映画『いってきます。』の劇場公開初日となる2025年11月21日（金）、シモキタ-エキマエ-シネマ K2にて公開記念舞台挨拶が開催された。主演の西堀文や小池匠監督、プロデューサーの西岡空良ら5名は、映画ソムリエの東紗友美がMCを務める中、喜びを語りった。特に西岡プロデューサーは、本作が自身の実家の取り壊しをきっかけに企画されたことを明かし、実の母親がこの日初めて映画が撮られた事実を知ったという衝撃の裏話を告白。家族の濃密な時間を描いたホームドラマの門出を祝い、キャスト陣は役作りや撮影時の温かいエピソードを披露しました。未来への優しい祈りが込められた作品が、多くの観客の心に響く舞台挨拶となった。
目次
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■ 映画『いってきます。』
“ぶんちゃん”として今 tiktokで大人気の女優 西堀文(にしぼりあや)が初主演を務める本作は東京・世田谷を舞台にした家族の濃密な時間を描いたホームドラマ。 プロデューサー自身が経験した実家の取り壊しを基に企画された本作は、つんく♂主催のTOKYO 青春映画祭にてグランプリを受賞した 『消しかすの花』の監督である小池匠がメガホンを握る。
今年5月に開催された、 俳優の別所哲也が主宰を務めるアジア最大の短編映画祭 「ShortShortsFilm Festival & Asia 2025」 にて最高視 聴者数を記録した「Most Viewed Award」 を受賞し、満を持して今回この作品が撮影された土地へ凱旋。 東京・下北沢にて劇場公開を迎える。
公開初日の喜びと観客への感謝
Q. 公開初日を迎えた心境は？
劇場公開の初日を迎えるにあたり、登壇者一同は満席となった会場への感謝を述べました。主演の西堀文さん（沙織役）は、K2での上映決定を皆で「お祭り騒ぎ」で喜んでいたとし、初日にこんなにたくさん素敵なお客様に来てもらえて「心から嬉しく感無量でございます」と喜びを伝えました。小池匠監督も、初日を満席で迎えられたことが「本当に嬉しい限り」だとコメントしています。本橋佳代子さん（ゆかり役）は、「この映画の門出に皆さんがこうやって集まっていただけたことを嬉しく思っている」と述べました。
衝撃の制作秘話：実家取り壊しと母親のサプライズ
Q. 映画制作に至った経緯について
プロデューサー兼撮影監督の西岡空良氏から、企画の驚くべき原点が明かされました。本作は、西岡氏のリアルな実家が取り壊されることをきっかけに企画され、映像に映る家は実際に西岡氏が育った家であると説明されました。撮影は、家が取り壊しを始める約1ヶ月前から行われたとのこと。西岡氏は、この仕事を通じて「クリエイティブに生きていい体に育ててもらった時間と空間」に対し、映像という形で感謝を伝えたいという思いから制作を動かしたと語りました。
Q. 最大の裏話は？
西岡氏は、最も驚くべき裏話として、自身の母親（ゆかり役のモデルとなった人物）が、この映画が撮られたということを本日初めて知りましたと告白しました。また、作中で沙織（西堀さん）が取り壊しのお知らせをビリっと引きちぎるカットは、西岡氏の「剥がしたい」という気持ちを代弁してもらったものであると説明されました。
主演・西堀文「何もせず成立した」オファーのきっかけは「飲み屋」
Q. 主演オファーを受けた際の心境と役作りは？
沙織役の西堀文さんは、オファーが台本からではなく、「（西岡）空良さんの実家が取り壊しになってしまうという事情がきっかけだったため、大切なものがなくなる瞬間に立ち会うことにドキドキした」と語りました。
西岡氏が西堀さんを主演に選んだ決め手は、彼女の「お芝居に対しての情熱」でした。オファーの最初のやり取りは「飲み屋さんでしてね」とフランクに行われ、その次にすぐ映画のオファーがあったという異例の経緯が明かされました。
西堀さんは、役作りについて「特に何もしていない」ことが良かったとし、お母さんやBOSSちゃんを含めた皆が土台をすごく丁寧に丁寧に作り込んでくれたおかげで、自然体で演じられ、オレンジっぽさというか温かみが出たと述べた。
本橋佳代子、ゆかり役との葛藤と親子愛
Q. ゆかり役の役作りで苦労した点は？
ゆかり役を演じた本橋佳代子さんは、小池監督の「なんて優しいものを撮る方なんだろう」という印象から、自ら監督に連絡して出演に至ったことを明かしました。
役作りでは、西岡氏の実際の母親（ゆかり役のモデル）に会いたかったものの、西岡氏から「絶対無理なんです」と断られたため、西岡氏からの情報のみで役のイメージを作り上げたという秘話が語られました。
西堀さんとは、現場で西堀さんが常に「お母さん」「ママ」と呼んで本当の親子のように接してくれたという温かいエピソードが紹介された。
また、本橋さんは、監督から「ゆかりさんは泣かないキャラクターだよ」と言われていたにもかかわらず、本橋さん自身がすぐ泣いちゃうため、特にドレスのシーンなどで、泣かないように何度か撮り直しになったことを告白した。
監督・小池匠が語る「1週間前の脚本」と未来の象徴「BOSSちゃん」
Q. 制作における一番の苦労は？
小池匠監督は、西岡氏から企画の話を受けた際「楽しそうだ」と感じ、「やらない理由がない」と引き受けたものの、最も苦労したのは「脚本」だったと述べた。取り壊しまで1ヶ月を切ったタイミングで、プロットもなくスタートし、喫茶店で4時間議論。監督は、撮影の1週間前に家で徹夜をして、ようやく脚本を書き上げたと、短い制作期間の苦労を語った。
Q. BOSSちゃん（赤ちゃん）の登場意図は？
弘樹のこども役を演じたBOSSちゃん（現在1歳7ヶ月）は、撮影当時「ほとんど泣かずによく寝る、めちゃくちゃいい子」だったとのこと。小池監督は、皆で家を見る最後のシーンで、寝ていたBOSSちゃんが父親に抱かれ「お家だよ」と声をかけられた瞬間に目を開けたという「スーパープレー」があったと紹介しました。監督は、この映画を「未来に進める話にしたい」という意図があったため、BOSSちゃんを未来を象徴する存在として登場させたことを説明した。
MCからの作品評と観客へのメッセージ
MCを務めた映画ソムリエの東紗友美さんは、映画について「心の柔らかい部分が掘り起こされるような作品だった」と評し、西堀さんの「いってきます。」という一言が「過去と未来を結び直すようだった」と感想を述べた。また、映画全体に「家に染みついた温かさ」を感じたとし、トマトの味噌汁の描写やインテリアコーディネーターを目指す沙織の設定に触れ、優しさに満ちた作品だと評価した。
西堀文さんは最後に、この作品が「誰かのなにか心の安らぎに、慰めになったらいいな」と願いを込め、まだ話していないエピソードもあるため、何度も劇場に足を運んでほしいと観客に呼びかけました。西堀さんが残した「いってきます。」という一言は、郷愁ではなくこれから訪れる未来への優しい祈りであると評されている。
▼上映時間
12月4日までの上映時間とイベント
※登壇者および舞台挨拶の予定は、都合により予告なく急遽変更になる場合がございます。予めご了承ください。※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
11/21(金) 18:15上映開始、上映終了後トーク（30分）（終了）
11/22(土) 11:40上映開始、上映終了後トーク（30分）
登壇：本橋佳代子さん(出演)、伊藤汐梨さん(歌手)、小池匠監督(脚本・本作監督)、西岡空良さん(撮影監督・プロデューサー)、MC：樋口佑奈さん(俳優)
11/23(日) 14:40上映開始、上映終了後トーク（30分）
登壇：本橋佳代子さん(出演)、伊藤汐梨さん(歌手)、小池匠監督(脚本・本作監督)、西岡空良さん(撮影監督・プロデューサー)、MC：中里ゆみさん(俳優)
11/24(月) 14:40上映開始、上映終了後トーク（30分）
登壇：山本亜依さん(俳優)、小池匠監督(脚本・本作監督)、MC：樋口佑奈さん(俳優)
11/25(火) 18:15上映開始、上映終了後トーク（30分）
登壇：加藤綾佳さん(映画監督・映像ディレクター・脚本家）・本橋佳代子さん(出演)・小池匠監督(脚本・本作監督)・MC：中里ゆみさん(俳優)
11/26(水) 18:15上映開始、上映終了後トーク（30分）
登壇：高橋龍輝さん、山口森広さん、小池匠監督(脚本・本作監督)、MC：樋口佑奈さん(俳優)
11/27(木) 18:15上映開始、上映終了後トーク（30分）
登壇：北村優衣さん(俳優)・山下礼さん(俳優)・西岡空良さん(撮影監督・プロデューサー)・MC：山口森広さん(俳優)
11/28(金) 20:05上映開始、上映終了後トーク（30分）
登壇：岡崎森馬さん(出演)・西岡空良さん(撮影監督・プロデューサー)・渡邉りか子さん (俳優・映画監督)・宮森玲美さん(俳優・映画監督)・MC：樋口佑奈さん(俳優)
11/29(土) 15:40上映開始、上映終了後トーク（30分）
【上映後トークショー/主題歌の生披露】登壇：本橋佳代子さん(出演)・岡崎森馬さん(出演)・伊藤汐梨さん(歌手)・小池匠監督(脚本・本作監督)・西岡空良さん(撮影監督・プロデューサー)・MC：Peter Clayさん
11/30(日) 20:05上映開始、上映終了後トーク（30分）
登壇：かわにしなつきさん(歌手)・西掘文さん(主演)・MC：西岡空良さん(撮影監督・プロデューサー)
12/1(月) 20:05上映開始、上映終了後トーク（30分）
登壇：里内伽奈さん、中里ゆみさん（MC）
12/2(火) 17:35上映開始、上映終了後トーク（30分）
登壇：木村知貴さん、小池匠監督、西岡空良さん（MC）
12/3(水) 20:05上映開始、上映終了後トーク（30分）
登壇：西掘文さん、中里ゆみさん（MC）
12/4(木) 20:05上映開始、上映終了後トーク（30分）
登壇：西掘文さん、小池匠監督、西岡空良さん、樋口佑奈さん（MC）
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Hajime Minamoto
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