岡山県倉敷市を舞台にしたオール倉敷ロケの長編映画『蔵のある街』(平松恵美子監督)が、横浜国際映画祭に正式招待作品として選出され、2025年5月4日、レッドカーペットおよび船上パーティイベントに平松恵美子監督、中島瑠菜さん、堀家一希さんらが出席した。

■ 映画『蔵のある街』
映画『蔵のある街』は、「頑張って生きるあの人に、笑顔と希望を届けたい」というメッセージを込めた作品。企画は2022年から始動し、2023年夏にパイロット版が制作された。このパイロット版を活用したプロモーションや企業の協賛募集、そして倉敷市の補助事業への採択を経て、本編制作が決定。撮影は2024年夏に行われ、2025年に完成、3月3日にはMOVIX倉敷で完成披露試写会が開催されています。倉敷での先行公開は2025年7月25日、全国公開は8月22日から新宿ピカデリーほかで予定されている。
物語は、自閉症の青年と夢を諦めかけている同級生を励ますため、とっさに口から出た「この街に、でっかくて綺麗な花火を上げちゃる」という約束から始まります。この言葉が街に波紋を呼び起こし、高校生たちの無謀とも思える強い願いが、やがて街の大人たちを巻き込み、大きな希望へと変わっていく姿を描きます。制作のきっかけは、2020年から続いたコロナ禍の最中に全国約300の街で行われた「サプライズ花火」でした。エッセンシャルワーカーへの感謝や、困難な状況下にある人々へのエールとして打ち上げられた花火からインスピレーションを得て、「人を思い合ってあげる花火」の素晴らしさと、それに向かって本気で突き進む若者たちの姿を描く映画が生まれた。
▼横浜国際映画祭
横浜国際映画祭のイベントでは、『蔵のある街』のチームが紹介され、平松恵美子監督、中島瑠菜さん、堀家一希さんらが登壇。当日のレッドカーペットの監督・キャストの入場の際には、本作で俳優初挑戦が話題となっているフィギュアスケーターの高橋大輔さんも古城緑郎役として出演していることがMCから読み上げられた。
平松監督は、映画祭に招待されたことへの感謝を述べつつ、本作が故郷でもある倉敷を舞台にしたオール倉敷作品であることを紹介しました。コロナ禍で見上げた花火が、お互いを思い合う素晴らしい瞬間を生み出した経験が制作の原点にあると語り、本作は直接コロナ禍を描くわけではないものの、「人を思い合ってあげる花火」というテーマを通じて、若者たちのひたむきな姿に触発されて大人たちも動き出していく様子を描いていると説明しました。そして、主演を務めた中島瑠菜さんと、そのお兄さん役(自閉症スペクトラム症)を演じた堀家一希さんを紹介。

紹介を受けた中島瑠菜さんは、「白神紅子役を演じさせていただきました中島瑠菜です」と挨拶し、「ぜひ『蔵のある街』を見てください」と観客に呼びかけました。


堀家一希さんは、横浜国際映画祭という素晴らしい場所に作品が呼ばれたことを「とても光栄に思います」と述べました。見どころについて尋ねられると、「監督が先ほどもうすごくおっしゃっていただいたので、もうそれだけに、もうそれだけにつきます」と語り、これから始まる映画を楽しんでほしいと締めくくりました。

映画「蔵のある街」
ぼくたちは約束した。
この街に本物の、とびきり綺麗な花火を上げることを。
山時聡真 中島瑠菜
堀家一希 櫻井健人 田中壮太郎 陽月華 長尾卓磨 前野朋哉 ミズモトカナコ
高橋大輔 MEGUMI 林家正蔵 橋爪功
監督・脚本:平松恵美子 音楽:村松崇継
主題歌:手嶌葵「風につつまれて」(ビクターエンタテインメント)
プロデューサー:平松恵美子 撮影:森口大督 照明:宮西孝明 美術:倉田智子 録音:西山徹 編集:小堀由起子
装飾:極並浩史 衣裳:小堀あさみ ヘアメイク:反町雄一 音楽編集:本谷侑紀 音響効果:勝亦さくら VFXプロデューサー:浅野秀二
助監督:相良健一 協力プロデューサー:深澤宏 音楽プロデューサー:高石真美
プロダクションマネージャー:小松次郎 ラインプロデューサー:前場恭平
企画・製作:つなぐ映画「蔵のある街」実行委員会 制作プロダクション:松竹撮影所 企画協力:倉敷市 配給・宣伝:マジックアワー
2025年/日本/カラー/シネマスコープ/5.1ch/DCP/103分
©︎ 2025 つなぐ映画「蔵のある街」実行委員会
2025年7月25日(金)にMOVIX倉敷などにて倉敷での先行公開
2025年8月22日(金)から新宿ピカデリーほかで全国公開予定
