瀧七海

【瀧七海インタビュー】20歳を迎えて挑む舞台『るつぼ』。新境地へ向かう彼女の等身大の素顔と役への覚悟

小学6年生の時にスカウトされ、自分らしさを武器にしたオーディションを経てデビューを果たした俳優・瀧七海さん。数々の話題作に出演し20歳を迎えた今、自身2度目の舞台『るつぼ The Crucible』で、物語を大きく動かす重要な難役、アビゲイル・ウィリアムズに挑戦します。 本記事では、日々の葛藤を綴る「10年メモ」や独特な視点のカメラライフ、部活未経験から県大会へ出場した驚きのスポーツ歴など、彼女の等身大の素顔に迫ります。さらに、サイコスリラー映画を参考にするという特異な役作りの裏側や、舞台への熱い思いまでたっぷりとお話を伺いました。

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■ 瀧七海インタビュー

▼名前の由来は「7つの海、世界に羽ばたく人に」

ーー1st Generationでは初取材となります。当サイト恒例の質問になるのですが、まずは瀧七海(たき ななみ)さんのお名前の由来から教えていただけますか?

瀧七海(以下、瀧): 地球上の「7つの海」(北太平洋、南太平洋、北大西洋、南大西洋、インド洋、北極海、南極海)のように、世界に羽ばたく、世界で活躍できるような人になってほしいという意味を込めて両親がつけてくれました。実は、私の本名の「海」は旧字体の「海」なんです。苗字の「瀧」と合わせて画数を合わせてくれていて、そこにも両親のこだわりを感じます。 水にまつわる漢字が多くて、なんだか水の力を借りているような気もしています。名前の由来の通り、世界に羽ばたいていけるような役者になっていきたいです。

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▼20代の葛藤を記録する「10年メモ」と、独特な視点のカメラライフ

ーーInstagramで拝見したのですが、成人式を迎えられた後から「10年メモ」を使い始められたそうですね。

瀧: はい。いよいよ20歳を迎えて、この職業にとっても重要な20代の期間をどう過ごすのかをすごく考えていたんです。先を見据えると不安で落ち込んでしまうこともあったのですが、そんな時に、月日の葛藤を記録できるこの「10年メモ」という日記と出会いました。これからの私を共に支えてくれるような気がして、手に取りました。 日々生きている中で、人は1日に何通りもの選択肢を得て生きていますよね。役作りでも「何を基本として選択するか」を分析して構築していくのですが、私自身の人生においても「何を選択して過ごすのか」という葛藤が常にあります。そういったものを記録していきたいです。

ーーマネージャーさんからプレゼントされたフィルムカメラのお話もありました。写真は撮るのと撮られるの、どちらがお好きですか?

瀧: どちらも好きですね。写真って、その人が切り取って見ている世界を共有できる素敵なツールだと思っています。 最近は、「食べかけ」のものや「何かが進んでいる途中」を撮ることが多いんです。食べる前に撮る方は多いと思うんですけど、自分が消費するものを途中で撮ることってあまりないなと思って。 ただ、いただいたフィルムカメラはまだ上手く使えていなくて……。自動巻き戻しなんですけど、私が知識がなくて途中で開けてしまったりして、カメラ好きの方が見たら「これはダメなんじゃないか」っていうくらい赤飛びしていました(笑)。でも、これからも続けていきたいです。

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▼部活未経験から県大会へ!? 意外なスポーツ歴と茶道の経験

ーー特技に「ハードル走」や「インラインスケート」、趣味に「バスケットボール」とありますが、昔からスポーツはお得意だったのですか?

瀧: 実は私、部活動も習い事も一切やったことがないんです。 100mハードル走については、中学の時に学校が小規模で陸上部はなかったのですが、校内の自主朝練に参加させてもらっていたんです。その中で選手として選ばれて、そのまま市内大会で優勝して、県大会まで出場してしまったんです! これが唯一、私が胸を張って言える成果です(笑)。

ーーすごいですね! また、幼少期には茶道教室にも通われていたそうですね。

瀧: 通っていた幼稚園がすごくグローバルで、英語の活動のほかに茶道教室の先生がいらっしゃって、そこで茶道に触れさせていただきました。 その時の経験のおかげで、所作や手先の動かし方、力の逃がし方などをすごく意識するようになりました。何か一つ動くにしても「上品かどうか」など、見る視点が広がって、今の表現の振り幅に繋がっている気がします。

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▼小学6年生でのスカウト。等身大で挑んだオーディション

ーー芸能活動を始められたのは小学6年生の時ですよね。どのようなきっかけだったのでしょうか?

瀧: 福岡の天神にあるパルコの下のパン屋さんの前で、弟と遊んでいた時にスカウトの方に声をかけられたのがきっかけです。「怒られる!」と思ったら、実はアミューズの全員面接オーディションのお声がけで(笑)。受けてみたら準グランプリをいただけました。もともとお洋服が好きでモデルさんに憧れはありましたが、当時は役者という職業があることすら知らなかったんです。

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ーーオーディションの演技審査では、周りが大人びたセリフを用意する中、「等身大のセリフ」で勝負されたそうですね。

瀧: はい。周りの年上の女の子たちが難しい言葉ですごく素敵なことを言っていて、「ああ、もう落ちちゃったな」と思ったのを覚えています。その時、「これは『自分ならどうするか』を求められている自己PRだ」と思って、そのままやっちゃえ! と勢いで立ち向かいました。結果的に、等身大の私にフォーカスを当ててくださったのかなと思います。学校の課題でも、誰かの引用ではなく自分で考えるタイプだったので、あえてそう選択したことが今に繋がっていて感謝しています。

▼サイコスリラー映画が役作りの糧に

ーーお芝居の参考として、サイコスリラー映画をよくご覧になると伺いました。どのような部分を参考にされているのでしょうか?

瀧: 人がどう考えているのか、誰かが物事をどう捉えるのかにすごく興味があるんです。 非現実的な日常をどれだけ現実世界に持ち込めるか。心情やバックボーンによって受け取り方がどう変化するのかなど、役が何を選択するかの引き出しを増やすきっかけになっています。ただ、ある時自分の日常として感情を落とし込んだ時にすごく辛くなってしまったこともあって……。でも、そういった感情にたどり着けたのは、これまで作品の中で出会ってきた共演者の方々から得たもののおかげだと思っています。

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▼舞台『るつぼ』への覚悟。映像と舞台の表現の違い

ーーいよいよ舞台『るつぼ The Crucible』が開幕します。昨年の喜劇『エドモン』とは雰囲気の異なる難役(アビゲイル役)ですが、取り組み方に違いはありますか?

瀧: アビゲイルは魔女裁判の最初の告発者で、悪女だと思われるかもしれませんが、彼女の背景や時代性、環境を辿っていくと、より濃く見えてくるものがあります。 映像の場合は「瞬き」や「空間・呼吸」をすごく気にするのですが、舞台の場合は「メインの芝居から外れている時にどう生きていくのか」を体全体で表現するという違いを意識して、今稽古に励んでいます。

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ーー「自分自身と本当の意味で向き合える気がしている」とInstagramにも綴られていました。

瀧: 最初に脚本を読んだ時は、命を大切にするヘイル牧師の視点で見ていました。でも、演出の上村さんのもとで稽古を重ねるにつれ、私たちの日常と隣り合わせの身近な物語に見えてきて。今は、ジョン・プロクター(坂本昌行)がかっこいいなと思っているんです。あの時代、神様や信仰という根強いものを裏切ってでも、自分の信じるものを守り抜き、声に出して伝える決断をする姿がかっこいいなと。 脚本を読んだつもりでも、身体で表現するとまた違った印象を受けます。本番を迎えて、お客さまと一緒に作品を作っていく中でまた新しい感想が生まれるのがとても楽しみです。

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▼目で全てを語る俳優へ。そして新たな挑戦

ーー最後に、20代という新たなステージを迎えられましたが、今後挑戦してみたい役柄や目標を教えてください。

瀧: 目を見れば全てが分かるような俳優さんにすごく心惹かれるので、私も表現を通じてそんな理想の俳優像を構築していきたいです。 また、幼い頃から医療系の職業に憧れていたので、専門用語を使うようなかっこいい役職、例えば医療系や刑事役などにも挑戦できたらなと思っています!

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ーー言霊ってあると思うので、ここでお話しされたことが、どなたかに届いて、夢が叶うといいですね。では、応援してくださるファンの皆様へメッセージをお願いします。

瀧: もっともっと私自身のことや、いろんな役と出会って発信していきたいです。いつも見守って応援してくださるファンの皆様にはとても感謝しています。今後のご報告にもぜひ注目していただけたら嬉しいです。

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クレジット
ヘアメイク:小園ゆかり/ YUKARI KOZONO
スタイリスト:Yuki Yajima
衣装:
ジャケット、シースルーパーカー BOCBOK
その他スタイリスト私物

瀧七海(たき・ななみ)プロフィール
2005年、福岡県生まれ。
アミューズ全県全員面接オーディション 2017~九州・沖縄編~」で準グランプリを獲得し、2021年にWOWOW連続ドラマ『前科者』でデビュー。主な出演作はドラマ『ブラッシュアップライフ』(23)、『コトコト~おいしい心と出会う旅~』(25)、映画『きさらぎ駅』(24)、『大きな玉ねぎの下で』(25)、『ナイトフラワー』(25)、舞台「エドモン〜『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男〜」(25)など。


【最新出演作品情報】

『るつぼ The Crucible』
作:アーサー・ミラー
翻訳:水谷八也
演出:上村聡史
出演:坂本昌行、前田亜季、松崎祐介、瀧七海、
伊達暁、佐川和正、夏子、大滝寛、那須佐代子、大鷹明良、
斉藤直樹、内田健介、浅野令子、米山千陽、長村航希、武田知久、星初音、安藤ゆり、山本毬愛
東京公演:2026年3月14日(土)~3月29日(日) 東京芸術劇場プレイハウス
兵庫公演:2026年4月3日(金)~4月5日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
豊橋公演:2026年4月11日(土)~4月12日(日) 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
公式HP:https://rutsubo2026.com/
公式Xアカウント:@rutsubo2026
製作:フジテレビジョン、サンライズプロモーション

この記事を書いた人 Wrote this article

Hajime Minamoto

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