2026年1月23日の公開を控えた映画『安楽死特区』の完成披露舞台挨拶が1月5日、都内のユーロライブで開催された。医師・長尾和宏の原作を巨匠・高橋伴明監督が映画化した本作は、近未来の日本で導入された「安楽死制度」を巡り、人間の尊厳や愛を問う社会派ドラマだ。舞台挨拶には主演の毎熊克哉、大西礼芳のほか、奥田瑛二、長尾和宏、プロデューサーの高橋惠子が登壇。監督の闘病も明かされる中、キャスト陣が作品に込めた熱い想いと覚悟を語った。

■ 映画『安楽死特区』
【イントロダクション】
舞台は今から数年後の日本。欧米に倣って安楽死法案が可決した。それでも反対の声が多いため、国は実験的に「安楽死特区」を設置することに。
主人公のカップルは、回復の見込みがない難病を患い、余命半年と宣告されたラッパー・酒匂章太郎と、彼のパートナーでジャーナリストの藤岡歩。安楽死法に反対のふたりは、特区の実態を内部から告発することを目的に、国家戦略特区「安楽死特区」への入居を決意する。そこでふたりが見たものは、安楽死を決意した人間たちの愛と苦悩。医師たちとの対話を通じ、ふたりの心に微細な変化が訪れるが……。
監督は、『痛くない死に方』(2020)、『夜明けまでバス停で』(2022)、『「桐島です」』(2025)などの高橋伴明。脚本は、『野獣死すべし』(1980)、『一度も撃ってません』(2020)などの丸山昇一。名匠の初タッグが本作でようやく叶った。
▼完成披露舞台挨拶
舞台挨拶の冒頭、本作のプロデューサーであり高橋伴明監督の妻である高橋惠子が挨拶に立った。高橋惠子は、本来登壇予定だった高橋伴明監督が軽い脳梗塞のため入院中であり、回復に向けて努力していることを報告した。撮影については「命を削って撮影に臨んでいたような気もします」と振り返り、本作を通じて安楽死の賛否を超えた人間の生き様を感じてほしいと語った。

原作者であり製作総指揮を務めた医師の長尾和宏は、在宅医として2500人以上の看取りを行ってきた経験を持つ。長尾は、国民の8割が安楽死に賛成しているというアンケート結果がある一方で、日本国内での議論が進んでいない現状を指摘し、この映画が議論のきっかけになることを願って小説と映画化に至ったと説明した。

難病を患い余命宣告を受けたラッパー・酒匂章太郎を演じた主演の毎熊克哉は、高橋伴明監督の前作『「桐島です」』にも出演している。毎熊は今作での監督の印象について、人の生死を扱うテーマゆえに、前作以上に慎重に選択肢を探りながら演出していたと語った。役作りにおいては、実際に難病を抱える人々やスイスへ渡った人々の話を聞くことで、ネットのリサーチだけでは得られない「核になるもの」の重みを感じながら演じたという。

章太郎のパートナーでジャーナリストの藤岡歩を演じたW主演の大西礼芳は、役柄同様に撮影中は心情が揺れ動き、混乱しながら現場にいたと振り返った。脚本家・丸山昇一によるセリフの魅力について、深刻なテーマでありながら登場人物たちが軽やかでリズミカルに言葉を語っている点が、まさに高橋伴明監督の映画らしいと評した。

撮影終了後、大西と毎熊は二人で帰る道すがら、互いに「僕たちの代表作になるね」「必死に闘って生きたよね」と語り合い、2024年(撮影当時)にこの難役をやり遂げた達成感を分かち合ったというエピソードも披露された。
また、「安楽死特区」の特命医・鳥居幸平を演じた奥田瑛二は、安楽死という危険なテーマに対し、医師として命を預かる一人の人間としての「コアなもの」を信じて演じたと、その覚悟を口にした。
最後に、大西は「レジェンドみたいな人たちに足場を組んでいただき、支えていただきながら、なんとか演じることができました」と感謝を述べ、2026年の記憶に残る映画になってほしいと語った。毎熊は「観終わった後にそんなに重たい気持ちで劇場を出ないのではないかなと思います。2026年を自分もしっかり生きていこうというような映画になっているので、楽しんでください」と観客へメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。
映画『安楽死特区』

【あらすじ】
回復の見込みがない難病を患うラッパー・酒匂章太郎(毎熊克哉)は、進行する病に苦しみながらも、ヒップホップに救いを見出し、言葉を紡ぎ続けていた。共に暮らすのは、チベットで出会ったジャーナリスト・藤岡歩(大西礼芳)。二人は、章太郎が余命半年を宣告された今も、安楽死に反対で、特区の実態を内部から告発することを目的に、「ヒトリシズカ」に入居する。
施設には、末期がんに苦しむ池田(平田満)とその妻の玉美(筒井真理子)、認知症を抱え、完全に呆けないうちに死なせて欲しいと願う元漫才師の真矢(余貴美子)など、それぞれに事情を抱えた入居者たちが暮らしていた。
章太郎の身体は急速に衰え、言葉さえままならなくなり、章太郎は歩に相談もなく、「安楽死を望みます」と考えを一変。歩は、池田の主治医の鳥居(奥田瑛二)の他、章太郎の主治医の尾形(加藤雅也)、三浦(板谷由夏)ら特命医それぞれの想いにも触れ、命と死に真摯に向き合うことを迫られる。

毎熊克哉 大西礼芳
加藤雅也 筒井真理子 板谷由夏 下元史朗
鳥居功太郎 山﨑翠佳 海空 影山祐子 外波山文明 長尾和宏 くらんけ
友近 gb 田島令子 鈴木砂羽
平田満 余貴美子 奥田瑛二
監督 高橋伴明
原作:長尾和宏 小説「安楽死特区」ブックマン社刊 脚本 丸山昇一
製作総指揮 長尾和宏 製作 小林良二 プロデューサー 小宮亜里 高橋惠子
音楽 林祐介 撮影監督 林淳一郎 撮影 西村博光 照明 豊見山明長 録音 臼井勝 美術 黒瀧きみえ
装飾 鈴村髙正 島村篤史 ヘアメイク 佐藤泰子 スタイリスト 野中美貴 衣裳 津田大 江口久美子 VFX 立石勝
スクリプター 阿保知香子 編集 佐藤崇 助監督 毛利安孝 野本史生 稲葉博文
音楽プロデューサー 和田亨 ラインプロデューサー 藤原恵美子
制作協力 ブロウアップ 配給 渋谷プロダクション
主題歌 「Oh JOE GIWA」作詞:丸山昇一、gb 作曲編曲 林祐介
製作 「安楽死特区」製作委員会(北の丸プロダクション、渋谷プロダクション)
配給 渋谷プロダクション
2025年/日本/カラー/シネマスコープ/5.1ch/日本語/129min
©「安楽死特区」製作委員会
公式サイト:anrakushitokku.com
X: http://x.com/anrakushimovie
Facebook: https://www.facebook.com/anrakushimovie
2026年1月23日(金)より新宿ピカデリーほかにて公開

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