11/15(金)~11/17(日)に、大阪・十三シアターセブン・第七藝術劇場にて「十三下町映画祭2024」が初開催。閉会式では各賞の受賞結果が発表、受賞者が表彰された。『私たちのオカルティックサマー』がグランプリと観客賞のW受賞。
■ 「十三下町映画祭2024」初開催
▼『私たちのオカルティックサマー』がグランプリと観客賞のW受賞
初開催にもかかわらず、3日間で約500名の来場があった十三下町映画祭。最終日に第七藝術劇場で行われた閉会式は、立ち見まで出るほどの大盛況となった。
本映画祭のグランプリに輝いたのは、大阪芸術大学の卒業制作で撮られた、樋口翔一監督作『私たちのオカルティックサマー』。また、来場者からの投票で決まる<観客賞>も同作が選出されW受賞となり、樋口監督はじめ関係者一同笑みがこぼれていた。
▼子どもえいがワークショップ開催
また本映画祭の関連企画として、8月の夏休み期間中に『十三のまちとひとを知る「子どもドキュメンタリー映画ワークショップ」』が開催され、小学校4~6年生の子どもたち11人がドキュメンタリー映画を制作した。
閉会式では、大勢の人に見守られながら、子どもたちが作った作品のお披露目上映も行われた。
▼ゲストプレゼンターに浜村淳さん
当日、ゲストプレゼンターとして登壇された浜村淳さんから、グランプリの『私たちのオカルティックサマー』について「場面の切り替えが見事で、ダレない。最後までグイグイひっぱっていく」「主演の橋口さんの表情が活き活きとしており、上手かった」と大絶賛。準グランプリも立命館大学の卒業制作で撮影された永井哲太監督作『BOY MEETS HOME』が選ばれるなど若い世代の監督たちがグランプリ・準グランプリを獲得した。その他、各賞の発表が行われ、閉会式は大いに盛り上がり、本映画祭は無事に幕を閉じた。
▼各賞発表
◼グランプリ 『私たちのオカルティックサマー』 監督:樋口翔一
◼準グランプリ『BOY MEETS HOME』 監督:永井哲太
◼観客賞 『私たちのオカルティックサマー』
◼特別賞 『Mothers マザーズ』 監督:武田恒、高橋郁子、木内麻由美、野田麗未、難波望
◼シネマプランナーズ賞(2作品)
『カオルの葬式』 監督:湯浅典子
『ゴールド』監督:知多 良
◼さんよど賞 『シサㇺ』 監督:中尾浩之
◼みらい賞 こども映画ワークショップのこどもたち
(小学校4~6年のこどもたち11人が、夏休みの間に撮った作品)
▼受賞者コメント(発表順)
◆観客賞『私たちのオカルティックサマー』
まず、観客賞のコメントですが、
・樋口翔一監督
・橋口さん
・木林さん
・畑中さん
の4名です
樋口翔一監督
「ほかの映画はお金がかかってそうな映画が多くて、僕らは勝ち目がないと思ってたんですけど、
2日とも満席になってほんま嬉しいです。ありがとうございます。」
橋口果林さん(出演)
「監督の言う通り、2日間満席になると思っていなかったので、本当に皆さんの応援あっての賞だったと思います。本当にありがとうございました。」
木林優太さん(出演)
「本当に、皆様のおかげで満席になりました。本当にありがとうございます。」
畑中惟吹さん(脚本)
「やっぱりお客さんに見てもらうことが1番大事だと僕らも考えて、楽しんでもらうことが大事だと考えて映画を作ったので、観客賞ってこれはもうグランプリに匹敵すると思います。ありがとうございました」
◆準グランプリ『BOY MEETS HOME』
・永井哲太監督
・矢口さん
上記2名のコメントです
永井哲太監督
「僕らの広報不足ということもあり、なかなか席は埋まらなかったんですけど、
このように評価していただいたのがとても嬉しく思います。
鳥取県の智頭町っていう超田舎から来たんですけど、
鳥取県の誇りとして帰れます。ありがとうございました。」
矢口恭平さん(出演)
「主演を務めさせていただきました。最近、タイムスリップする映画に
よく出がちなんですけども※、この作品もタイムスリップが元になってるので。
来るんですかね、こういうネタっていうのはね。またこれをきっかけにたくさんの
人に見ていただけたら嬉しいと思っています。今日はどうもありがとうございました。」
※矢口さんは『侍タイムスリッパー』にも出演
◆グランプリ『私たちのオカルティックサマー』
(樋口監督と橋口さん、浜村淳さんの掛け合いになります)
樋口監督
「ほんまありがとうございます。キャラクター映画やエンターテイメント映画を撮ろうと思って作りました。グランプリは取れへんやろなって、思ってたんです。
観客賞を取って満足してたら、グランプリももらって光栄です。ありがとうございます。」
浜村さん
「橋口さん、主演やってくれ言われた時どう思いましたか?」
橋口さん
「本当に信じられなくて。TwitterのDMでスカウトしていただいたので、最初はめっちゃ怪しかった。でも本当にあの撮影できてよかったです。」
浜村さん
「ライトが水に当たってキラキラキラキラ輝く波があって、あそこから引きつけますね。あれは全部計算したんですか?」
樋口監督
「はい。大体想定してたんですけど、幻想のシーンは撮影の時たまたま雨が降ったんで、もう雨のまま行ってまえと思って撮りました」
浜村さん
「この映画を出演するにあたって、どういう苦労がありましたか?」
橋口さん
「そのやっぱり監督のこだわりが強かったので、そこを追い求めていくっていうのがすごく大変でした」
浜村さん
「第2作の準備はできてますか?」
樋口監督
「できてないです。バイトせなダメですね。今日の賞金で撮ります」
▼上映作品一覧(全15作品)
『Osteoclast/オステオクラスト』 監督:小幡宙生
『Life work of Akira Kurosawa 黒澤明のライフワーク』 監督:河村光彦
『クオリア』 監督:牛丸亮
『Mothers マザーズ』 監督:武田恒、高橋郁子、木内麻由美、野田麗未、難波望
『書けないんじゃない、書かないんだ』 監督:鴨井奨平
『狠陀羅芸術工科大学交換留学生活動記録』 監督:笹本梨華
『君は脱出ガール』 監督:湯淺士
『ボールドアズ、君。』 監督:岡本 崇
『私たちのオカルティックサマー』 監督:樋口翔一
『シサム(ムは小文字表記)』 監督:中尾浩之
『カオルの葬式』 監督:湯浅典子
『ゴールド』 監督:知多 良
『恋にセックスは必要ですか?』 監督:志波景介
『君は君でいい』 監督:大場丈夫
『BOY MEETS HOME』 監督:永井哲太
▼十三下町映画祭実行委員長・柗田昭男からの挨拶
十三下町映画祭2024 が無事に終了しました。ご来場いただいたお客様をはじめ、各作品の監督・出演者のみなさま、1 年かけて準備をしてきた実行委員会のみなさまや地元関係者のみなさまに感謝を申し上げます。おかげさまで、この三者が一つになった素晴らしい映画祭を開催することが出来ました。
映画は、お客様に見て頂くことで初めて映画となります。お客様のご鑑賞があってこそ、作品は完成いたします。みなさま方にはこれからも温かく見守っていただき、我々ミニシアターの進むべき道を共に歩んでいただきたいと思いますので、どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。本当にありがとうございました。
十三下町映画祭 実行委員長・有限会社第七藝術劇場 代表取締役 柗田昭男(まつだあきお)