角野栄子、フジコ・ヘミング、日本出身2大アーティストのドキュメンタリー映画が2024年に公開

角野栄子、フジコ・ヘミング、日本出身2大アーティストのドキュメンタリー映画が2024年に公開

欧米アーティストのドキュメンタリーが次々公開され劇場を沸かせた2023年…2024年は日本出身の世界的アーティストにフォーカスした新作がこぞって公開。『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』(2024年1月26日公開)は、「魔女の宅急便」で知られる児童文学者角野栄子の日常に宮川麻里奈監督が4年間密着してその素顔に迫るドキュメンタリー。『恋するピアニスト フジコ・ヘミング』(2024年秋公開)は、世界を舞台に活躍するピアニスト、フジコ・ヘミングに2020年から4年に渡り密着したドキュメンタリー。2024年公開の邦画ドキュメンタリーである2作品に注目。

カラフルな魔女

今年2023年の映画界はアート系ドキュメンタリーが大豊作。なかでもアーティストの生い立ちや人生、作品づくりに着目した作品が続々と公開された。映画ファンたちの間では『ヒッチコックの映画術』、『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』、『ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)』など映画監督が被写体となった作品たち。

加えて秋には「太陽がいっぱい」「見知らぬ乗客」などの名作映画の原作を手掛けたアメリカの人気作家パトリシア・ハイスミスの日記を通して彼女の心情を探った『パトリシア・ハイスミスに恋して』が公開。一方、映画以外のアーティストに注目した作品も多く、世界的建築家・デザイナーのアルバ・アアルトの人生と作品を捉えた『アアルト』は目下ロングランヒット中。

芸術への知的探求心に導かれ、ヒット作を生み出す者たちの感性や苦悩をスクリーンで体感し、そのなかに生きるヒントを探した方も多いだろう。そんなアーティスト注目型ドキュメンタリーでより私たちの身近に感じられるような注目作が、2024年に公開となる。

■ アートドキュメンタリーの勢いが止まらない!

『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』(1月26日公開)
「魔女の宅急便」で知られる児童文学者角野栄子の日常に宮川麻里奈監督が4年間密着してその素顔に迫るドキュメンタリー。
国際アンデルセン賞授賞式で表彰され拍手を受ける晴れ姿や、88歳にして現役で執筆活動を続ける彼女のルーティン、ファッションへのこだわりなど、「自分にとって気持ちが良いもの」をモットーに毎日を楽し気に過ごす様子が映し出される。
24歳の時にブラジルに渡って生活し、のちに現地での日々を描いた「ルイジンニョ少年:ブラジルをたずねて」で作家デビューした角野の仕事に対する思いも語られ、観ている方がまるで魔法にかけられるような、元気がもらえる作品に仕上がっている。

『恋するピアニスト フジコ・ヘミング』(2024年秋公開)
世界を舞台に活躍するピアニスト、フジコ・ヘミングに2020年から4年に渡り密着。戦時下に身を置いた少女時代も、世界中がロックダウンに見舞われたコロナ禍も、愛すべき音楽にひたむきに向き合ってきた姿を記録したドキュメンタリー。
“年齢非公表のアーティスト”として、80 歳を超えた現在でも精力的に活動する彼女の姿は、人間の情熱に決して期限はないということを私たちに教えてくれます。その太く力強い指先から生み出される癒やしの音色(ねいろ)とともに、フジコの人生に迫る。

日本にルーツがあるふたりですが、海外暮らしを経験し、それぞれ世界中で作品、パフォーマンスが愛され高い評価と人気を得ている世界的アーティスト。ふたりがカメラに向けてどんなことを語るのか、どんな姿を見せてくれるのか、期待せずにはいられない。


■カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~

【イントロダクション】
書くことが大好きで一生続けていこうと思った。

映画『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』は、「魔女の宅急便」の作者として知られる、児童文学作家・角野栄子の日常に4年にわたって密着したドキュメンタリーです。 鎌倉の自宅では自分で選んだ「いちご色」の壁や本棚に囲まれ、カラフルなファッションと個性的な眼鏡がトレードマーク。一方、5歳で母を亡くし戦争を経験。結婚後24歳でブラジルに渡り、35歳で作家デビューするなど、波乱万丈な人生を歩みながら、持ち前の冒険心と好奇心で幾多の苦難を乗り越えてきました。“想像力こそ、人間が持つ一番の魔法”と語る角野栄子とはどういう人物なのか?88歳のキュートな“魔女”が、老いや衰えさえも逆手にとって今もなお、夢いっぱいな物語を生み出す秘訣とはー。

【ストーリー】
「魔女の宅急便」の作者として知られ、88 歳になった今でも現役の児童文学作家として精力的に執筆に励む角野栄子さん。そのユーモアと想像力で、実に260 冊を超える作品を世に送り出してきました。長く愛される物語を生み出してきただけでなく、近年は、そのおしゃれなライフスタイルや人生観にも注目が集まっています。鎌倉の自宅ではテーマカラーである「いちご色」に囲まれ、カラフルな眼鏡とワンピースがトレードマーク。「自分にとって気持ちがいいもの」をモットーに、遊ぶように暮らし、遊ぶように書き、毎日を心地よく暮らしています。本作は、そんな角野さんを4年間にわたって撮影し、創作活動の裏側が収録された貴重なドキュメンタリー映画です。

角野さんは、1935 年に東京・深川で生まれ、5 歳で母を亡くし戦争を経験します。新婚の夫とともにブラジルに渡ったのは24 歳のとき。まだ日本人が自由に海外に行けない時代に広い世界を見てみたいと個人移民の道を選びますが、着いた当初は現地での暮らしになじめず、来たことを後悔した日もあったといいます。そんなとき角野さんにポルトガル語を教えてくれたのが近所に住むルイジンニョ少年でした。このブラジル時代の恩人との交流を綴った「ルイジンニョ少年:ブラジルをたずねて」で作家デビューを果たしますが、それは娘のリオさんの育児に追われていた3 5 歳のときでした―。

作家デビューから53年。角野さんは「誰よりも自分が楽しむこと」をモットーに、コツコツと大好きな執筆を続けてきました。そして、奇跡のような出来事が重なり、ついに62年ぶりにルイジンニョと再会することになります。角野さんは今回、ルイジンニョさんにどうしても見せたいものがありました―。

語り:宮﨑あおい
監督:宮川麻里奈 音楽:藤倉大
プロデューサー:山田駿平 宣伝プロデューサー:大﨑かれん 編集部協力:岡山智子
ラインプロデューサー:松本智恵 撮影:髙野大樹 編集:荊尾明子 音響効果:河原久美子 監督補:岡澤千恵 
制作:NHKエンタープライズ 制作協力:角野栄子オフィス エネット 映像提供:NHK 製作・配給:KADOKAWA 
ⒸKADOKAWA
公式HP:https://movies.kadokawa.co.jp/majo_kadono 


■恋するピアニスト フジコ・ヘミング

世界を舞台に活躍するピアニスト、フジコ・ヘミングに2020年から4年に渡り密着。戦時下に身を置いた少女時代も、世界中が止まったコロナ禍も、愛すべき音楽に向き合ってきた姿を記録したドキュメンタリー。“年齢非公表のアーティスト”として、80 歳を超えた現在でも精力的に活動する彼女の姿、その太く力強い指先から生み出される癒やしの音色(ねいろ)とともに、フジコの人生に迫ります。

出演:フジコ・ヘミング
監督・構成:小松莊一良
配給:東映ビデオ
©2024 「恋するピアニスト フジコ・ヘミング」フィルムパートナーズ
2024年秋公開
https://fuzjko-film.com/

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