映画の中で一緒にヴァカンスを過ごせたら。映画『クレマチスの窓辺』瀬戸かほインタビュー

映画の中で一緒にヴァカンスを過ごせたら。映画『クレマチスの窓辺』瀬戸かほインタビュー

4月8日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷にて映画『クレマチスの窓辺』が公開される。本作は東京生まれ東京育ちの絵里(主演・瀬戸かほ)が、都会での生活を抜け出して、地方の水辺の街で過ごす7日間のヴァカンスのストーリー。
今回、主演の瀬戸かほさんにインタビューの機会をいただき、本作とご自身についてお話しいただきました。

クレマチスの窓辺
瀬戸かほ

■ 映画『クレマチスの窓辺』主演・瀬戸かほインタビュー

▼7日間のヴァカンスの映画。撮影はどのように進められたか。

-“都会の喧騒から遠く離れて、水辺の街で1週間のヴァカンス”と銘打たれた本作ですが、クラウドファンディングのページに記載された撮影予定スケジュールが7日間という部分に目が留まりました。実際の撮影はどれくらいの日数と進め方で行われたのでしょうか?

瀬戸かほ
実際の撮影も一緒で7日間でした。

-作品の中も、実際の撮影も7日間だったんですね。撮影は作品の7日間の流れに沿って順撮りで行われたのでしょうか?

瀬戸かほ
キャストの都合を考えると順撮りの撮影がなかなか厳しい部分もあったのですが、できる限り順撮りに近づけて撮るように監督が考えてくださいました。

-7日間の全ての日に、朝昼夜のシーンが含まれていましたが、撮影は大変だったのではないでしょうか?

瀬戸かほ
撮影された映像は、物や背景以外は全て私が映っているカットでした。なのでずっと絵里と一緒にヴァカンスを楽しんでいる感覚が強くありました。充実したヴァカンスだったと思っています。

-撮影の中で使われていた瀬戸さん演じる絵里の祖母の家が印象的でした。7日間の撮影を過ごす中で、あの家で寝泊まりはされたのでしょうか。

瀬戸かほ
あの家に泊まってみたかったのですが、管理されている方が住んでいらっしゃっていたのでホテルで宿泊していました。

▼瀬戸かほさんと、お花についての話

-映画のタイトルに含まれる“クレマチス”にちなんで、花に関する質問をしたいと思います。瀬戸さんのプロフィールの資格の項目に“飾花インストラクター”や“フラワーアレンジメント”の記載がありますが、お花は好きですか?

瀬戸かほ
好きです。植物についてもっと知りたくてお花屋さんでアルバイトをしていた時期もありました。その時に好きを突き詰めたいと思い、花の資格を勉強して取りました。

-お花に関する仕事を考えたこともあったのでしょうか?

瀬戸かほ
お花屋さんで働くことや、お花をアレンジメントすることに興味はあったのですが、今はこの道にいます。

-好きなお花は何でしょうか?

瀬戸かほ
好きなお花はミモザですね。黄色くてふわふわで、かわいらしいお花だなって思います。

クレマチスの窓辺

▼タイトルに“クレマチス”という花が選ばれた理由

-クレマチスの花言葉に“旅人の喜び”というものがあり、本作の“ヴァカンス”とリンクするものを感じます。この花が選ばれた理由について何かご存知でしょうか?

瀬戸かほ
コンビニでクレマチスの本をたまたま見かけ、手に取って読んでみたところ、クレマチスの花言葉を魅力的に感じたことが、本作を作るきっかけになったと監督はおっしゃっていました。

-クレマチスが選ばれたのは偶然なんですね。

瀬戸かほ
そうですね。元々クレマチスという花について詳しく知らなかったそうです。

-劇中で絵里が本屋に行って、表紙にクレマチスと書かれた本を取り出して読むシーンに重なる部分がありますね。

クレマチスの窓辺

▼島根で印象に残ったもの

-甘いものを食べることがお好きとのことですが、島根で印象に残っている甘いもの、もしくは島根ならではの食べ物はありますか?

瀬戸かほ
今回、島根では甘いものは食べられてはいないのですが、“鯖しゃぶ”が印象に残っています。初めて“鯖しゃぶ”を食べたのですが、ものすごく美味しくて感動しました。また食べたいなと思っています。

-スタッフやキャストに島根出身の方が多かったと思いますが、島根ならではの話が、みなさんから何かありましたか?永岡監督や脚本の木島さん、福場俊策さんやしじみさんというように島根出身の方が多かったと思うんですけど、島根出身の方ならではのお話がありましたらお聴かせください。

瀬戸かほ
「島根と言ったら“鯖しゃぶ”だ」と教えてくださったのが永岡監督で、シジミが有名だという話も伺いました。島根で撮影していることをあえて打ち出していない映画なので、作品上ではあまり反映されていないのですが、島根についてのお話は、監督や木島さんからお聞きしました。

-確かに、作品のキャッチコピーが、“島根の街”ではなく、“水辺の街”という表現でしたね。

クレマチスの窓辺

▼印象に残っている場所

-本作について「夕日が綺麗だった」とコメントされていましたが、その他にも印象に残っている場所はありますか?

瀬戸かほ
いとこの女の子(菊池みずき役:里内伽奈)と海に行くシーンがあるんですけど、その海があまりにも大きくて激しくて、びっくりしてしまいました。私の知っている海ではなくて、衝撃的でした。そこにあった灯台も観光スポットとして有名だそうで灯台の中にも入ってみたかったのですが、映画にはそのシーンがなかったので入ることは叶わず残念でした。

-従姉妹役の里内さんの話がありましたが、共演者と会話の中で印象に残っていることはありますか?

瀬戸かほ
里内伽奈さん、小山梨奈さんと私の同い年組でお芝居ができたことや、他にも素敵な方々とご一緒できて楽しかったです。里内さんとのエピソードとして、里内さん演じるみずきが車を運転して絵里と海に行くシーンがあったのですが、彼女自身普段あまり車を運転されないそうで、別の意味で緊張感のある撮影でした(笑)。

-映画のシチュエーションとは逆なんですね。 

瀬戸かほ
私もそんなに運転をする方ではありませんが、里内さんがすごく緊張されていて面白かったです。

-運転しながらのお芝居って難しそうですよね。

瀬戸かほ
そうですね。私も以前撮影で運転しながら話すシーンがあって、ものすごく緊張したことを覚えています。

-車中で同世代ならではの会話はされましたか?

瀬戸かほ
主に、最近したお仕事の話をしましたが、みなさん気さくで、常に明るい現場でした。夜みんなでご飯に行ったりもしました。

クレマチスの窓辺

▼大先輩との共演

-花屋の店主として小川節子さんが45年ぶりの復帰作として出演されていますが、撮影中になにかお話をされましたか?

瀬戸かほ
お芝居していてとても緊張したのですが、優しく受け止めてくださって嬉しかったです。大先輩のお芝居を間近で見られて幸せでした。

-45年ぶりの復帰作ということで、小川節子さんご本人はどういった話をされていましたか?

瀬戸かほ
「久し振りだわ」とおっしゃっていました。でも全くそういうブランクを感じさせず、その街に住む花屋の店主となって絵里を受け入れてくださいました。

▼一週間のお休みがもらえたら…

-瀬戸さんが本作に対してコメントされていたことを掘り下げてみたいと思います。“生活をお休みして、水辺の街でヴァカンス。正直かなり憧れがあって私も一度やってみたかった。”と書かれていました。ご自身で1週間休めるとしたら、行きたい街や都市。やりたいことはありますか?

瀬戸かほ
行ってみたい場所はいくつかあるのですが、おうちでのんびりすることが好きなので、一週間お休みがあるとしても、どこかに行きたいという思いはありつつ家で過ごしてしまう気がしています。

-行きたい場所って国外・国内などどこかありますか?

瀬戸かほ
海が好きなので、穏やかな海から、劇中にも出てくる激しい海までいろいろな海を見たいです。

-具体的に行きたい場所はありますか?

瀬戸かほ
この前、新潟方面を新幹線で走っている時に車窓をふと見たら海が広がっていて。とても綺麗な深い青色でした。それが今気になっています。新潟の海を見に行きたいですね。

-日本海は冬に見に行きたいイメージがありますね。

瀬戸かほ
雪とすごく合う印象がありますよね。
南の方にも行ってみたいですね。南の海の穏やかさも素敵だなと思うので。

-南だと行きたい場所はありますか?

瀬戸かほ
沖縄ですね。しばらく行けていないので行きたいなぁと思いながらネットで沖縄についてたまに調べています。

-神奈川のご出身だそうですが、地元で印象に残る海といえば、江ノ島、鎌倉、三崎あたりでしょうか。

瀬戸かほ
一番親しいのは鎌倉ですね。実家に住んでいた頃は、家族で鎌倉の海によく行っていました。海はもちろん好きなのですが、海に行くという行為も好きなのかもしれません。

クレマチスの窓辺

▼瀬戸かほさんが思い描く、ヴァカンスを過ごした絵里のその後…

-完成した作品を観てのコメントで、「絵里が今はどう過ごしているのかという妄想が膨らんだ」とコメントされていました。絵里はこう過ごしているだろうみたいな、何か仕事の面だったり、恋愛の面だったり、思い描いた妄想を教えて下さい。

瀬戸かほ
「絵里はヴァカンスで起きたことを現実に持ち帰るタイプなのだろうか」と考えていました。
仕事をまた一生懸命頑張るんだろうなと思いますし、あの街にはいつ行くのだろうという思いもあります。
売りに出されてしまうおばあさんの家はもうないので、次に行くときはまた状況が変わっているんだろうけど、そこで暮らしている皆さんに、また会えたらいいなと。

-絵里の台詞で「美容系に進みたかったけど、エアコンを売っている」がありました。瀬戸さんがやりたかった仕事にはどんなものがありましたか?

瀬戸かほ
モデルやお芝居の仕事が好きなので、任せていただけることに感謝しながら日々向き合っているのですが、他の夢をあえて今ここで挙げるとしたらお花を扱う仕事への憧れがあります。以前お花屋さんでアルバイトをしていたのですが、やりがいのある仕事でとても楽しかったので、いつかまた機会があれば働きたいです。

-最近は刺繍をされているそうですね。

瀬戸かほ
コロナ禍で家で過ごす時間が増えたので、この機会に何か趣味を見つけたいと思い、刺繍を始めました。集中しながら作れてとても楽しいです。

-集中しながら、何かを作れるっていいですよね。

瀬戸かほ
そうですね。形になるっていうことがすごくいいなって思いました。

-今は書かれていないプロフィールで、「写真を撮られること」っていうのが以前はあったと思います。写真はいかがですか?撮る方・撮られる方、どっちかっていうと撮る方を趣味にされている方が多いイメージがあるんですけど。

瀬戸かほ
鏡を見ている自分と、写真に映っている自分とは別物だと思っていて。
自分を意識している自分と、他者からみた自分という意味なのですが、作っていないそのままの自分が写真に写るのだとしたら、写真を撮ってもらうことは自分を見つめ直す機会になると思ったんです。
写真に写ることは元々苦手だったのですが、撮ってもらっていくなかで徐々に趣味になっていきました。

-写真集もご自身で企画されていますよね。

そうですね、「emanon」という写真集です。

-私も写真を撮るんで、撮られるよりは撮る方が好きなんですけど。

瀬戸かほ
撮る喜びもありますよね。自分が好きなところを切り取るという。

-自分が撮っている写真が、撮られている側から見て、気に入ってもらえているか気になってちょっと恥ずかしいんですよ。

瀬戸かほ
そういう思いもあるんですね。

-こういうふうに見ているって視点・視線みたいなものが、気づかれるというかそれはそれで嬉しい部分もありちょっと照れくさい部分もあったりします。

瀬戸かほ
なるほど、それはそうかもしれませんね。

-あとはやっぱりうまく撮れないときってやっぱりコミュニケーションが取れてないかなとか、このあと写真タイムなのでドキドキしますけど。そんなところがありますね。

▼瀬戸かほさんからのメッセージ

-好きなシーンや見どころ、お気に入りのシーンを教えて下さい。

瀬戸かほ
お気に入りのシーン、印象的なシーンは本当にたくさんあるのですが、個人的に絵里がここで変わっていくというシーンがロードバイクの旅の小田さんと出会うシーンで。そこは、特に印象に残っているシーンですね。
見どころとしては、美しい水辺の街の景色と、そこで出会う個性あふれる人々と、その方々と関わっていくことによって変わっていく絵里の三つかだと思っています。
今、どこか遠くに行くことが難しい状況なので、映画の中で一緒にヴァカンスを過ごせたらいいなと思っております。

クレマチスの窓辺

ヘアメイク:ふじわらみほこ

■プロフィール
西野絵里役:瀬戸かほ(Kaho Seto)
1993年11月11日生まれ。神奈川県出身。
2015年に映画『orange -オレンジ- 』でデビュー。映画、舞台、ウェブドラマで女優として活躍し、ミュージックビデオへの出演も多数。映画『リビングの女王』では第6回賢島映画祭にて助演女優賞受賞。広告やファッション雑誌、ブランドカタログなどモデルとしても活躍の場を広げている。


■ 映画『クレマチスの窓辺』 作品情報

▼イントロダクション
都会の喧騒から遠く離れて、水辺の街で1週間のヴァカンス――
海に行き、靴を買い、恋をする?

水辺の街で過ごす爽やかで、ちょっと不思議な、新しいヴァカンス映画

喫茶店で、海辺や湖畔で、家の庭でだらだらとおしゃべり。街中で知り合いにばったり会っちゃってまたおしゃべり。少し長い休暇を田舎の古民家でゆったり過ごす。もしかしたらちょっとした事件があるかも――

風光明媚な島根県オールロケで日本発のヴァカンス映画を監督したのは、本作が劇場デビュー作となる永岡俊幸。主演はモデルとして活躍し、「愛の小さな歴史 誰でもない恋人たちの風景 vol.1」などで女優としてもいま注目を集めている瀬戸かほ。そして、街で出会う人々を個性豊かな俳優陣が演じる。1970年代の日活映画で活躍した伝説の女優・小川節子の約45年ぶりの復帰作となる。主題歌「まどろみ」は、島根県出身のシンガーソングライター・山根万理奈による書下ろし曲。

▼あらすじ
東京生まれ東京育ちの絵里は、ストレスが溜まる都会での生活を抜け出して、地方の水辺の街でヴァカンスを過ごすことに。亡くなった祖母の古民家で暮らす1週間の中で、絵里はその街で生きている人々と交流する。建築家の従兄、そのフィアンセ、大学生の従妹、靴職人、古墳研究者、バックパッカーなど、一癖ある人ばかり。そんな出会いと祖母の遺したものたちが絵里を少しだけ変えていく――

■公開情報
▼キャスト
瀬戸かほ
里内伽奈 福場俊策 小山梨奈 ミネオショウ 星能豊 サトウヒロキ 牛丸亮 宇乃うめの しじみ 西條裕美 小川節子

▼スタッフ、クレジット
監督・編集:永岡俊幸
脚本:永岡俊幸、木島悠翔
配給・宣伝:アルミ―ド
Route 9  2020/日本/カラー/62分/ヨーロピアンビスタ/デジタル

▼公式SNS:
Twitter:https://twitter.com/clematis_madobe
Facebook:https://www.facebook.com/clematismadobe
Instagram:https://www.instagram.com/clematis_madobe

4月8日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

クレマチスの窓辺
クレマチスの窓辺

個別カテゴリの最新記事