3月6日(金)より全国順次公開を迎えた映画『藍反射』。その公開と3月8日の「国際女性デー」を記念して、ヒューマントラストシネマ渋谷にてトークイベントが開催されました。ゲストとしてお笑い芸人のバービーさんが登壇し、本作のメガホンをとった野本梢監督、そして主人公・深山はるか役の道田里羽さんとともに、映画の魅力や女性の心と体についての深いトークを繰り広げました。

■トークイベントレポート
映像化の凄さとリアルな演技に大拍手
タイトルにちなみ、「反射」を利用した光る衣装で登場したバービーさん。映画を見終えたばかりの観客の前で、まずは「監督に大拍手を送りたい」と絶賛し、「言葉にしきれないものが映像に落とし込まれたことによって、ひしひしと伝わってきた」と映画の持つ力を語りました。また、主演の道田里羽さんの演技についても「そこにいるただの立ち姿が、誰にでもこういう友達がいるような感覚。マブダチ感がめちゃめちゃリアルで一瞬で入り込めました」と称賛しました。

タイトル『藍反射』に込められた意味とは?
バービーさんからの「なぜこのタイトルにしたのか?」という質問に対し、野本監督は制作の裏話を披露しました。当初は『わたしかもしれない』というストレートなタイトルでしたが、メッセージの答えすぎになると考え変更。主人公のはるかが他者にかけていた心配が自分に「跳ね返って」きて自身を見つめ直すきっかけになったことや、作中で交わされる「視線」のやり取りを表現するため、「反射」という言葉を取り入れたと明かしました。
自身の体験と重なる「言葉にできない痛み」
映画の感想として、バービーさんはご自身の過去の体験を振り返りました。「30歳頃に産婦人科で初めて妊娠の可能性について言及された際、ショックで帰り道に体が鉛のようになる感覚があった」と告白。「同じ経験をした女性になら伝えられるかもしれないが、映画になったことによって、経験したことがない人にもその心の痛みを伝えにいけるのがすごい」と語りました。 また、過去にテレビの医療番組で『隣にいる板東英二さんより男性ホルモン値が高いです』と言われた際は番組内でそれ以上の言及がなかったことから、1人で悶々として自分で調べるしかなかった経験にも触れ、突然の診断に戸惑う主人公へ深い共感を示した。
作品が生まれたきっかけ
バービーさんから、25歳のはるかだけでなく、滝澤エリカさん演じる中学生の優佳里の話も描いていったことを問われた野本監督は、まず本作を作るきっかけとなったのは、高校の同級生であり本作の企画・プロデュースを務める気象予報士の千種ゆり子さんの体験だったと語り、千種さんが自身の体の状態(早発閉経の可能性など)を知るのが遅れて後悔した経験から、「早いうちから自分の体と向き合ったり婦人科にかかったりすることの必要性」を伝えるために映画化を決意したことが理由の一つだと答えた。また、本作のエグゼクティブプロデューサーで自身も4人の子を育て、学習塾も経営する稲村久美子さんの若年層への思いの反映でもあることを加えて述べた。
パートナーとのPMS共有エピソード
話題はPMS(月経前症候群)やパートナーとのコミュニケーションにも及びました。バービーさんは、現在の夫と同棲を始めた頃、毎月同じリズムで喧嘩をしていることに夫が気づき、「生理共有アプリ」を導入したエピソードを披露しました。PMS期に入ると夫にだけ『花菜さん(バービーさんの本名)がそろそろイライラし始めます』と通知が届き、何も言わずにハーブティーを淹れてくれるというルーティンができあがったそうです。「これがあったから、その後の妊活にもスムーズに移行できた」と、パートナーと知識や状況を共有することの大切さを語った。
主演・道田里羽さんもサプライズ登壇!
イベントの終盤には、主人公・はるか役の道田里羽さんもステージに登場しました。実は道田さんは以前からバービーさんの動画配信を観たり、プロデュース商品のイベントにも参加したりするほどのファンであったため、お互いに「初めて会った気がしない」と意気投合した。道田さんからパートナーと初めて会ったときのエピソードを促されたバービーさんは、「夫と初めて会った日が産婦人科の帰りだった」と明かし、そのときから自身の身体についてパートナーと話していたことを振り返った。
最後にバービーさんは「見終わった皆さんと気持ちは一つだと思います」と観客にメッセージを送り、イベントは盛況のうちに幕を閉じた。

映画『藍反射』は、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次公開中です。女性の心と体にそっと寄り添い、生きることを肯定してくれる本作を、ぜひ劇場でご覧ください。
撮影協力:グレイス杉山クリニックSHIBUYA
▼劇場公開情報
2026年3月6日(金)~12日(木)/ヒューマントラストシネマ渋谷にて公開中
2026年3月13日(金)~26日(木)/キネカ大森
2026年4月3日(金)~9日(木)/テアトル梅田
2026年4月11日(土)~17日(金)/シネマディクト(青森)
2026年4月11日(土)~24日(金)/鶴岡まちなかキネマ
シネマスコーレ(名古屋)、元町映画館(神戸)も上映が決定、他全国順次公開。
映画『藍反射』
(らんはんしゃ)(2025/日本/103分)
■ストーリー
突然の診断に、当たり前だったはずの未来が揺らぎ、
自分でもよくわからないまま、友人や恋人との間に少しずつ溝ができていく。
昔から持ち前の行動力で友人や家族のために奔走してきた深山はるか(道田里羽)(25)は、仕事やボランティアに勤しみ忙しく過ごしながら、なんとなく周りに合わせて彼との結婚を夢見ていた。ある日、大学の同窓会で、大切な友人から早発閉経の治療中であることを告げられ、はるかはひどくショックを受ける。しかし、そんな折に、はるかは大量の出血に見舞われる。精密に検査をしてもらうと、自身が多嚢胞性卵巣症候群という疾患であることが判明する。突然の診断に戸惑い、彼に相談するものの、受精卵の凍結の話は唐突だと一蹴される。そうしてはるかは未婚のままひとり静かに疾患と向き合っていくことに。嫉妬や不安や罪悪感に苛まれる中、薬局で万引きを疑われていた15歳の優佳⾥(滝澤エリカ)がはるかの元を訪れることで、はるかの中に変化が起きていく。
道田里羽
滝澤エリカ / 井上拓哉 平川はる香 中山来未 定本楓馬 野上天翔 幹てつや(かりすま〜ず)
大木空(アバンティーズ) 美桜子 しゅんしゅんクリニックP 岡本宗史 元木大介 大高洋夫 / 熊谷真実
監督・脚本・編集 野本梢
企画・プロデュース 千種ゆり子 エグゼクティブプロデューサー 稲村久美子
撮影 知多良 照明 斉藤徹 録音 横田彰文 衣裳 大賀のぞみ ヘアメイク 鎌田優子 鈴木ゆうすけ
©︎2025 RANHANSHA
全国での公開が順次決定!