- 2025年7月24日
映画『ROPE』が紡ぐ、現代の絆――本作のロケ地のひとつでもある下北沢「浮島」で、俳優・樹と八木監督が語る、ゼロからつくりあげた物語
2025年7月25日(金)より、映画『ROPE』が新宿武蔵野……
野本梢監督・知多良監督 共同プロデュースした映画『ゴールド』(監督:知多良)が、10月25日よりポレポレ東中野、11月29日よりシアターセブン(大阪)※1週間限定、シネマスコーレ(名古屋)※上映日未定で、公開が決定した。本作は、知多良監督の初長編作品となっており、恋愛模様だけでなく、ジェンダーバイアス、職場における人間関係や上下関係の葛藤など、現代社会が抱えるテーマに鋭く切り込んだ意欲作。すでに映画祭や劇場関係者から熱意あるコメントが多数届いており、注目が集まっている。

変わっていく現実の中で、誰にも言えなかった感情たちが、
生まれた言葉たちが、ここにある。


イントロダクション
2020年、高円寺の路上で偶然知り合った知多良監督とグッナイ小形が「きみは、ぼくの東京だった」のミュージックビデオを製作。その後、スピッツの草野マサムネらが楽曲を紹介し話題となりました。その「きみは、ぼくの東京だった」MVから、知多監督が実体験をもとに取材を重ね、文献を読み漁り、3年かけて製作された映画が『ゴールド』。
MVから引き続きの出演となる小畑みなみが佐藤ミキ役を、サトウヒロキが西弘樹役、弘樹の職場の上司役を松木大輔が演じ、加えて『カフネ』(杵村春希監督)の太志、『温泉シャーク』(井上森人監督)の藤村拓矢が弘樹の職場の複雑な人間関係を表します。そのほか500名ものオーディション参加者から選出された幸田純佳、関口蒼、小野孝弘らがミキを取り巻く職場の人々や高円寺の仲間たちとして出演。また、シンガーソングライターのKsayakaが歌唱とともにキーとなる役どころで映画初出演となるところも注目。
「ありのままでいい」という優しい言葉とともに、女も男も「自分らしく」生きられる社会が理想とされている現代ですが、現実はそうはなっていないことが多いのが現状です。
誰かに傷つけられ、それなのに誰かを傷つけてしまう毎日で、声を上げれば立場を失い、黙っていれば心が削られる、なにが正しいのかも分からない場所で、今日をやり過ごすことに精一杯な人たちがいます。誰もが「ありのまま」で生きていけるわけではありません。そんな現実の中で、1人の人間の中の多様性を描いた映画が誕生した。
「生活」と「仕事」と、青春の終わりを描いた、ビールのような苦い輝きを放つ、知多良監督の長編デビュー作。
仕事と生活の間で様々な人達に出会い、なにかがズレていく2人。


中小企業で事務をしているミキと、家事好きで清掃のバイトをしている弘樹。二人は高円寺の路上ライブで出会い恋人になる。ミキの強さに惹かれた弘樹は、自立した大人を目指し正社員になる。でも、ミキは弘樹に無理をせず毎日笑顔でいて欲しかった。専業主夫でもいいから家に居て欲しかった。
弘樹は男ばかりの職場で、冗談に傷つき、毎晩溜息をつくように。ミキは社会のせいにしがちな後輩と、悪意なくセクハラ発言をする上司の間で疲弊し、ビールの量が多くなる。
稼ぎのない男との付き合いを反対する友人。「あるがまま」なんて甘やかしだと腐すベンチャー企業社長。非難を称賛と受け止める高円寺の飲み友達。「自由とはルールを知ること」と言うアーティスト。仕事と生活の間で様々な人たちに出会い、酒を飲み、言葉を交わす。
ただ、ミキは弘樹と一緒に居たかった。同じ時を過ごしたかった。
【東京】2025.10.25より ポレポレ東中野にて
【大阪】2025.11.29より 十三・シアターセブンにて
【名古屋】未定 シネマスコーレにて
小畑みなみ(おばた・みなみ)/佐藤ミキ
モデルとして、canon、資生堂、三井ショッピングパーク、花王などの広告の他、趣味の登山を生かし、山と渓谷社の登山雑誌やYouTubeチャンネルでも活躍。映画では『しじゅうご円』(2015/清原惟監督)、『スクラップ スクラッパー』(2016)の「V」(加瀬聡監督)、『ゴミのような』(2017/佐藤睦美監督)に出演し、知多良作品では『さよならパークハイツ』(2014)、『やまとのもり』(2016)、『見えない、光』(2017)など初期作品から出演している。
サトウヒロキ/西弘樹
1994年8月7日生まれ、北海道出身。ミュージカル「ヘッド・ショット・ランド」にて俳優デビュー。TBS日曜劇場「天国と地獄〜サイコな2人」(2021)やytv『ケイ×ヤク-あぶない相棒-』(2022)に出演し、映画では『この日々が凪いだら』(2022/常間地裕監督)、『佐々木、イン、マイマイン』(2020/内山拓也監督)、『クレマチスの窓辺』(2022/永岡俊幸監督)などに出演している。
幸田純佳(こうた・すみか)/山中由美
1996年生まれ。兵庫県出身。俳優。映像作品を中心に活動中。『セブンイレブン 母の日ギフト』、『NHK 北京オリンピック』などのCMに出演。映画は今回の作品が代表作に。出会いと、心と、日々丁寧に生きることを大切にしている。
松木大輔(まつき・だいすけ)/山田
20歳の頃より舞台、映像で活動開始。主な出演作品に『東京ウィンドオーケストラ』(2016/坂下雄一郎監督)、『ヒメアノ~ル』(2016/𠮷田恵輔監督)、『BLUE/ブルー』『空白』(いずれも2021/𠮷田恵輔監督)、『愛のくだらない』(2020/野本梢監督)などがある。
太志(たいし)/田崎
1997年福岡県生まれ、小学校から高校まで大阪府で過ごす。役者、モデルとしても活動し、舞台ではTOKYO笹塚ボーイズ主催「透ける躯体」「死んだあとにあげる花束よりも、生きているあなたに花束を。」に出演し、映画では『愛のゆくえ』(2022/宮崎風花監督)や『カフネ』(2023/杵村春希監督)に出演している。
関口蒼(せきぐち・あお)/本田あずさ
新世代ダンスボーカルユニット“TEMPURAKIDZ”として2013年から2021年まで活動。グループ卒業後、本格的に女優として活動開始し、舞台や映画などに出演。主な出演作は、映画『彼女たちの話』(野本梢監督)、初主演を務めた『光る鯨』(森田博之監督)、『祝祭』(原雄次郎監督)。
小野孝弘(おの・たかひろ)/三澤
大分県出身。サラリーマンとして社会人経験を積んだが、30歳の誕生日の夜に思い立ち、小さい頃からの憧れだった役者を志す。主な出演作品に、『大拳銃』(2008/大畑創監督)、『拳銃と目玉焼』(2012/安田淳一監督)。他多数映画以外にもTV、CMでも活躍中。
ksayaka(けー・さやか)/木野サヤ
2015年ギターでの弾き語りを開始。 自主リリース「山を見る係」(2015)と「欠片の方」(2017)のほか、レーベルMajikickが運営するストリーミングサイト「Minna Kikeru」にて2021年に「asa gao」「Hyō ten ka」、2022年4月に「Kumo」をリリース。本作の撮影で使用された大久保ひかりのうまで定期的にライブを行う。
監督 知多良(ちた りょう)プロフィール
1988年生まれ、東京都出身。生活と恋愛の映画を撮っている。2016年、世代間格差と恋のはじまりを描いた短編映画『ロープウェイ』が11th 福井映画祭短編部門にてグランプリ受賞。2017年、短編『前世、河童』ではフランスのグルノーブル屋外短編映画祭にて招待上映される。2020年、グッナイ小形『きみは、ぼくの東京だった』MVを監督し米国アカデミー賞公認映画祭Short Shorts Film Festival&Asia Cinematic Tokyo部門にノミネート。2023年に池袋シネマ・ロサにて監督特集「恋と生活」を開催。
知多監督が手掛けたMV グッナイ小形「きみは、ぼくの東京だった」https://x.gd/TDDKD
■主なフィルモグラフィ・受賞歴
『ロープウェイ』(2016/18分)
・鶴川ショートムービーコンテスト2016 グランプリ
・福井映画祭11th 短編部門 観客賞(グランプリ)
・20th CHOFU SHORT FILM COMPETITION 奨励賞
・2017年度西東京市民映画祭第16回自主制作映画コンペティション
優秀作品賞(2位)&シネマ倶楽部特別賞
『見えない、光』(2017/30分)
・第8回伊勢崎映画祭 グランプリ ・第5回つくばショートムービーコンペティション佳作賞
・2019年度西東京市民映画祭第18回自主制作映画コンペティション 優秀作品賞
・SeishoCinemaFes 2nd コンペ短編部門 最優秀男優賞(サトウヒロキ)
『ゴールド』(2024/120分)
・福井映画祭 16TH グランプリ&長編部門観客賞
・沖縄 NICE 映画祭3 準グランプリ
・第 16 回 福岡インディペンデント映画祭 長編優秀賞
・十三下町映画祭 シネマプランナーズ賞
・第 15 回日本映像グランプリ 主演俳優賞受賞
本作は、2人の男女の恋愛の始まりから終わりまでを描いた映画です。そして恋愛の外で出会った多様な人たちを描いた映画です。大切にしているものを傷つけられたり、それなのに誰かを傷つけてしまったり。簡単に誰かを加害者や被害者と決めつけず、1人の人間の中の多様性を描くことを心がけました。
このテーマは、私自身が生きていく中で感じてきたことでもあります。実際に、男ばかりの清掃の仕事を経験し、仕事ができて頼りになる人がパワハラやセクハラ発言をしていたり、男同士の職場でも陰湿ないじめがあったりするのを目の当たりにしました。一方で、ジェンダーバイアスについて共感し合っていた女友達が、正義を振りかざすことで誰かを傷つけてしまうこともありました。こうした現実の経験が、本作の脚本のベースになっています。そんな私の経験をもとに、主人公たちはあらかじめ決められた「性別の役割」と「欲望」の狭間で葛藤しながら、「自由」や「意志」という問いに向き合います。「自由」や「意志」は、私自身の考えだけでは到底太刀打ちできるテーマではありませんでした。そこで、スピノザやアーレント、ユクスキュルといった思想家たちの文献を手がかりにしながら、映画の中で描こうと試みました。
「ありのまま」で生きていけない多くの人たちにこの映画を届けたいです。ぜひ、映画館で本作をご覧いただきたいです。

『ゴールド』
(2024/日本/120分)

松木大輔、太志、武田祐一、藤村拓矢、佐藤達也、庄司浩之、漆崎敬介
関口蒼、卯ノ原圭吾、やまぎしゆうや、Ksayaka、グッナイ小形
加茂井彩音、平川はる香、田野真悠、いとうたかし、Mari niheri、ニローシャ
椋田涼、小野孝弘、二田絢乃、福地亜沙美、李多韻
田中陸、大川大、村田啓治、土屋直子、林優花、石井彩友美
監督・脚本・プロデュース:知多良
撮影:菊池祥太 助監督:金子愛奈、青木祐人 ヘアメイク:松村南奈(B★side)
スチール:Fujkawa hinano 共同プロデュース:野本梢
エンディング曲:グッナイ小形「グッドバイ」(Cafe au Label)
©︎2024「ゴールド」
配給 キノパトス