映画『愛ちゃん物語♡』初日舞台挨拶。坂ノ上茜からの「お父さん♡」に思わず涙。

映画『愛ちゃん物語♡』初日舞台挨拶。坂ノ上茜からの「お父さん♡」に思わず涙。

7月29日(金)、渋谷・シネクイントにて、映画『愛ちゃん物語♡』の初日舞台挨拶が行われた。
登壇者は、主演の坂ノ上茜、黒住尚生、保土田寛、大野キャンディス真奈監督。
本作出演の経緯や撮影時の苦労、完成した作品を観たキャストの感想などが語られた。

愛ちゃん物語

■ 映画『愛ちゃん物語♡』

【INTRODUCTION】
「歴史から消えた小野小町」(2017)がカナザワ映画祭や東京学生映画祭で話題となった大野キャンディス真奈が、2 年の構想・製作期間を経て完成させた長編初監督作品。2021年のぴあフィルムフェスティバルでエンタテインメント賞(ホリプロ賞)と映画ファン賞(ぴあニスト賞)をW 受賞、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて審査員特別賞を受賞する等、各地の映画祭を席巻し遂に劇場公開!
ポップでラブリーな世界観のなか、新進気鋭のギャル監督が贈る新時代の人間賛歌ムービー!

【STORY】
愛ちゃん(16)は、仕事人間であり毒親の父、鉄男に過度に束縛され、自由を知らずに成長した。父とは一緒に食事もせず、メールだけの仲。友達もおらず、オシャレも知らない愛ちゃんは、ある日偶然、聖子さんと出会う。文化も生活も異なる2人は一緒に過ごすなかで、家族のようで友達のような関係になっていく。しかし、聖子さんにはある秘密があって…
普通って何?家族って?愛って?ひとりぼっちだった愛ちゃんが見つけた「♡」とは?

■映画『愛ちゃん物語♡』初日舞台挨拶

▼自己紹介、ひとこと挨拶

坂ノ上茜
はい。こんにちは清水愛ちゃん役をやらせていただきました坂ノ上茜です。
たくさん人がいますね。嬉しいです。本当にありがとうございます。初日に来ていただいて。これから観ていただくと思うんですけど、その前に撮影の裏話を話そうと思うので、ぜひ楽しんでいってください。よろしくお願いします。

愛ちゃん物語♡

黒住尚生
こんにちは。聖子役を演じました黒住尚生です。東京だけでもたくさんの上映作品がある中、この『愛ちゃん物語♡』を選んでくれてありがとうございます。
3年越しの作品なんで、記念すべき初日に来てくれて、盛り上げていきましょう。ありがとうございます。

愛ちゃん物語♡

保土田寛
清水鉄男役を演じさせていただきました。保土田寛と申します。
劇場公開映画で舞台するなんて初めてなので、本当に緊張してますし嬉しいです。
皆さん、本日はお越しいただきまして誠にありがとうございます。

愛ちゃん物語♡

大野キャンディス真奈監督
はい、大野キャンディス真奈ですよろしくお願いします。

愛ちゃん物語♡

▼出演の経緯

-まず本作への出演に至った経緯、出演を決めたきっかけを教えてください。

坂ノ上茜
はい。私はオーディションで決まったんですけど。
元々私のマネージャーさんが当時学生側に興味を持っていて、愛ちゃんを撮影する前の年の東京学生映画祭で、大野監督と出会い、そこから「個性的な人がいる」っていう話を聞きました。
私は当時23歳だったので、どうしても年上の方とお仕事する機会が多くて、同年代の方とお仕事して作品をああだ、こうだ言い合うとか、一緒に物を作るっていうことを経験してみたいなと思ってオーディションに参加して、選んでいただいた経緯です。

愛ちゃん物語♡

-黒住さんはどういった経緯だったんでしょう。

黒住尚生
そうですね2019年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭っていうのが夕張であったんです。
僕が出演してる映画そこで、流れてたんですけど、それをキャンディスが観てくれて、声がかかったのがきっかけですね。

-黒住さんも直接のオファーだったということですか?

黒住尚生
そうですね共有共通の友人がいて、それ伝いできました。

-保土田さんはどういった経緯だったんでしょうか?

保土田寛
はい、僕もオーディションで選んでいただきました。
最初募集要項に毒親募集ってことで、「ぁ、毒親って自分にぴったりだな」と思って、これしかないなというようなことをピンッと感じまして、それでその熱意を伝えて、見事この場に立ててました。

▼本作制作のきっかけ

-この『愛ちゃん物語♡』を作ろうと思ったきっかけや、込めた思いをお聞かせください。。

大野キャンディス真奈監督
元々、自分の家族関係でギクシャクしてしまった時があって、それで普通の家族の形態について考えたんです。「普通って何だろう?」っていうふうにそこから思うことがあって、それを海外に行った時に。家族の形態ってすごい広いな」と感じて、そこから主題をこれにしようみたいな感じで考えて作り始めました。
いっぱいオーディションとかして、茜ちゃんもすごい演技が「うまぁ!かわいい!」みたいな。「あぁ、いいよぉ~」みたいな感じでここまできました。

愛ちゃん物語♡

-初めての長編ということで、脚本作りは大変でしたか?

大野キャンディス真奈監督
脚本作りが一番簡単にできたかな。1ヶ月くらいで200ページくらい書けたので、撮影や映画の公開はみんなで協力しなきゃいけないけど、脚本は自分ひとりでブワ~ッみたいな感じだから、1人作業が向いてるのかもしれないです。なんとも言えない気持ちです(笑)

▼脚本を読んだ時の感想と役作りで準備したこと

-脚本を読んだときの感想と、あとは今回すごく個性的なキャラクターたちになりますけども、キャラクター構築でその撮影前に準備したこと、脚本の感想と準備したことの二つをお伺いできればと思います。

坂ノ上茜
脚本を読んだ感想は、オーディションの時点でその概要と、ぺら一枚のセリフがあって、あとは個性的な監督がいるっていう三つの材料を元にオーディションに行きました。そして「あぁ、なるほどな」っていうふうに思い、その脚本も、あの金髪でギャルっぽい方が書いた本だと思って読みました。
だからテンションがポップというか、明るい作風なのかなと思いました。
役作りは、大野さんの世界観だから、すごく監督を見ながら、盗み見て、真似しているところはありました。

大野キャンディス真奈監督
取材のときにそれを初めて聞いて、「そうなんだ」って初めて知りました。それまで全然知らなかったです

坂ノ上茜
本当ですか?実は結構みていました。
こういうところで声が上がるんだとか、そのまっすぐさとかもすごい愛ちゃんに似ているというか、好きに一直線なところも似ているのかなあと思いつつ、そういうところも参考にしていました。

黒住尚生
そうですね脚本を読んだときに、文字がすごいエネルギッシュで、これは文字面・文章ではわからないというか、映像になってみないとわからないみたいなことが、すごくおきていました。

坂ノ上茜
時々、「喋っているのかな?」みたいな文章がありませんでしたか?「なんとか的な感じで…」みたいな。

黒住尚生
文体がいろいろあって、面白いなと思ったんです。それと同時にこれを自分が言うのかとか、プレッシャーがすごくて、でも根底に流れている人間関係とかは、すごいシンプルだけど、このニュアンスで伝えているのがキャンディスしかいないとか、独特だなと思って、それで魅力を感じたというのはありました。
演じるとなったときに、文書もそうなんですけどセリフ自体もそうなんですけど、すごい
難しくて、怖いなっていうのは率直に感じるものがあって、キャンディスにそういう思いを伝えて、衣装合わせや、リハーサルで擦り合わせていきました。
自分自身では、シャンソンとかを聴いて、トランスジェンダーだったりLGBTQの人たちが歌うシャンソンの表現がかっこいいなって思えたのが根本としてあって、それを大事にして、聖子という役柄を演じました。

愛ちゃん物語♡

保土田寛
脚本や監督の事前情報を聞いて、センスの良さや感性が豊かであることが伝わってくるんですけれども。こちらはおじさんなものですから、理解が難しい難解な部分がありました。なおかつ、すごく若いポップなノリの中で、毒親というひとつのスパイスとも言える、作品の中の立ち位置で自分がどう演じたらいいのかっていうのがありました。鉄男自身は、毒親といいながらも家庭を持って、奥さんや娘がいるのですが、僕自身は高校生の子供がいてもおかしくない年齢なのですが、実際は独身なので、むしろ鉄男の方がまともな人間なんじゃないかなと考えました。
僕は自分よりもプラスの役を演じなければいけないなというイメージでした。

黒住尚生
結構ハジけていましたよ。

坂ノ上茜
めちゃくちゃ振り切っていましたよ。

保土田寛
エキセントリックっていうところは共通だと思っていました。

坂ノ上茜
怖かったですもん。すごい目を見開くシーンとか、カフェインくらいではつくれない顔でした。

保土田寛
いろいろとはやっていないんですけどね。役作りという時に毒親って調べて、自分は親にはなっていないけども、どういう事例があって、あとは家の両親もそれっぽいのを思い返して、自分にあてはめてっていうのを経験がない中で非常に悩みましたけれども、役作りしていきました。
でも茜ちゃんと子役のまおちゃんという、二人の愛ちゃんという娘ができて本当に幸せな撮影でした。

坂ノ上茜
「お父さん!」

愛ちゃん物語♡

保土田寛
(涙)

愛ちゃん物語♡

▼初めての長編作品。大変だったことは?

-初めての長編作品ということで、現場でどのようなことが大変でしたか?

大野キャンディス真奈監督
現場で最初から大変だったよね。

坂ノ上茜
言えないことも結構ありましたよね。

大野キャンディス真奈監督
「あぁ、どうしよう」と心の中で思いながら1日目を終えました。
撮影現場に助監督がいなかったので、脚本の作り方も現場の回し方も自分が初めてで知らなくて映画の勉強をしたことがないので、それでみんなに迷惑をかけたなと思っています。
でも、徐々に撮影中に学んでいって、最後の方に撮影現場に慣れて、二人がクランクアップする時に、「ここでやっと撮影現場になった!」という感じでした。

坂ノ上茜
最後の空気感がすごかったですよね。

大野キャンディス真奈監督
そうですね、よかったですね、最後の撮影のとき。ごめんなさいという感じですが。

坂ノ上茜
いえいえ、それも含めて、組ができていく過程が面白かったと思いますね。

黒住尚生
撮影が終わった後に、スタッフと反省会をしているのをみていたから、こうやって積み重ねていってる感もすごくありました。

大野キャンディス真奈監督
撮影が本当につらすぎたから、どうしようって毎日、スタッフを集めて反省会をしていて、その成果が徐々に反映されていったんじゃないかな。

-そしてついに作品が完成したわけですが、作品を観てどんな感想を持たれましたでしょうか?

坂ノ上茜
撮影するときは、もうやっているものの、どう、これが、一連で見たらどうなるんだろうって思う中で、私が一番びっくりしたのがカラコレです。
あの色味がすごいぐっとでていててかわいいなって思いました。ポップだし。い普通に楽しく観ました。

黒住尚生
最初、オンラインで自分のパソコンで観たんですけど、その次にみたのが、ぴあの国立映画アーカイブの大きなスクリーンでした。全然印象が違ってすごいこの映画は映画館で見た方が絶対面白い映画だと思いました。キャンディスの編集、映像の並べ方とか、店舗とか脚本にはできないことだから、それがすごいなんかこうなったっていうか「ありがとうございます」という感じです。
役者では補えないところを監督として撮影を終わっても粘ってやってくれたことが映画館で観て思いましたし、見どころだし面白いなと思いました。

保土田寛
撮影の途中で1回、進捗状況をキャストとスタッフで観る機会があって、編集途中なんですけど、その段階でも色味とか、編集の仕方がすごくよくて、「あの撮影がこうなるんだ」って驚きました。さらに完成したら、大野監督が編集にすごい時間をかけたということだけあって、さらに良くなったんですよね。
テンポ感が良くなってるので、なんといっても映画は間が一番だと思いますから、飽きずに楽しめるし、それが88分に凝縮されていると思いますので、皆さん本当に一分一秒をしっかり観ていただきたいです。

▼お客様へのメッセージ

-最後に皆様から一言ずつご挨拶頂戴できればと思います。

大野キャンディス真奈監督
映画館で観る臨場感を体験してほしいなと思ってMA室に入って、音やカラコレをすごい調整していたんですけど、ここでしかできない体験がこの渋谷でも新宿でも観られるので、ネトフリとかを観る前に、1回ここに来てねって感じです。よろしくお願いします。

保土田寛
お席を見ていると、他の会場で、『愛ちゃん物語♡』を観てくださった方のお顔もちらほら見えるので、この劇場で改めて観ていただいて、違いやすごさ、楽しさ、愛をいっぱい感じてほしいと思います。よろしくお願いします。

黒住尚生
この作品を撮影したのが3年前で、3年後の渋谷にいますけど、全然想像もしてなかったし、3年前とか。
情勢的にも、ご時世的にも3年後こうなってるとは思っていなくて、今すごいLGBTQとかジェンダーに関して、3年前より、ネットであったりとか、社会が問題として出てきて、すごくいいことだなと思っています。
この3年間考えることが、いろいろあって、その時間が自分にとってはすごい良い時間でした。
お客さんとか本当に個人の感想でしかないから、別にこういう話をする必要はないんですけど、本当にポジティブになれると僕は一観客として思うので、何か伝わってくれたらいいなと思うしそれが広がってくれたらいいなと思ました。本日は本当にありがとうございます。

坂ノ上茜
3年前、2019年、コロナの前に撮影をしていたんですけど、撮影3日目ぐらいにキャットストリートで撮影をしていたときに一緒にお話をしていて、「結構、バタバタだったね」みたいな話をしてたんですよ。
そのときに本当に現場の大変さと、この作品の出来っていうのは別ものだし、こういうものがいろんなところで評価していただいたりとか、「何が起きるかわかんないんだよね」みたいなことおっしゃっていたんですよ。
でも本当にそれが今日実現してしまったという、本当にこんなことってあるんだなって、昨日とかまで「本当に公開されるのかな?」って思っていたんですけど、やっと実感がわいてきて、本当に幸せだなって思います。
とにかく映画はいろいろテーマはあると思っていて、「こういう映画です」って、この作品に対して私はあまり決めつけないようにしています。だからとにかくハッピーになって、今日は帰っていただければなと思います。この後ぜひ楽しんでいってください。ありがとうございました。

愛ちゃん物語♡

■ 映画『愛ちゃん物語♡』作品概要

愛ちゃん物語

【CAST】
坂ノ上茜
黒住尚生 松村亮 保土田寛
森衣里 林田隆志 西出結 上埜すみれ 竹下かおり 山根真央 大門大洋 及川欽之典 心結

【STAFF】
監督・プロデューサー・脚本・編集:大野キャンディス真奈
撮影:澤木宥吾 小島翔 呉大雅俊 小畑智寛 田村悠
助監督:Ryo Matsumura 竹井啓悟
制作担当:山口小百合
録音:小畑智寛 野木亮太朗
美術:博徒出陣さほこ
スタイリスト:髙橋あみ
音楽:石川柚太 中島直樹 須藤佳帆
ポスターデザイン:古瀬彩香
アソシエイトプロデューサー:Monica 久米修人
共同プロデューサー:和田有啓

製作:「愛ちゃん物語♡」作品チーム
配給:Atemo
2021年/ビスタ/5.1ch/DCP/88分

公式サイト:https://aichan.atemo.co.jp/
公式SNS: Twitter(@lovelylittleai) Instagram(@lovelylittleai)

公開表記:7月29日(金) シネクイントほか全国順次公開

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