- 2025年8月27日
映画『音楽 -ブラッシュアップ版- 』9月19日(金)新宿武蔵野館にてリバイバル上映決定!新ポスタービジュアル+岩井澤健治監督からのコメントも到着
『音楽 -ブラッシュアップ版- 』9月19日(金)新宿武蔵野……
2026年2月22日、シネマハウス大塚にて映画『藍反射』のU-22特別試写会が開催された。本作は20代で難治性不妊症と診断された企画・プロデュースの千種ゆり子氏の実体験を基に、若年層の女性が抱える身体の悩みや葛藤を描いた作品だ。上映後には千種氏に加え、野本梢監督、主演の道田里羽、共演の野上天翔、そして産婦人科医の重見大介氏が登壇。映画に込めた想いや、若いうちから知っておくべき医療知識について、トークショー形式で語り合った。

トークショーの冒頭では、映画制作の経緯とキャストによる役作りが語られた。企画・プロデュースの千種ゆり子氏は、自身が26歳の時に早発閉経と診断され、子どもを望めないかもしれないという現実に直面した経験を吐露。高校の同級生であった野本梢監督と、野本監督と映画を撮り続けていた稲村久美子氏に、社会で認知されにくい個人の悩みを映画にしてほしいと相談を持ちかけたことが始まりだったと明かした。野本監督は、若い世代こそ自分の体に早くから関心を持ってほしいという願いから、主人公・はるかとは異なる10代の少女・優佳里(ゆかり)を登場させたと説明した。
主人公の深山はるか役を演じた道田里羽さんは、役作りにあたり、主人公が患う多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)について深く学んだという。当事者のSNSを読んだり直接話を聞いたりして、当事者を傷つけないよう慎重に役と向き合ったことを語った。一方、はるかの恋人・筒井雄大役を演じた野上天翔さんは、撮影当時は10代だった自身の経験も重ね合わせ、自分の人生を優先してしまう若さゆえの言動として、一見冷たく見える雄大の態度を解釈したと振り返った。
続いて、本作の監修も務めた産婦人科医の重見大介氏が登壇し、映画で描かれたテーマに関連する医療知識の解説が行われた。重見医師はスライドを用い、女性は1ヶ月のうち約4分の3が生理や排卵による不調に見舞われる可能性があることを説明。男性には想像しにくい「知識の差」が相互理解の妨げになることを指摘した。また、映画の題材であるPCOSについて、卵胞が育っても排卵されずに卵巣内に留まってしまう「ネックレスサイン」と呼ばれる状態であることを解説した。
さらに重見医師は、年齢とともに妊娠率は低下し流産率は上昇するというデータを提示し、最新の不妊治療をもってしても45歳以上での妊娠は極めて困難であるという厳しい現実を伝えた。性感染症についても触れ、梅毒の急増に加え、将来の不妊原因となるクラミジアや、子宮頸がんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)への注意を喚起した。特にHPVワクチンについては、男性の中咽頭がん予防にも有効であることから、男性の接種も推奨した。参加者からの「婦人科の検査が痛そうで怖い」という質問に対しては、問診で必要性を判断し、性交経験がない場合などは無理に行わないとして、まずは相談に来てほしいと呼びかけた。
イベントの最後には、登壇者全員からメッセージが送られた。重見医師は「生まれた性別は選べないが、知識を持つことで互いに配慮し合うことはできる」と述べ、知識を得ることの重要性を強調した。野上氏は、男性も女性の体について学ぶことで、相手への理解が深まると語った。
主演の道田さんは、自身の経験も踏まえ、「生理痛でしんどい時や身体や心に不調を感じた時は学校や仕事を休んで病院に行っていい。自分の体を優先してほしい」と力強く訴えた。最後に野本監督と千種氏は、この映画が対話のきっかけとなり、自分の心と体に向き合う時間を持ってほしいと結んだ。会場は温かい拍手に包まれ、若年層が自身の健康とライフプランを考える貴重な機会となった。
映画『藍反射』
【ストーリー】
25歳の深山はるか(道田里羽)は、仕事やボランティアに奔走しながら、恋人との結婚を夢見てアクティブに日々を過ごしていた。ある日、同窓会で再会した友人から不妊治療中であることを打ち明けられ、ショックを受けたはるかは、勧められるまま婦人科を受診し「女性なのに男性ホルモンが多い」と診断されるも、忙しさの中で対症療法的に片付けてしまう。しかし、不調を抱えながら迎えた大切な日、大量の出血に見舞われる。昔から持ち前の行動力で他者のために奔走してきたはるかだったが、自身の悩みは誰にも共有することができない……。そんな折、はるかは薬局で万引きを疑われている中学⽣・優佳⾥(滝澤エリカ)と出会う。彼氏に依存し、家族や友人と距離を置く優佳里。はるかは、そんな優佳里や周囲の人々を通して、今までの自分を見つめ返しながら、未婚のままひとり静かに疾患と向き合っていく。
道田里羽
滝澤エリカ / 井上拓哉 平川はる香 中山来未 定本楓馬 野上天翔 幹てつや(かりすま〜ず)
中原シホ 逢坂由委子 大貝瑠美華 大木 空(アバンティーズ) 美桜子 牧海斗 大塚菜々穂 村上りおん
土屋直子 小沼朝生 坂田遥香 大川 大 橋本紗也加 関口 蒼 小沢まゆ 二田絢乃 村田啓治
小島彩乃 岡本詩織 原恭士郎 藤 主税 千綿勇平 蔦 陽子 A O I(G.U.M) 田村魁成
しゅんしゅんクリニックP 岡本宗史 元木大介 大高洋夫
熊谷真実
監督・脚本・編集 野本梢
企画・プロデュース 千種ゆり子
エグゼクティブプロデューサー 稲村久美子
撮影 知多良 照明 斉藤徹 録音 横田彰文
衣裳 大賀のぞみ ヘアメイク 鎌田優子 鈴木ゆうすけ 撮影助手 金子愛奈
助監督・スチール 小関莉沙 助監督 田村魁成 衣裳アシスタント 高橋菜々子 音楽 TAKEYA
メインビジュアル撮影 Fujikawa hinano
制作協力 極真会館埼玉県今井道場 若手映画監督応援上映わかな会 ローズレディースクリニック
制作 エイジアムービー 配給 キノパトス 宣伝協力 倉田雄一郎 協賛 B3is 鴻巣アドバンス株式会社 Quizin
製作 有限会社エイジア 千種ゆり子
©︎2025 RANHANSHA
映画『藍反射』(2025/日本/103分)
プロジェクトH P:https://ranhansha-movie.com/
2026年3月6日(金)~12日(木)/ヒューマントラストシネマ渋谷
2026年3月13日(金)~26日(木)/キネカ大森 全国順次公開
