池本陽海監督の長編デビュー作となる映画『ディッシュアップ』が、2026年6月20日より新宿K’s cinemaで公開されることが決定した。本作は、青柳翔演じるコミュニケーションに難のある料理長と、ハ・ヨンス演じる奔放なアルバイトが、価値観の違いから衝突しつつも心の距離を縮めていく奮闘劇だ。公開決定に伴い対照的な表情が印象的なポスタービジュアルが解禁されたほか、3月20日には都内で完成披露舞台挨拶付き上映会が開催され、池本監督が登壇し撮影の裏側や作品に込めた思いを語った。

【対照的なポスタービジュアル解禁】
今回解禁されたポスタービジュアルでは、凝り固まった価値観に縛られているかのように腕組みをしてしかめっ面をする主人公の譲治と、その本音がわからず不思議そうな表情を浮かべるキム・ジュリの姿が対照的に描かれている。衝突しながらも次第に人間関係がほどけていく展開を期待させる仕上がりだ。本作は、父親を亡くして食事処を継いだ譲治のもとに、和食を学ぶため来日したジュリが偶然訪れるところから物語が始まる。三河悠冴演じるアルバイトの岩倉が見守るなか、凝り固まった価値観からの解放を目指す人々の姿を描き出している。
【限られた撮影期間での試行錯誤とこだわり】
3月20日、東京・菊川にあるカフェ併設のミニシアター「Stranger」にて完成披露舞台挨拶が開催され、上映後に登壇した池本監督が初の長編制作について振り返った。約10日間という短い撮影期間だったため、天候によるスケジュール変更や役者陣とのコミュニケーション不足に悩みながらも、寝る間を惜しんで完成にこぎつけたという。自主制作映画とは異なり、多くの関係者とやり取りを進める長編特有の難しさも実感したと明かした。
キャストに対しては、言葉で伝えきれない部分を汲み取って演技をした青柳への感謝や、長年の友人であり協力的な姿勢で臨んだハ・ヨンスへの深い信頼を語った。限られた時間の中でリアリティを追求するより、アニメに近い感覚でその瞬間に立ち上がる面白さを重視して撮影を進めたという。現場自体は事件も起きず順調だったが、ロケーション選びには徹底的にこだわり、プロデューサーに無理を言って作品の空気に合う場所を探し求めたエピソードも披露された。

【共生と共存を当たり前に描くテーマ】
舞台挨拶の終盤、池本監督は本作に込めた深いテーマについて言及した。対立を煽るような形ではなく、人と人とが一緒にいるという共生や共存を、当たり前のこととして描きたかったと述べ、作品の根底にあるメッセージを観客に伝えた。
最後に監督は、6月20日の公開に向けて、小規模な映画であるからこそSNSなどでの発信や協力が必要であると観客へ率直に呼びかけた。イベント終了後には監督自らがロビーで観客を見送る一幕もあり、終始温かな雰囲気に包まれたまま舞台挨拶は幕を閉じた。

映画『ディッシュアップ』
© 2025 埼⽟県/SKIP シティ彩の国ビジュアルプラザ
配給:MomentumLabo.
2026 年 6 ⽉ 20 ⽇(⼟)新宿 Kʼs cinema にて公開
