四月の余白

𠮷田恵輔監督最新作『四月の余白』完成披露舞台挨拶、映画初主演の一ノ瀬ワタルら豪華キャストが集結し、撮影秘話と意外な素顔を告白

映画『四月の余白』の完成披露舞台挨拶が開催され、主演の一ノ瀬ワタルをはじめ、夏帆、上阪隼人、山﨑七海、𠮷田恵輔監督が登壇した。本作は、𠮷田監督が多感な時期に出会ったコミュニティをモデルに、他人の痛みが理解できない少年たちと彼らに向き合う大人たちの生々しい姿を描いた衝撃作である。舞台挨拶では、それぞれが役作りの苦労や撮影現場でのエピソードを明かしたほか、「変えたいけれど変えられないこと」というテーマで登壇者たちの意外な素顔が垣間見えるトークも展開され、会場は大きな盛り上がりを見せた。

■ 衝撃作への挑戦とキャスティングの裏側
映画初主演となる一ノ瀬ワタルは、本作を衝撃作と表現し、観客にどのように評価されるか楽しみでありながらも不安を抱いていると率直な思いを吐露した。𠮷田恵輔監督からのオファーを受けた際、一ノ瀬はかつて自身が空手道場に住み込みで教えていた頃に、本作に登場する少年のような子供が更生していく姿を見た経験と重ね合わせ、自身の疑問を解決してくれる作品だと感じたという。

一方、𠮷田監督は一ノ瀬の起用理由について、彼が持つ泣き顔の表現力や、温かい雰囲気と強面の役柄の両方を表現できる稀有な存在であることを挙げた。過去に監督のオーディションに二度落ちていたという一ノ瀬にとって、念願の出演となった。

手に負えない生徒に悩む教師役を演じた夏帆は、生徒と真っ直ぐに向き合うがゆえに折れそうになる現実的な姿を意識して演じたと振り返った。また、共演した一ノ瀬の現場での振る舞いを絶賛し、誰よりも動き回りスタッフ全員に声をかける姿勢が印象的だったと語った。

■ オーディションで抜擢された若手俳優たちの奮闘
オーディションで選ばれた若手キャストたちも、複雑な役柄への苦労を明かした。舞台挨拶が人生で初めてという上阪隼人は、人の痛みが分からない少年に変化してしまった環境を想像し、共感することの難しさを語った。監督からは金持ちではなくいいところがないと言われながらも、少しの少年らしさを残すよう意識したという。

また、一歩引いて状況を見つめる役を演じた山﨑七海は、セリフが少ない中で、目や表情、身体を使って感情を表現することを大切にしたと振り返った。二人の芝居に対し、一ノ瀬は終盤のシーンでの演技を高く評価し、一番心が辛かったと撮影時の感情を振り返った。𠮷田監督も、彼らが決まった時点で映画の成功を確信したと語り、キャスト陣に全幅の信頼を寄せている様子がうかがえた。

■ 登壇者の意外な一面が明かされた「変えたいこと」
イベント後半では、本作のテーマである「人は変わることができるのか」にちなみ、自身が変えたいと思っているのになかなか変えられないことが話題に上った。一ノ瀬は、街を歩いていた際に倒れているお年寄りを見かけ、一度は通り過ぎてしまったものの、自分の助けが必要かもしれないと思い直して戻ったエピソードを披露し、常に人助けをする覚悟を持とうと変わる決意をしたと真摯に語った。

夏帆はお酒を飲んだ後の締めのラーメンがやめられないとお茶目な悩みを告白した。

上阪は考え事をする時に顎を触ってしまいニキビができてしまう癖を挙げ、山﨑はアラームで起きられるがベッドから起き上がるまでに30分ほど天井を見つめてしまうという日常の一コマを明かした。

そして𠮷田監督自身は、お酒を飲むと喋りすぎてしまうことを挙げ、共演者たちの素顔を引き出す和やかなトークが繰り広げられた。

最後に一ノ瀬は、この作品のエンディングは人それぞれ捉え方が違うと思うので皆さんの意見を聞きたいと呼びかけ、𠮷田監督からの指名で上阪が、社会的な弱者を受け入れるかどうかは皆さん次第であり、この作品を見て知って考えてほしいと力強く締めくくり、舞台挨拶は盛況のうちに幕を閉じた。

四月の余白

この記事を書いた人 Wrote this article

Hajime Minamoto

TOP