10月9日(金)に全国公開を迎えた、「孤独のグルメ」「神々の山嶺」等で知られる漫画家・谷口ジローの世界的名作を映画化した『遥かな町へ』。この度、公開を記念して、公開初日舞台挨拶を開催。出演者の⼤⾕亮平、滝藤賢⼀、⼾⽥菜穂、及川桃利、磯⾕萌々⼦、錦織良成監督が登壇。閉館直前の老舗ミニシアター、シネスイッチ銀座で思いを語った。

■ 映画『遥かな町へ』公開初日舞台挨拶レポート
本日10月9日(金)より全国公開を迎えた映画『遥かな町へ』。本作の公開を記念し、公開初日舞台挨拶が開催された。主演の大谷亮平をはじめ、共演の及川桃利、磯谷萌々子、戸田菜穂、滝藤賢一、そして錦織良成監督の6名が登壇。公開を迎えた喜びや撮影時のエピソードを語った。
映画『遥かな町へ』は、48歳の博史が、1963年の中学⽣時代にタイムスリップしたことから、⾃らの⼈⽣の選択を⾒つめ直す⼤⼈の⻘春物語。原作は、「孤独のグルメ」「神々の⼭嶺」で知られる漫画家・⾕⼝ジローが1998 年に発表した同名漫画で、世界の数々の漫画賞を受賞し、2010年には、ルクセンブルク=フランス=ドイツの合作で映画化もされた世界的名作だ。主⼈公・博史を演じるのは、韓国で俳優のキャリアをスタートさせ、今年で⽇本デビュー10 周年を迎えた⼤⾕亮平。1963年に⽣きる14歳の博史役に及川桃利、博史の初恋相⼿・⻑瀬智⼦役に磯⾕萌々⼦。ともにオーディションで抜擢された2010年⽣まれの新星。さらに、博史の両親役に、実⼒派俳優の滝藤賢⼀と⼾⽥菜穂。脚本と監督は、『RAILWAYS 49歳で電⾞の運転⼠になった男の物語』『たたら侍』『⾼津川』などの錦織良成。
舞台挨拶が行われたのは、10月25日をもって71年の歴史に幕を閉じる老舗ミニシアター・シネスイッチ銀座。満員となった客席からは、上映後に拍手が沸き起こった。そんな温かな雰囲気に包まれた会場に登場した大谷は、「初日を無事に迎えることができて本当にうれしいです」と切り出すと、「(登場シーンの時系列が違うため)登壇者の方々との共演シーンはありませんでしたが、今日ここにいるキャストの皆さん、監督と一緒にご挨拶できることをとてもうれしく思います」と晴れやかな顔を見せた。

オーディションで抜擢され、弱冠15歳の及川と磯谷。及川は「この映画のテーマは、家族の絆とは何かだと思っていて。家族だったり、故郷だったり、人生における幸せとは何かということを教えてくれるような作品だな、と思っています」と本作の魅力を語り、続く磯谷も「この作品は私にとって本当に大切な作品なので、皆さんにとっても大切な作品になればうれしいです。この映画で倉吉の良さを、たくさん知ってもらえたらと思っているので、ぜひ訪れてみてほしいです」と呼びかけた。

これまで多くの作品に出演してきた戸田は、鳥取県倉吉市で行われた撮影について「1年前に倉吉で撮影したんですが、本当に街の皆さんがとても親切で。とても暑い中で行われた撮影だったんですけれども、みんなで一丸となって作った映画です」と振り返り、「現代の人が忘れてしまったような情感というか、人間として大切なものをもう一回教えてくれるような、素晴らしい作品だと思っています」と本作を絶賛。

続く滝藤は、谷口ジローが手がけた原作についても触れ、「すばらしい原作者の作品を、本当にいい俳優さんたちと一緒に。しかも倉吉という漫画から飛び出したような、すばらしい場所で撮影をさせていただきました。とてもスペシャルな映画です。そして今日、こんなに歴史あるすばらしい映画館で、初日を迎えられること、本当に感謝しています」と会場に呼びかけた。

さらに錦織監督は、「谷口ジローさんというのは、ヨーロッパでも著名な方なので。今までの経験を活かして、その世界観をいかに壊さないようにするか、それに尽きました」と原作を忠実に再現したという。

原作を手がけた谷口ジローの故郷で、本作の舞台でもある鳥取県。舞台挨拶途中には、会場にサプライズで、鳥取県の平井伸治知事が祝福に駆けつける場面も。平井知事は「本当にすばらしい映画ができたと思っております。そして残念ながらシネスイッチ銀座が今月で閉館ということで、昭和から続いてきたこの映画館ですが、鳥取にはまだ昭和の景色が残っています。ぜひお越しください」とメッセージを送ると、「大ヒット間違いなし(梨)」という願いを込めて、錦織監督をはじめとした登壇者たちに梨をプレゼントした。

10月4日には、ロケ地となった倉吉市で完成披露試写会が行われ、6名揃って観客と映画を見たといい、大谷は「久しぶりにこの映画見て、すごく心が洗われるというか、ヒーリングも兼ねているような作品だと思いました。私も昭和55年生まれなので、そんなに昭和のことは知らないんですけど、それでも家の中の作りだったり、ふとんの柄とか、扇風機とか、懐かしい思いで見ていました。ここは自分の故郷じゃないかと錯覚するぐらいの、そういう落ち着いた気持ちになれました」と振り返った。
一方、中学生の博史を演じた及川は、「街の方々が『おかえり、桃利くん』と温かく迎えてくださって。本当に僕にとっては故郷のようなところで、倉吉におうちが欲しいなと思うくらい。それくらい僕の中でも濃い思い出でした。今後、悩んだり迷った時に心の支えになるのは、倉吉だと思っています」と倉吉に対する深い愛着を語った。
博史の母を演じた戸田も倉吉の撮影を「芸術作品のような緻密な画面でした。だからわたしもなるべくイメージを壊さないように、衣装やメークも心がけましたし、わたしが受け取ったイメージをそのまま演じました」と述懐。さらに夫婦役となった滝藤に関しても「滝藤さんはものすごく演技への情熱がある方。本当に町に溶け込んで、いい風を吹かせていらっしゃっていました。私もそこで一緒になって、本当にあの時代に一緒に入りこむことができたのでありがたかったです」と感謝の思いを述べた。
この日、ファッショナブルな特製スーツで登壇した滝藤。MCからその装いを絶賛されると、「実はこの役(高級紳士服店の店主)のために監修をしてくださったテーラーロンドンの米林真さんに、今日のために仕立ててもらったスーツなんです」と告白。「米林さんのところに習いに行って、いろんなお話を伺ううちに『僕も一着作ってもらいたいな』と思ったんです。採寸していただき、この『遥かな町へ』の舞台挨拶のためにつくった衣装です。生地も50年前のイギリスのものが使われています」と笑顔で説明した。
また磯谷は、初の映画プロモーションに緊張しつつも、「すべてがはじめてのことばかりで、緊張や不安も大きかったんですが、でもすごい楽しみが多かったです」と笑顔。「今回の役は自分と似ている部分もあったんですけど、今後は自分とは全く違う性格の役にも挑戦していきたいですし、その役柄に完全に入り込めるような女優さんになりたいです」と今後の展望を語った。

メガホンをとった錦織監督は、この作品が間もなく閉館となるシネスイッチ銀座で公開されることを踏まえ、「今回の『遥かな町へ』は大谷さんをはじめ俳優さんたちのすばらしい演技、そしてこのふたり(及川、磯谷)のキャスティングがバッチリでした。映画館がなくなるのは残念ですが、ぜひ最後の上映作品として広めていただければと思います」と語りかけると、会場からは拍手がわき起こった。
そんな舞台挨拶もいよいよ終わりの時間になり、登壇者を代表して大谷が「映画をご覧になっていただいて、『良かった』とか『心が響いた』とか、いろいろな感想があると思います。ぜひその気持ちをまわりのご友人に伝えていただき、より多くの方に観ていただけたら。そして、皆さんもおっしゃっていましたが、倉吉は本当にすてきな町なので。もし旅行先に迷われている方がいらっしゃいましたら、ぜひ倉吉の方にも足を運んでください」と締めくくり、大盛況のうちに幕を下ろした。映画『遥かな町へ』は、全国公開中。
| 【STORY】48歳の建築デザイナーの中原博史は、仕事の出張帰りにふと故郷・鳥取の倉吉を訪れ、母の墓前でなぜか彼は1963年の町へと迷い込み、“14歳の自分の身体”に戻ってしまう。だが意識は48歳のまま。彼は思春期の少年として、再び家族と向き合うことになる。そこには若き日の母、妹、祖母、そして、やがて突然家を出て失踪する父の姿があった――。 |
大谷亮平 及川桃利 磯谷萌々子 戸田菜穂 滝藤賢一
山咲トオル 平田薫 前田亜季 藤野涼子 奥田恵梨華
橋本マナミ 甲本雅裕
脚本・監督:錦織良成
原作:谷口ジロー
音楽:瀬川英史 エグゼクティブプロデューサー:山本敬 企画プロデュース:結城豊弘(ANOSA) プロデューサー:安川唯史
制作:goen 製作:BARCOS 配給・宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト 配給協力:渋谷プロダクション
2026年/日本/カラー/シネマスコープ/126分/PG-12
©︎2026 映画「遥かな町へ」BARCOS
https://harukanamachie.jp/ X/Instagram:@harukanamachie
全国公開中
