SFサスペンス映画『12ヶ月のカイ』初日舞台挨拶。監督と話し合いながら作った作品。

SFサスペンス映画『12ヶ月のカイ』初日舞台挨拶。監督と話し合いながら作った作品。

世界各国の映画祭と映画クリエイターを魅了したSFサスペンス映画『12ヶ月のカイ』(監督:亀山睦木)が7月22日(土)より池袋シネマ・ロサにて2週間限定公開。上映初日には、中垣内彩加、工藤孝生、夏目志乃、木口健太、山本真由美、大石菊華が登壇。俳優の榎本桜が司会を務めた。

12カ月のカイ

■ 映画『12カ月のカイ』初日舞台挨拶

▼偶然の色合わせ

『12ヶ月のカイ』のスピンオフドラマ『ソムニウム』に出演の本日の司会・榎本桜による呼び込みにより、キャストが登壇。一言ずつ挨拶を行った。

主演となるキョウカ役の中垣内彩加とカイ役の工藤孝生の衣装の色は赤と白。工藤は「紅白みたいだね。これ、合わせてきたわけじゃないんです。」と偶然の結果であることを説明した。

12カ月のカイ

▼公開初日を迎えて

公開初日を迎えた気持ちについて、中垣内は「ついにやっと来たかという感じですね。海外の映画祭ではいろいろ入選させていただいて、賞もいただいて、あとは日本だけだなと思っていたので、ついにやっとこうやって皆さんに観ていただくことができて、本当に嬉しいです。ありがとうございます。」と喜びを噛み締めた。

12カ月のカイ

▼PCHがあったら、買う?買わない?

本作のカイのような“PCH(パーソナル・ケア・ヒューマノイド)”が現実世界にもし売っていたら買うかという問いに対して夏目は、「いろんな愛の形が今後出てくると思うので、そういった中でそういう選択肢は、馴染んできたら取っちゃう可能性もあるかな。」、「そんなに頑なに、“これは無い”みたいな感じではない。」と答えた。

12カ月のカイ

同じ質問に対し山本は「撮影したときより AI っていうことを耳にしたり触れる機会も増えたなって感じ方がすごくやっぱり変わったなっていうのもあるんで、そんなに毛嫌いするということではなくて、埋めてくれる穴もあるのではないかっていう前向きな気持ちもあります。」と答えた。

12カ月のカイ

▼変わった制作スタイル

12カ月間を描く本作の制作スタイルは通常とは異なり、キャストにはその月の台本しか渡されなかったという。それについて木口は「正直に言うと4年前の半日ぐらい(の撮影)だったので(思い出すのが)すごく難しい。」、「(その月の台本しか渡されなかったので)全体の話を知らない中で、本編を観たから知っていた気になってしまっていて、そんな撮影スタイルだったっけ…」と撮影当時を振り返った。

12カ月のカイ

大石は、「いち俳優として、次の台本をもらえるのかなっていうドキドキが毎回あった。」、「その月の台本だけもらって、次、もう出番なくなるかもしれないのはどうなんだ…みたいなことを常に思っていました。」と胸の内を明かした。

12カ月のカイ

▼映画と配信ドラマとでの演じ分け

本作に登場するPCHのメーカー「ソムニウム」の開発者として出演する山本は、『ソムニウム』というタイトルで配信されている、LINE NEWS「VISION」のドラマにも同様の役で出演している(参考:2023年7月31日まで配信。スマートフォンでのみ鑑賞可能。https://news.line.me/detail/oa-vi-somnium/h3mgc5g8qyo0

その演じ分けについて質問された山本は「『12ヶ月のカイ』のそれよりも前の話ということで、順番が逆なので、そこからまた巻き戻していくってどうやっていこうかなっていうところは正直あった。」、「PCHを作るきっかけになったことや、そこに向かう・作ろうって思った情熱みたいな線、初めのフレッシュさを大事にして描かれているところがあった。」といった当時を振り返ったうえで、演じ分けをすることはそんなになかったと説明した。

12カ月のカイ

▼本作制作時の3人での話し合い

制作は4年前の2019年から始まった当時について中垣内は「4年前に初めて撮り始めたときは、私はてっきりラブストーリーになるんだと思って撮っていました。」、「最初に私達がキャスティングされたときは(脚本が)3分の1しかもらえなくて、結末は私達(中垣内、工藤)と監督で話し合いながら作っていくっていうスタイルでした。」と語った。

12カ月のカイ

3人でディスカッションしながら、「このあと、どうなっていくと思う?」というのを月に1回くらいミーティングしていたという本作。工藤は「あんなにいっぱい3人でディスカッションして、これがいいんじゃないかみたいな話をした結果最後、急に僕たちが話してないところが出てきて、びっくりしました。」と、驚きを語った。

12カ月のカイ

▼亀山睦木監督からのメッセージ

今日、いろんな方が作品を観てくださって、しかも、こんなにたくさんの仲間が舞台に上がってくれて挨拶をしてくれて、撮影の思い出だったり、こうやって作品を広げてくださいっていうメッセージだったりを皆さんに伝えてくださっていることに、本当に感謝しています。

この作品自体は、2019年に撮影を始めて、今お話にもあったように、私と中垣内さんと工藤さんと3人で話の展開を考えたり、キャラクターについて考えたりしながら、且つコロナを挟んで、何とか完成させた作品になっています。

自主制作で SF を作るというわけのわからないことを始めてしまって、そんな中に、かつ、約10ヶ月間の撮影にもこうやって付き合ってくれた仲間がいるっていうことには本当に奇跡のようなものを感じています。

『12ヶ月のカイ』は私にとって本当に本当に好きな映画です。これまでもヒューマンドラマの『マイライフ、ママライフ』ですとか。ドキュメンタリーの『世界で戦うフィルムたち』ですとか。その他にも、恋愛ドラマや、広告作品とか、いろいろな作品に携わらせていただきましたが、本当に自分にとって一番好きな物語、一番好きな映画というのは『12ヶ月のカイ』です。

これを1人でも多くの方に届けてほしいと思うので、今日観てくださった感想や、皆さんが思った印象・インパクト、ただ一言の言葉でも構いませんので、ぜひ拡散していただけると嬉しいです。

これからも『12ヶ月のカイ』をよろしくお願いします。ありがとうございました。

12カ月のカイ
12カ月のカイ

■ 映画『12ヶ月のカイ』作品情報

▼あらすじ

少し未来の東京。WEBデザイナーとして働くキョウカは、日常生活を共に送れるヒューマノイド「パーソナル・ケア・ヒューマノイド」(通称:PCH)のカイを手に入れる。キョウカとの会話を重ね、持ち主について徐々に学習していくカイ。キョウカはやがてカイに「物として以上の感情」を持ち始めるが、ある月、彼らは人間とヒューマノイドの間に命を生みだしてしまう。予期せぬ事態に対し、キョウカは友人たち、母親、そしてもうひとりのPCHオーナーのシンとの対話を重ね、急速に変化する現実に翻弄されながらも未来を決めていく。


映画『12ヶ月のカイ』

【出演者】

中垣内彩加 工藤孝生

岡田深 夏目志乃 今井蘭 小河原義経 大石菊華 福谷孝宏 木口健太 山本真由美

【スタッフ】

監督・脚本・編集:亀山睦木

撮影:亀山睦木 島大和

録音:中川究矢 田中秀樹 内田達也 衛藤なな

ヘアメイク:JJ by 古口精樹

スチール:AI TERADA

特殊造形:土肥良成

助監督:佐々木勝己 岡本拓也 卜部直樹 福谷孝宏

制作担当:秋山友希

整音・音響効果:松野泉

音楽:今村左悶 長澤敏生

字幕翻訳:松田慎介

アソシエイトプロデューサー:吉丸佳予子

主題曲:「Looking for you」YASUKI

製作・著作:PIE w/ Films.

制作年:2020年|制作国:日本|83分|color|16:9|ステレオ

【各種情報リンク】

池袋シネマ・ロサ 劇場公式サイト:https://www.cinemarosa.net/

Twitter:https://twitter.com/12monthsofKAI

instagram:https://www.instagram.com/12monthsofkai/

7月22日(土)より池袋シネマ・ロサにて2週間限定公開

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