東宮綾音が語る、幼少期から現在までの演劇・写真・映像との関わり方。

東宮綾音が語る、幼少期から現在までの演劇・写真・映像との関わり方。

主演・出演作がひかえる俳優・東宮綾音。1月20日(土)から、渋谷ユーロスペースにて主演作『チャロの囀り』が公開される。若手実力派俳優として今後の活躍が期待される彼女が幼少期からどのように歩み、演劇・映像の世界に至ったかをうかがってみました。

東宮綾音

■東宮綾音さんのプロフィールとこれまでの歩み

▼SNSアカウントのIDについて

-東宮さんのSNS(XとInstagram)をみていて、IDが“ayaneteishoku”という点に気付きました。“ayane”はお名前からとっていると思うのですが、“teishoku”の意味(定食?)や、つけた理由を教えてください。

東宮綾音
これは、父のアカウントのIDを真似しただけなんです。

-そうなんですね。この“teishiku”は、飲食店のメニューの“~定食”の意味でしょうか?なぜ、“~定食”なのか、聞いてみたいですね。

東宮綾音
その定食です。ただ食べるのが好きってだけだと思うんですけどね。

▼ルーツは群馬に?

-プロフィールをみると兵庫県の出身だそうですが、 群馬県に馴染みはありますか?

東宮綾音
出身は兵庫なんですけど、ルーツが群馬にあるということだけ、父から聞いたことがあります。初めて言われたのですがなぜですか?

-”東宮”という苗字が群馬県に多いらしいんです。ひょっとして…と思ってきいてみました。

東宮綾音
ルーツが群馬の方にあるけど、そこまでしかつきとめられなくて、私も東宮姓には会ったことがないんです。祖父は兵庫県出身なので、群馬はその前の代なのだと思います。

▼プロフィール:特技について

◆習字について

-プロフィールの特技に、“習字”の記載がありました。ネットラジオ(「23歳のとりあえずラジオ」)の中でも、習字教室の話をされていましたが、習字はどれくらいの時から習い始めたのでしょうか?

東宮綾音
習字は小学校一年生から中学校三年生まで習っていました。

-結構、長く習っていたんですね。

東宮綾音
でもそんなに上手じゃなくって、すごい居心地の良い習字教室だったので通っていただけなんです。
結局6年+3年の9年弱ぐらい通っていましたね。

-自分から行きたいと言ったのでしょうか。

東宮綾音
友達が通っていて、その紹介でやりたいと言って入って、学校の帰り道から近かったのでずっと通っていました。

-居心地のいい場所だったってことなんですね。

東宮綾音
習字教室なのに、習字をしなくてもよかったんです。

-強制されない過ごしやすい場所だったんですね。

◆バトントワリング、ジャグリング

-特技の話が続きますが、バトントワリングとジャグリングの記載がありました。それぞれ、スポーツ的な要素とパフォーマンス的な要素のものに感じますが、これらは共通のものなのでしょうか?

東宮綾音
別々のものではあるのですが、バトンの練習をする過程でジャグリングの練習をする必要があったんです。
私はバトントワリングを14年ぐらいやっていたんですけど、バトンを続けると1本だけではなくて2本や3本になったりするんです。
3本のバトンの練習をする時に、最初はバトンではなく、「お手玉でやってみて」と言われて練習したから特技になったんです。

-なるほど、バトントワリングはダンス関係で、ジャグリングは大道芸のイメージがあったので、そういうつながりだったんですね。

東宮綾音
バトンは、ダンスと大道芸の間のような競技だと思います。

-バトントワリングは14年ほど続けられていたそうですが、いつから始めたのでしょうか?

東宮綾音
2歳から、高1か高2まで続けていました。

-それはダンス部に繋がるものですか?

東宮綾音
そうですね。バトンは私の人生の軸みたいな感じでした。踊ることや演じることが好きで、バトンやミュージカルに派生していきました。

-バトンを始めたきっかけは?

東宮綾音
両親が言うには、最初は体操教室だと思って入れたつもりだったけれど、バトンだったという話でした。

-体操教室に行きたいといったのは幼い頃の東宮さん自身からのものだったんですか?、

東宮綾音
まず、母親が体を動かすことをさせてあげたいということで教室を見つけてきて、それから当時の私がやりたいって言って始まったんだと思います。

◆歌唱

ー特技の話が続くのですが、プロフィールの中に“歌唱”の記載がありました。いわゆる”趣味のカラオケ”とは違うのかなと思いましたが、これはミュージカルに繋がる話ですか?

東宮綾音
私、小学校の合唱団に入っていたんです。昔から歌って踊ることが好きな子でした。
その小学校の合唱団はめちゃくちゃ強い合唱団でした。そこで4年間合唱をやりました。
大学では、ミュージカル歌唱を専門で勉強したので、そういった経歴があっての “歌唱”になります。

-よくみかける特技・趣味だと、“カラオケ”や“歌・歌うこと”だったので、“歌唱”と書かれていた部分に特徴を感じました。ポッドキャストの話を聞いていても、漫画をあまり読むことがなかった話や、漫画に対して話されていた、「絵と文章がひとつになっていて、芸術としてとらえている絵に文字が書かれていたり、どういった順序で見て行ったらいいかわからない」といった言葉から、こどもの頃から芸術に慣れ親しんでいた様子を感じたのですが、いかがでしょうか?

東宮綾音
バトンでライオンキングをやっていて、その衣装は劇団四季を参考にしているというのを親から聞いて、それで劇団四季を見始めました。小学校一年生のときから動画でずっとミュージカルで歌っていたり踊っていたりするところを見ている子でした。
映画も好きだったし、音楽も好きだったし、お習字や絵を書くのも好きだったし、芸術は昔からふれていたと思います。

-幼い時に、どこかでアニメをみて育つことがあると思うのですが、そういったことがなさそうですね。

東宮綾音
そうですね。アニメは通らなかったですね。

▼写真のモデル

-ここまでで2歳から高校生ぐらいまでのお話をうかがってきたのですが、私自身、東宮さんには写真のモデルのイメージがありました。おそらく高校生くらいから写真のモデルを始められたのではないかと思うのですが、そのきっかけは?

東宮綾音
高校時代は、モデルになりたいわけではなかったんですけどモデルのスクールに通っていたんです。スカウトがきっかけでそのスクールを知って、そのスクールに、「歌やキックボクシングとか、いろいろできる」と言われて、「綺麗になりたいしなぁ…」と思って高校時代に通ってたんです。
その時に “ロケ撮“っていうのができるらしいっていうので、始めたのがきっかけです。撮影会への参加をしていたのですが、大学に入ってから、興味がなくなってしまったんです。

「自分の写真ばっかり撮られて、なにしてるだろう…」という感じになって、一回きっぱりと辞めたんです。

だけど、コロナ禍に入ってから、演劇が全部なくなって、「何でもいいからやらなきゃ…」って、同世代のカメラマンと一緒に写真を撮り始めたんです。そうしたら SNSでバズったみたいになりまして、 依頼をもらったら撮影に行くような感じでした。

“写真のモデル”といわれることは、割と不服というか、「そんなでもないんだけどな…」って思うんです。でも、確かにスタート・きっかけとしては、コロナの時に写真の撮影をする時間をパパパッと過ごした感じです。

ー写真撮影に関する質問ばかりですみません。

東宮綾音
写真のモデルのことについてお話しいただくのは今となってはすごく嬉しいです。

-撮影にあたってこだわっていたことはありますか?

東宮綾音
昔から頑なに「かわいいポーズは嫌だ」って言ってました。
嫌なことは嫌って言うことぐらいですね。モデルっぽいことはモデルさんがやるので、最近のことでいうと、できるだけつくらないというか、顔を作らないようにしています。

写真のセレクトも基本的には自分ではやらないんです。自分でやるとどうしても決めちゃった顔を選んでしまうから、全部 お任せにしています。なので、意識していることといえば、つくらないことですかね。

-お芝居や舞台が一番やりたいことで、「写真のモデルを生業にしているわけじゃない」という意志の表れのように感じる部分がありますね。

東宮綾音
“写真の人”って言われるのが嫌で、ラジオ(ポッドキャスト)を始めたという部分があります。

-撮影者目線でこのインタビューに臨んでしまってすみません。

東宮綾音
いえ、このインタビュー自体は本当に嬉しいんです。

-写真の話が続いて恐縮ですが、SNSで東宮さんが投稿されていた「カメラを撮る人ってすごい」という言葉が印象的でした。撮る人、撮られる人、それぞれに経験値の差などがあって、個人的には「モデルさんてすごい」と思いがちなのですが、東宮さんがその時に撮影された方に感じたものは、どういったものだったのでしょうか?

東宮綾音
これは、その方がご夫婦でカメラをやっている方なんです。そのおふたりと私で撮影に行ったんですけど、ひとつずつしかないビデオカメラと写真のカメラを交互に使っておふたりが撮影してくださったんです。

そのふたりの写真が、同じカメラで撮ったのに出来上がりがまったく違ったんです。同じ日の同じシーンの写真が2つ投稿されて並んでいるんですけど、まったく違うんです。
「同じカメラでここまで個性を出せる、写真家さんってすごいな」って思って書いたものになります。

-それこそがカメラマンなんだろうなと感じる話ですね。「同じ機材を使っているのに何で?」とさまざまなシーンで思います。

東宮綾音
同じ日・同じ場所・同じカメラで、ここまで差が出るんだと思いました。すごく不思議でした。

▼「夢を紡ぐ」

-これも写真の話で恐縮ですが、写真家のコバヤシモトユキさんと撮影された写真展「夢を紡ぐ」についてお話を聞かせてください。「夢を紡ぐ」は、2023年の3月に開催された写真展で、2020年から3年間、東宮さんをコバヤシモトユキさんが撮影されたということなのですが、どういったきっかけで撮影は始まったのでしょうか?

東宮綾音
コバヤシさんが私のことを気に入ってくださって、SNSでお声がけしていただいた時期が大学に通いながら東京に遊びに行ったりオーディションを受けたりしていたときだったので、最初は東京と大阪でやりとりをしていました。

その頃、私が写真を撮られるとき、撮影者の方々が私に持つイメージって、清楚な人とか、かわいい人とか、1枚何かをかぶっていないといけないことがすごく嫌だったんです。
レタッチですごく色がかわいらしくなっていたりとか、作り手側の私の印象がすごく写真に反映されていることが、ちょっとやだなって思うときがあったんですけど、コバヤシさんが撮ってる自分はすごく好きだったんです。

「こういう空気の人、そうそうこれがいい!」みたいな。それをコバヤシさんの写真を見て思いました。

当時、芸能に限らず、東京の知り合いが0人だった私にとって、コバヤシさんからの芸能界や映画、モデルさんの話を聴くのがすごく楽しくて、初めはそれがきっかけで仲良くさせていただきました。
コバヤシさんの写真がすごく好きだったので、東京に呼ばれれば東京に行って、大阪来てくれるときもありましたし、一緒に尾道にも行って、写真の撮影を重ねた感じです。

-私もコバヤシさんのワークショップや、監督をされた『東京シャッターガール』のイベントに参加した関係で、東宮さんの名前をあとから知ったという経緯があります。

東宮綾音
コバヤシさんをきっかけにして私を知ってくれた方は多いです。

▼演劇を目指したきっかけ

-それでは、演劇を目指したきっかけをおしえていただけますか?先ほども幼い頃の話が出てきていますが、「ミュージカルの劇団に入りたくて…」といったインタビュー記事を目にしたことがあるのですが、具体的にどこの劇団に入りたかったのですか?

東宮綾音
「劇団四季」です。
高校3年生のときに普通の4年制大学を目指して勉強していたんですけど、9月21日に「ノートルダムの鐘」を観て、「私はこれに出る!」って。
親が言うには、その日の私の様子がおかしかったそうです。

次の日に学校で先生に泣きながら、「ミュージカルが勉強できる大学に行きたいです!」と言って、次の日にはオープンキャンパスに行って、その資料を持って親に…

-とても大きなインパクトがあるとともに、素早い気持ちの切り替えと行動ですね。

東宮綾音
あれを観ていなかったらもう絶対にやっていないですね。

-大阪から東京に何度もミュージカルを観に行かれていたそうですね。

東宮綾音
演劇を観るために何回も東京に行きましたし、名古屋にも行きました。演劇を観る旅行はたくさんしました。

▼住み慣れた関西から東京へ

-行動力がすごいですね。芸能活動へ注力するために関西から東京に出てきたのは、2022年の春でしたっけ?

東宮綾音
はい。2022年ですね。
2021年に今の事務所にお声がけをいただいて、その年に NHKの『拾われた男』というドラマにも出演していて、モデルの撮影や2022年の年明けにはミュージックビデオの撮影など、大阪に在住しながらもお仕事をしていました。

-住み慣れた関西から東京に出るにあたっての葛藤や意気込みなどの気持ちはいかがでしたか?家具も揃えずに出てきたような話もありましたが。

東宮綾音
もちろん、親に了承をもらうといったところで言えば、関西を離れる点に若干憚られるものはありましたが、「芸能活動をするんだったら東京に行くのは当たり前だよね」みたいな考え方で特に悩むこともなく出てきてしまいました。

ーラジオの発言だったり、タイトル自体にも「23歳のとりあえずラジオ」といった具合に、”とりあえず”というフレーズが入っていて、思い切りの良さというか、”まずは一歩踏み出してみる”ような印象があります。
そういった点はいかがでしょうか?

東宮綾音
やりたいこと以外は優柔不断です。演劇関係になるとすぐにバッと行動に移してしまうんですけど。だから、東京に出てきたものの、家具は全然揃わなかったです。決められなくて…。

-美容院にも5か月行かず、自分で前髪だけ切っていた話もラジオでされていましたね。

東宮綾音
はい、興味がないことはもう全くできなくて、その点は自覚があります。

▼役者として問題…?

-SNSでポストされていた、性格診断の話に興味を持ちました。

東宮綾音
いろいろな診断のアプリやサイトがあるのですが、そのひとつで診断すると、私は絶対に“討論者”になるんです。

-“討論者”というと…その診断アプリで分析家のカテゴリの…

東宮綾音
そうですそれなんです。でも 違うアプリで診断すると “平和主義”といった結果になるんです。“平和主義の羊さん”なんですけど。

-アプリ、サイトによっては偉人バージョンとかいろいろありますよね。

東宮綾音
自分的には、”討論者”の性格だとずっと思い込んでいて、あっているなと思っていました。
先ほどもお話ししましたが、「こう思われたい」とか、「思われたくない」という感情が、私はすごく強くて…。

多分、”討論者”というものが、私が “そうでありたい像”なんです。なので一回フルフラットになって正直にやろうとなって、やったら、このISFP型だったんです。
その結果をいくら読んでも、「私、こんなんじゃない!」と思っていたんですけど…。
でも多分、本当は、”平和主義の羊さん”なんです…。

だから、本当の私がこちらの…”平和主義の羊さん”だとしたら、振る舞い方を間違えているというか、自分の選択の仕方だったり、人との関わり方も全部間違えているって思ったんです。それで、「これはヤバイ!」って。

-それがやばいと思った理由なんですね。

東宮綾音
自分の強みが“討論者”であるように、人を言い負かすことというか、論破することだと思っていたので、そういうお芝居を得意としていたんですけど。実は、違うかもしれない…という。

-性格診断って鋭く突いてきますね。

東宮綾音
本当にそうですね。性格診断によって、自分の本当の姿に今頃になって気づくことがあって。

-でもその気づきが、今後のためにもなりますよね。

東宮綾音
そうですね。
ここから中身をつめていきます。

-「23歳のとりあえずラジオ」も、赤裸々な感じがいいなと思って聞いています。

東宮綾音
2人とも実はどこか構えてやってる感じも何年後かに聞いたら面白いんだろうなと思っています。

-ネットラジオだし、消さない限り残りますからね。すごく面白いと思うんですよね。「このときはこうだったな…」とか。

東宮綾音
そうですよね。

-既に話題が小中高生時代の話をしていて、当時を振り返りつつ…といった感じで、その話の回数のテンポが早いから、このままラジオを続けていって、ネタ切れは大丈夫かなと思いました。

東宮綾音
そうなんですよ。もうネタがなくて。今後は仲間を呼んでのゲスト回が増えていくと思います(笑)

-でもそれによって、輪が広がっていくからすごくいいんじゃないでしょうか。インディーズ系の方々の取材をすることが多いのですが、映画の枠だけじゃなくて、演劇の枠、音楽系の枠とかっていう風にどんどんファン層が増えていくと、知名度が上がっていって、やりたいこともできるようになるんじゃないかなとか、コラボがどんどん出来上がっていくのではないかと考えています。

東宮綾音
まずは何でもできる今のこのインディーズ感を楽しみます。

■公開を控える出演作

▼出演作『ハードボイルド・レシピ』について

-出演作についてのお話をうかがおうと思います。MOOSIC LAB 2024 で先行上映された『ハードボイルド・レシピ』では、凶悪三姉妹の中で、いい感じのちょっと抜けた次女を演じられていましたね。

東宮綾音
ふざけまくってます。

-ガンアクションなどもあって、みんなで練習したそうですね。ああいった役は初めてでしたか?

東宮綾音
アクションとかそういう面で言うと初めてでした。キャラクターでも、あんなに自由にふざけたことはないですね。

-撮影はいかがでしたか?

東宮綾音
三女役の絢寧さんはすごくクールだし、長女の藤丸千さんの役は役柄的にクールじゃないといけなかったから、監督に、「次女はちょっと抜けている感じで」って言われたのもあるんですけど。

-長女と三女に挟まれて、三女に当たれば長女にしばかれるという、そんな立場でしたね。

東宮綾音
“めっちゃアホみたいなやつになればいいな”と思って演じて、アドリブでもふざけました。
“背中に後書きを書いて貼る”みたいなのも本編で使われると思っていなくて、監督に「貼っていいですか?」とか言ってふざけてやったら使われちゃって、もっとちゃんとふざければよかったなと思いました。

▼出演作『チャロの囀り』について

-1月20日(土)から公開の『チャロの囀り』についてうかがいます。
 東宮さんは、“舞台でも映像でも、脚本を読み込む”と書かれていたインタビュー記事を目にしました。本作でも同じように脚本を読み込んだと思うのですがいかがでしたか?

東宮綾音
『チャロの囀り』に関しては、脚本のことで監督と何度も話し合いました。

東宮綾音
描写的に暴力シーンがあったと思うのですが、その後の感情や周りにどのように伝えるかについて、「どうしても理解できないです」と伝えて、いろいろな話し合いをしました。

チャロに対する感情についても話し合いました。私としては愛情や母親的な感じの気持ちと思っていたのですが、「これは恋愛感情だ」という話があって、「いえ、それは…」と、たくさん話し合いました。
監督としても面倒くさかったと思うんですけども、たくさん話し合いをしました。

-大事ですよねその辺りの主張は。

東宮綾音
卯ノ原さんともいっぱい話しました。
卯ノ原さんとは、3、4回共演していて、付き合いが長いんです。今回の作品での共演が初めてではなかったのでやりやすかったです。

-やっぱり脚本を読んで、きちんと自分の中に腑に落ちるというか、納得してからじゃないと演じられないといったことはあるのでしょうか?

東宮綾音
いいえ、そういうわけではもちろんないんですけど、『チャロの囀り』に関しては、扱っているものの内容からして、精神的負担や感情表現に矛盾があると観ている方は絶対に感情移入できないと思いました。
センシティブなものだったら、傷つける人も出てくるし、安易にするものではない、こんなもんじゃないという人が出てくると思ったので、そこは徹底的に…。

女性・男性という言い方をしたくありませんが、「女性としては、この暴力があった後にこういう行動は取れないと思います」という、話し合いはかなりしましたね。

生理的に反するから演じません・演じられませんといったタイプではないです。

-よくわかりました。ありがとうございます。

■今後の目標

▼今後の目標

-演じてみたい役だったり、出演したい作品・脚本など、今後の目標について教えてください。

東宮綾音
大きな目標としては、私は演劇がやりたいです。自分の目標としている劇団や立ってみたい舞台や一緒にやりたい役者さんが明確にあるので、演劇を観ることも舞台に立つことも続けていきたいです。
やりたいこととしては私は最近ずっとコメディをやりたいと思っています。なぜコメディをやりたいかというと…。
あまり自覚がなかったんですけど、結構コメディの仕事が多くて、得意分野ではあるのかなと思っているところもあって、コントをやってふざけたいですね。

-『ハードボイルド・レシピ』もコメディではありませんが、ふざけた感じがありましたね。

東宮綾音
はっちゃけってふざけて“爆笑!”というよりかは、シュールコメディじゃないですけど、お芝居の延長にクスッと笑えるものがあるものをやりたいし作りたいですね。

ヘアメイク 白銀一太


■ 東宮綾音

プロフィール
大阪芸術大学舞台芸術学科卒業。2022年から本格的に芸能活動を開始。
主な出演に、Disney+/NHKドラマ『拾われた男』、Ella project連続ドラマ『東京彼女-京子篇』(主演)、ミュージックビデオPenthouse「閃光花」7order「もしも」、道頓堀セレブ番外公演 『楽屋~流れ去るものはやがてなつかしき』など。
2024年3月13日から上演されるアナログスイッチ20th situation舞台『幸せを運ぶ男たち』にヒロイン役で出演予定。

x   @ayaneteishoku
instagram ayaneteishoku_

ポッドキャスト 
「23歳のとりあえずラジオ」 https://open.spotify.com/show/3q0KHlxjUcdByfGxRWvr2u

▼今後の出演情報等

・映画「ハードボイルド・レシピ」24年順次公開予定
 (MOOSIC LAB 2024 で先行特別上映: https://moosiclab.com/?p=4682 )

・アナログスイッチ舞台「幸せを運ぶ男たち」
 2024年3月13日〜17日@下北沢OFFOFFシアター上演、ヒロイン・松島早紀役で出演


■ 映画『チャロの囀り』

記憶と言語を失い、世界から忘れられた孤独な男。チャロ。
世界の現実に翻弄されながらも、真っ直ぐ生きていたいと思う女。美華。

STORY
夜は牛乳配達、昼は大学の清掃員で働くチャロ(卯ノ原圭吾)。5年前の事故で記憶と言葉を無くし、
今は浮浪者のたつお(米元信太郎)とともに平和に静かに生きている。
山の手の住宅地にある大学へ通う美華(東宮綾音)。富裕層の友達に囲まれ、キラキラな大学生活を送っているように見えるが、
実は学校の友達には内緒の実生活が。夜は借金のためスナックでバイトし、姉のようにしたう童話作家のエル(芽衣子)の家に入り浸る生活。
普段から、大学の友達の価値観と自分の価値観の差に戸惑う美華をエルは「住む世界が違う」と諭す。
ある深夜、スナックの閉店後に帰路に着く美華の元へ闇金が返済に迫ってくる。その一部始終を、牛乳配達のチャロが目撃する。二人が出会う。
言葉も通じないチャロと美華。チャロの一生懸命何かを伝えようとする姿に好感を持っていく美華。
そして、ある事件をきっかけに二人は急接近する。チャロと美華の平和な時間が
流れるかに見えたのも束の間、ある人物の登場で、エル、たつお、学校の友達をも巻き込んで話は一気に展開していく…。

監督:末吉ノブ 出演:卯ノ原圭吾、東宮綾音 ほか
2022/5.1ch/DCP/115分/日本 配給:モラモラプレス


HP:https://charo-movie.bitfan.id/
X:@charos_song
Instagram:charos_song

▼舞台挨拶情報

渋谷ユーロスペース
〒150-0044 東京都渋谷区円山町1−5 3F

ユーロスペース (eurospace.co.jp)

連日20:45の回上映後

1月20日(土)
ゲスト:末吉ノブ監督、卯ノ原圭吾さん 東宮綾音さん、芽衣子さん、米元信太郎さん(以上 本作出演)
1月21日(日)
ゲスト:末吉ノブ監督、卯ノ原圭吾さん、東宮綾音さん、芽衣子さん、 米元信太郎さん、松本響さん(以上 本作出演)
1月22日(月)
ゲスト:末吉ノブ監督、 卯ノ原圭吾さん、立仙愛理さん(以上 本作出演)
1月23日(火)
ゲスト:末吉ノブ監督、 浦翔也さん(撮影監督)、今関あきよしさん(映画監督)
1月24日(水)
ゲスト:末吉ノブ監督、 吉田恵輔さん(映画監督)
1月25日(木)
ゲスト:末吉ノブ監督、卯ノ原圭吾さん(本作出演)、山口隆志さん(音楽)
1月26日(金)
ゲスト:末吉ノブ監督、卯ノ原圭吾さん、東宮綾音さん、芽衣子さん、米元信太郎さん、松本響さん、立仙愛理さん(以上 本作出演)、浦翔也さん(撮影監督)

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