森へ

知多良監督 短編映画『森へ』キャスト決定!7月26日、武蔵野公会堂にて初上映。

長編映画『ゴールド』の公開を控え、同作で福井映画祭グランプリをはじめ、5つの映画祭で
6 つの賞を受賞した知多良監督による新作短編映画『森へ』のメインキャストが決定した。本作は「映像のオリンピック」を目指すMUSASHINO発の映像プロジェクト「ムービンピック」によって制作され、武蔵野市を舞台に、地元の方々の協力のもとで完成した作品。7月26日に、武蔵野公会堂にて初上映される。

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■ 短編映画『森へ』(知多良監督 )

▼出演者情報

「見えないものが信じられなくなった̶̶。」数値やエビデンスだけを拠り所に生きる主人公・衣
良を演じるのは、舞台を中心に活躍し、近年では道本咲希監督『ほなまた明日』(2024年)や、
知多良監督『ゴールド』(2024年)にも出演した加茂井彩音。
そんな衣良と価値観を真っ向から対立させる、占いやご先祖様といった目に見えないものを信じ
る母親役には、オーディションを経て映像を中心に活動する西見桂に決まった。


さらに、衣良の勤務先の後輩役には、『ゴールド』(2024年)に続き、野本梢監督『わたしかも
しれない(仮)』(2025年)にも出演した平川はる香が抜擢された。
そのほかにも、同じく『ゴールド』に出演したksayaka、いとうたかしや、知多良監督『よだき
ごろ』(2025年)に出演する庭山智章、さらに野本梢監督『遊びかた』(2025年)に出演の石
渡啓介がトークショー司会者役として出演。阿部竜次ケビン、小林真樹、鈴木将といった個性豊
かな俳優陣も顔をそろえ、作品に深みを与えている。

▼知多良監督 コメント

ある大きな社会的出来事や、大切な人との別れをきっかけに、価値観が大きく変わってしまう̶
̶。そんな経験を、私は21世紀に入ってから何度もしてきました。
本作の主人公・衣良も、ある喪失をきっかけに「見えないもの」を信じられなくなり、数値やエ
ビデンスといった「目に見えるもの」だけを拠り所にするようになります。そして、占いやご先
祖様などの「見えないもの」を信じる母親と対立していきます。
そんな喪失やご先祖という見えなくなってしまったものたちをテーマにしたのも、武蔵野という
土地自体が“喪失”と“再生”を繰り返してきた場所だからです。
「吉祥寺」という地名は、かつて文京区付近にあった寺院「吉祥寺」に由来します。1657年に
大火で被災した住民たちが現在の武蔵野市東部に移り住み、新たな地を「吉祥寺村」と名付けた
とされています。その後も、関東大震災の際に多くの被災者がこの地に移住しました。
では、なぜこれほど多くの人々がこの地に集まることができたのでしょうか。それは、この場所に広大な自然が手つかずのまま残されていたからです。
その広い土地に、やがて軍事施設が建設され、戦後には団地が立ち並ぶようになりました。本作
の主人公・衣良も、そうした武蔵野市の団地で暮らしています。
また、衣良が暮らすこの地は、100年以上前に国木田独歩が執筆した『武蔵野』の舞台でもあり
ます。人の営みと自然が交差する風景が描かれたこの作品は、一見のどかな印象を与えますが、
実は独歩が別れた女性との思い出の場所をもとに書いたとも言われています。
本作『森へ』もまた、『武蔵野』の舞台とされる「境山野緑地・独歩の森」で、いなくなってしま
った人への思いを描いています。
『森へ』は、武蔵野が歩んできた“喪失”と“再生”の歴史を現代に置き換え、主人公・衣良とその母
との関係を通して描こうとした作品です。歴史とは、いなくなった人々の営みを、今に感じるこ
とだと私は思っています。
武蔵野市が積み重ねてきた歴史、そしてその“足元”を見つめ直すことが、今を生きる私たちへの
ささやかな力となれば幸いです。


●ムービンピックとは?
「映像のオリンピック」を目指す、MUSASHINO発の映像プロジェクト。2025年競技テーマは
「ASHIMOTOを見つめ直して」。以下の条件を満たした短編映画作品の制作に挑戦する。

  • 20分以上25分以内の短編映画
  • 武蔵野市・三鷹市いずれかの「デザインマンホール」を映像内に取り入れる
  • 地元ロケを活用した映像作品であること

▼上映情報

短編映画『森へ』(2025年、25分)

出演:加茂井彩音、西見桂、平川はる香、いとうたかし、ksayaka、阿部竜次ケビン、小林真
樹、石渡啓介、庭山智章、鈴木将
主催:ムービンピック実行委員会
撮影助手:庭山智章、木幡花菜、金子愛奈
録音:野本梢、監督・脚本:知多 良

完成した作品は、2025年7月26日(土)に武蔵野公会堂で上映して、映画制作競技の各賞を選び
ます。入場無料ですので、是非会場までお越しください。


【上映日時】2025年7月26日(土)14:00~16:30
【会場】武蔵野公会堂(東京都武蔵野市吉祥寺南町1丁目6-22)
【入場】無料(予約優先)
※観覧予約は7月1日より受付開始。「参加予約受付」フォームよりご予約ください。
※定員に達し次第、受付終了。若干名の当日先着枠もご用意予定です。


▼詳細はこちら
https://movinpic.com/


この記事を書いた人 Wrote this article

Hajime Minamoto

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