映画『まっぱだか』初日舞台挨拶。監督、キャストが脱ぎ捨てたもの

映画『まっぱだか』初日舞台挨拶。監督、キャストが脱ぎ捨てたもの

5月7日、新宿K’s cinemaにて、映画『まっぱだか』の上映が開始。初日の舞台挨拶が行われ、W主演の柳谷一成、津田晴香、そして、片山享、安楽涼の涼監督が登壇した。
舞台挨拶では本作制作のきっかけとなる神戸・元町映画館との関係や、主演二人のキャスティング、あて書きの話が明かされた。

まっぱだか

■ 映画『まっぱだか』 新宿K’s cinema 上映初日舞台挨拶レポート

▼登壇者あいさつ

柳谷一成
主演の俊を演じました柳谷一成です。今日は、初日なんですけどこれだけのたくさんのお客さんが来ていただき、大変嬉しいです。どうもありがとうございました。

まっぱだか
柳谷一成(俊 役)

津田晴香
ナツコを演じました津田晴香です。今日は本当に無事に初日を迎えられてとても嬉しいです。一緒に観ていたんですけど、みんなで一緒に笑えて嬉しかったです。ありがとうございました。

まっぱだか
津田晴香(ナツコ 役)

安楽涼監督
共同監督ということで、2人で今両端に立っている片山享さんと僕で共同監督をしました安楽涼と言います。
劇中で赤い服を着ていた彼です。今日は本当にゴールデンウィークの最後の方ですけども、この映画を選んで、映画を観に来てくださって本当にありがとうございました。

まっぱだか
安楽涼監督(吉田 役)

片山享監督
共同監督のもう1人の片山享と言います。
若い子に恋をして、女性の天敵のような人を演じていました片山と申します。今日は本当にGWの最後の方のお昼にこうやって来ていただくことが本当にありがたいです。今日は短い時間ですけどよろしくお願いします。

まっぱだか
片山享監督(横山 役)

▼映画『まっぱだか』製作の経緯

片山享監督
本作は製作配給が、神戸の元町にある元町映画館さんの企画で、我々が監督をしてっていう映画なんですけれど、その経緯を簡単に安楽の方から説明します。

安楽涼監督
『まっぱだか』は元々、元町映画館から、「10周年記念で短編映画を撮って、いただけませんか」っていう依頼が十数名の監督さんに連絡がいって、その中に僕と片山さんがそれぞれ別々に連絡が来たっていうのがまず始まりです。「10周年に何か短編映画をオムニバスにして流したいです」っていう話が2人別々で来たんです。そこから2人で映画を撮りたいという話になって、共同でやろうかっていうのを片山さんと話しました。
「それだったら短編でなく、長編を撮りたいよね」という話がまず始まりました。
自分も片山さんも映画を元町映画館で、何作か公開しています。
飲み歩いたりしてできた友達たちが神戸にいっぱいいまして、神戸でちゃんと映画を撮りたいという気持ちで長編映画を撮りたいというのがまずありました。そこで「長編を撮ろう」ってなったんです。

片山享監督
今の流れで、僕らは短編を撮る気が最初からなくて、書いた脚本も長編でした。

安楽涼監督
悪気は全然ないですけどね。

片山享監督
企画としても「そのまま行こうぜ」っていう話だったんですけど、元町映画館からの依頼は当然のことですが短編の枠なので、「(長編は)無理ですね」って言われて、元々の依頼の枠から漏れてしまったんです。
「だったら一緒に作れる間口はありませんか?」っていう、お話をしました。

安楽涼監督
「お話を聞いていただけるようだったら。完成したものを気に入っていただけたら、配給とか制作とか企画という形で入ってもらえませんか?」みたいな。

片山享監督
場所も機材置き場で使わせてもらったりとか、最初の映画館のシーンは、元町映画館さんは実際の映画館なので、そういう形で一緒に作っていったっていう。

安楽涼監督
そうですね。シンプルに元町で、映画を撮りたくて、津田さんと柳谷さん主演で絶対撮りたいというのがまずありました。
始まりとしては、2人で撮ることだけが決まっている企画でした。

片山享監督
そうですね。そういったことが我々はなぜか完全に一致してたんですけど、長編で撮ることと2人を主演にということだけが決まっている状況から脚本作りを始まりました。

▼本作をあらためて観た感想

安楽涼監督
ここまでが、この映画の始まりになります。
じゃぁ、津田ちゃんとヤナギーにも話を聞いてみましょうか?

片山享監督
改めて、今日が東京初日ですけど、2人は実際にケーズシネマで一緒に観てどうでしたか?

津田晴香
関西ではもう既に昨年の8月、9月に上映していて、その流れで東京も…すすめたかったんですけど、やっぱりいろいろなことがあって、なかなか東京では上映できませんでした。でも関西で上映したときからたくさんの人から、「東京に来るのを待ってるよ」って言ってくださって、それがすごい嬉しかったです。
ただ、みなさんも毎日の生活がありますから、忘れられてしまうかな、大丈夫かな、覚えていてくれるかなと、すごい不安だったんですけど、今日もたくさんの方が観に来てくださっていて、この時間を共有できたことが本当に嬉しいなって思います。本当に観に来てくださってありがとうございます。

まっぱだか

安楽涼監督
ヤナギーはいかがでしたか?

柳谷一成
実はギリギリまで今日映画を観るか迷っていたんです。観るとしんどくなっちゃうので。
そのしんどさを舞台挨拶に引っ張っちゃうのが嫌だなあと思って観るのをやめようって思っていたんですけど、初日はもう今日しかないので、観ようと思って後ろの方で観ていたんですけど、結構面白かったですね。

まっぱだか

片山享監督
どういう感想だよ!

柳谷一成
面白い映画じゃんって思いました。普通に楽しみながら観ていました。

安楽涼監督
まさかのコメントでしたね。

片山享監督
津田ちゃんとの差が激しすぎたね。
ヤナギーは何が良かったのかな。今までにずっと観てきているじゃないですか。

柳谷一成
何回も観てますね。お芝居的に湿度が高いと思います。
それで苦しくなっていたんですけど、そこに撮影時からちょっと距離感が生まれているのかもしれません。
そこまで「ウッ…」とはならずに客観視できながら観られたかもしれません。
楽しみながれ観れましたし、あとちょこちょこ笑いが起きていたっていうのもありがたかったですね。

片山享監督
ちょこちょこってどこで笑いが起きていたの?僕らは中で観られなかったので教えて。

柳谷一成
今までもずっと皆さんに伏せられているシーンですね。

▼新宿K’s cinemaで上映初日を迎えての感想。

安楽涼監督
脚本を書き始めたのは片山さんが始まりでしたが、あらためて、上映初日を迎えての感想はいかがですか?

片山享監督
ちょうど2年前ぐらいに緊急事態宣言の1回目が出たくらいに、僕は初稿を書いていると思います。
だからテーマがこういうことになってしまっています。
僕は脚本を書くときに、どうしても今思っていることを大事にしたいと思っているので、柳谷さんと津田さんはもう出ることは決まっていたんですけど。そんなときに忽然と当たり前みたいなものがなくなってしまって、こんなに簡単に当たり前のものって無くなってしまうんだなと思いました。日々その当たり前ってなんだろうと考えていました。
それに加えて僕の近しい人が亡くなってしまったり、そういうことが重なって、当たり前っていうことって何だろうって考えたときに書いたのがこのままではないんですけど、初稿になります。
結局撮影はコロナが落ち着いてきた2020年12月に撮ったんですけど、その直前になって、僕も結構根暗なので、当たり前みたいなことを言及して、もちろん希望には向かっていったつもりなんですけど、その脚本を突然11月の中頃くらいに安楽が、「片山さん、このままじゃ僕、撮れません」っていうふうに言い出したんです。そこで「僕も脚本を書いてもいいですか」と、書き足してくれたものが、安楽自身が演じた吉田という部分でした。何かその時の話をしていただけますか?

まっぱだか

安楽涼監督
そうですね、「面倒くさっ、面倒くさっ」っていつもずっと言っていたと思います。
別れたのか、亡くなってしまったのかは明らかにせず、語らずにいなくなってしまった人の話をテーマにしています。元々の脚本は、、それが駄目ってわけじゃないんですけど、いなくなった人をずっと追い続けてずっとそのままそれに固執して過ごしていくことを感じてしまいました。
片山さんが書いてくれた脚本なんですけど、僕は僕で、その当時、片山さんと楽しく過ごしていると思っていました。
すごく片山さんの知らない部分といいますか、と面倒くさいこと…人の面倒くさい部分ってなかなか知ることがないと思うのですが…それを知ってしまったんですよね。だから、僕は面倒くさいことには付き合おうと思って、「面倒くさい」って言ってみようと思ったんです。
それで元々の映画の中の脚本にあった価値観に反するものではないんですけど、別のものを入れて、正解がないものにしたかったんです。人に対しての価値観って、それぞれの人によって全然違うと思うんです。今日来てくれている皆さんも、いろんな人がいなくなっていると思うんですけど。僕もそうですし。

まっぱだか

片山享監督
友達っていう存在って、こんなに自分の価値感をちゃんと変えてくれる人なんだなっていうのと、安楽がそういう価値観を知れたことがすごく良かったです。そういう中で、脚本も最初は僕の思いとか、その時思ったことが強かったので、実際に俊の役をやってくれた柳谷さんが話してくれたのですが、俊は僕がやった方がいいんじゃないかっていう話をしてくれたんです。でもその思いが変わっていったって言ってるじゃないですか。それはなぜでしょうか。

柳谷一成
最初の脚本で片山さん自身が書かれているので、片山さん自身がやった方がいいんじゃないかということを伝えました。でも片山さんに「この役はヤナギーしかいないから」って言われたんです。
でも初めての長編作での主演ですけど、脚本に細かいところまでそんなにとらわれなくてもいいのかなって思ったんです。いなくなった人を思っているということは僕も同じだし。やってみて何か変わるっていうか、やらないっていうことも、ただの逃げでしかないと自分で考えたことがありました。
片山さんに直接は言えなくて、安楽さんに相談していて、最終的に脚本が出てきた流れでした。

片山享監督
お時間も少なくなってきて、突然ですが、津田さんはいかがでしたか?

津田晴香
私が演じたナツコは、私へのあて書きで、私の話を片山さんが聞いて、それを脚本に落とし込んで作ってくださったキャラクターなんです。私自身が自分に対して前向きな感情が持てなかったんですけど、ずっとこの作品を撮っているときに自分と向き合い続けていて、最後のクライマックスの夜の屋上のシーンは、私が言っている台詞は、そのとき自分が思ったことを言わせていただいています。あの気持ちが見つかってすごい良かったです。

片山享監督
柳谷さんから、「結局やってみたら、俊の感覚がちゃんとわかりました」って言ってもらえたのは僕はすごく嬉しかったです。
明日からも公開は続きますので、SNSでも、僕らもこのあとロビーにいますので、もしよかったらどんな感想でも聞かせてもらえたらうれしいです。

まっぱだか

■ 映画『まっぱだか』

出演:柳谷一成、津田晴香、安楽涼、片山享、 タケザキダイスケ 大須みづほ 他監督:安楽涼、片山享 脚本:片山享、安楽涼 撮影:安楽涼、片山享 録音・整音:杉本崇志 音楽:藤田義雄 主題歌:Little Yard City「Walk With Dream」 
企画・配給:元町映画館2021年/日本/99分/カラー/ステレオ/アメリカンビスタ/DCP ©︎元町映画館

公式サイト: https://mappadakacinema.wixsite.com/mappadaka

公式Twitter: https://twitter.com/mappadaka_film

5月7日(土)より新宿K’s cinema ほか全国公開

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