった際に、寄り添いたかったが距離を取ってしまったという自身の「後ろめたい」経験が反映されていることを明かした。
新谷肇役の岡慶悟さんは、一見すると苦労とは無縁に見える新谷にも、一度家族を作ることに失敗した経験があることを明かし、作中ではその経験が前面に出ていないかもしれないと語った。しかし、結果として「大人なので自分なりの生き方を見つけている」ような、独特の「緩さ」や「余裕感」が出せていれば良いと述べた。みやび監督は、岡さんには特に演技メモを渡さず、そのままでいてほしいと伝えたが、淳平のプロポーズの話を聞くシーンでの、“良い上司”と“KY(空気を読めない人)”の間を行き来するような演技を高く評価した。

みやび監督にとって本作は「初監督作品」であり、コロナ禍に発起し、構想から完成まで約4年を要した。初監督作品でありながら、これほど素晴らしいキャストが集まってくれたことは自身の「ラッキーさ」だと語り、観客から「キャラクターが立っていて面白かった」という評価を受けていることに感謝の意を表した。また、本作は監督自身を含め、撮影監督、助監督、録音部、そして時折の制作部の女の子という、わずか3〜4人の「自主映画の中でもかなりミニマムな体制」で制作されたことも明かされた。このような小規模な現場にもかかわらず、キャストたちは不安を感じるどころか、安心して撮影に臨んでくれたという。特に穂紫朋子さんと南山莉來さんは、本作後には清水崇監督の商業映画『ミンナのウタ』や『あのコはだぁれ?』にも出演しており、みやび監督は「すごく申し訳なくなった」と冗談めかして語った。
上映交渉も監督一人で行うなど、多くの苦難を乗り越えて実現した今回の凱旋上映は、ほぼ満席の観客で迎えられ、みやび監督は「とても嬉しく思います」と感謝を述べた。1週間限定上映であるため、好評であれば延長の可能性もあるとして、観客に対し、映画感想アプリ「Filmarks」でのレビューや、SNSでのハッシュタグ「#憧れdoll」を用いた感想の投稿を呼びかけた。会場では、パンフレットや写真集、台本などのグッズも販売され、購入者向けのサイン会も実施された。最後に、みやび監督は「皆様本当にありがとうございました。お気をつけてお帰りください」と、深々と頭を下げ、盛況のうちにイベントは幕を閉じた。


映画『憧れdoll』

Cast
みやび 秋田ようこ
大門嵩 渡部瑞貴 浅森夕紀子 穂紫朋子
髙田百葉 岡慶悟 ホビー 高木公佑 斎藤陸
増田結芽 南山莉來 高木美嘉 大山真絵子 太田真也
アベラヒデノブ 佐々木しほ 児島陽子 佐藤大地 ほか

Staff
助監督 緒方一智
撮影監督 角洋介
録音 渡邉玲/木原広滋
制作 山田岬
カラーグレーディング 角洋介
VFX ひらさわとも
スチール 藤咲千明/臼田亜佑美
ポスタービジュアル撮影 澤田もえ子
ラインプロデューサー 中根大輔
主題歌 「Figaro」fumi
監督・脚本・編集 みやび
公式サイト https://akogaredoll.my.canva.site/doll
公式SNS(X) https://x.com/doll33189947
2025年 9/5(金)〜 アップリンク吉祥寺にて凱旋上映