第17回TAMA映画賞：桜田ひよりが最優秀新進女優賞受賞「映画はなくてはならない存在」苦悩を越え活力溢れる演技を評価

2025年11月15日に開催された第17回TAMA映画賞授賞式において、女優の桜田ひよりが最優秀新進女優賞を受賞した。同賞は「本年度最も飛躍し活力溢れる活躍をした監督」あるいは「顕著な活躍をした新人女優」に対して贈られる。桜田は、対象作品となった『この夏の星を見る』と『大きな玉ねぎの下で』での、時代の空気と複雑な感情を捉えた演技が評価された。

目次 Outline

1. 「日常が失われた世界」で発揮した豊かな感情
2. コロナ禍の葛藤が役と重なる
3. 映画は「なくてはならない存在」

「日常が失われた世界」で発揮した豊かな感情

表彰状では、特に『大きな玉ねぎの下で』での演技が称賛された。桜田さんは、「日常が失われた世界」の中で、「豊かな感情」を表現した点が評価され、本年度「最も飛躍し活力溢れる活躍をした俳優」として表彰された。

登壇した桜田さんは、この素晴らしい賞をいただけたこと、そして映画を見てくれた観客の皆様に感謝の気持ちを述べた。

コロナ禍の葛藤が役と重なる

桜田さんは、受賞対象作品の一つである『この夏の星を見る』での役柄と、自身の経験が重なっていたことを明かした。

彼女自身、「実際当時と同じ高校時代を送っていて、コロナ禍で文化祭や卒業旅行といった学校行事が全て中止になっていた世の中を経験していた。そのため、作中の登場人物たちが抱える葛藤や不安にすごく共感できるところがあり、役を演じる上でその感情が重なる部分があった」と語った。

映画は「なくてはならない存在」

また、桜田さんは自身にとって「映画がなくてはならない存在である」と強調した。

過去にお芝居について深く悩み苦しんでいた時期があり、その際「よし、もう何でもいいから映画を見よう」と決意し、「1日に多くて4本見る日もあった」というほど映画を見続けた時期があったという。その時に好きな映画のワンシーンを何度も巻き戻し再生し、「私もいつかこのお芝居ができるようになりたい」と活力をもらっていたと明かした。

桜田さんは、この期間があったからこそ、「今、お芝居を純粋に楽しく、心から人との繋がりや言葉に求められているのは、あの日の自分がいたからだと感じている」と、映画への深い感謝を述べた。

今後の抱負として、去年から今年にかけて撮影した作品が「来年に向けて花開く年になる」と考えているとし、期待して待っていてほしいと締めくくった。