「三谷幸喜『おい、太宰』劇場版」公開記念舞台挨拶。三谷監督、「これこそ映画として観てもらう作品」、「まさに画期的です!」と絶賛

完全ワンシーンワンカットで贈るノンストップ・タイムスリップコメディ「三谷幸喜『おい、太宰』劇場版」がついに全国公開!公開初日の7月11日には都内映画館で舞台挨拶が実施され、脚本・監督の三谷幸喜、主演の田中圭、共演の小池栄子、宮澤エマ、梶原善、松山ケンイチが参加。
イベントではワンシーンワンカット撮影の舞台裏や劇場版の楽しみ方などを語った。

©WOWOW

■ 「三谷幸喜『おい、太宰』劇場版」

本作は、脚本と監督・三谷幸喜で贈る一度もカメラを止めない「完全ワンシーンワンカット」シリーズ最新作。第1弾「short cut」、第2弾「大空港2013」、そして今回12年ぶりの第3弾『おい、太宰』の劇場版となっている。本作で舞台となったのは「海」。田中圭、小池栄子、宮澤エマ、梶原善、松山ケンイチの豪華キャストを迎えて、海辺を舞台に、太宰治を敬愛する平凡な男が時代を超えて奮闘する、ノンストップ・タイムスリップコメディ。

▼「三谷幸喜『おい、太宰』劇場版」公開記念舞台挨拶レポート

三谷監督が語る「おい、太宰 劇場版」の魅力と苦労

完全ワンシーンワンカットのシリーズ第3弾にして映画館での上映に三谷監督は「まさか劇場版になるとは思っていなくて、今こうしてこの場に立てているのが不思議」としながらも「これこそ映画として観てもらう作品だなという気がした。放送版よりも集中して観られる映画館の方が面白いですよ!」と自信満々。ワンシーンワンカットの面白味については「やっている方は大変だけれど、ご覧になる方はカット変わりがない分、一気に観てしまう面白さがある。しかもコメディなので、みんなで笑いを共有するという意味でも映画館で観てもらえるのは嬉しい」と述べた。

©WOWOW

太宰治をこよなく愛する平凡な男でテレビ番組の構成作家・小室健作役の田中さんは、1日1回、合計6日間の撮影を振り返り「スタジオで事前のリハはしたけれど、いざ現場に行ってみると予想以上に芝居エリアが広かったり、海辺の自然の中での撮影なので日によって潮位や天気の問題があった。僕らとスタッフさんと天気が一致しないといけないので、OKが出るのだろうかという不安もあった」とワンシーンワンカットならではの苦労を語りました。本番中に噴き出した汗も小池さんや宮澤さんの機転によってアドリブとして物語に組み込まれたそうで、これに三谷監督は「今日は映画館での上映なので、本当は今日も圭君の汗がお客さんにかかるような仕掛けをしたかった」と語り笑いを誘った。

©WOWOW

共演者が語る撮影現場のエピソード

太宰の恋人で天真爛漫な女性・矢部トミ子役の小池さんは「撮影中は皆の向いている方向が同じ感じがして、芝居に入った時の集中力が一致して演じながら良いチームワークで出来たと思った。舞台好きが多いので6回撮っても同じ回がないくらい、その場で感じた言葉を発してそれを受け取ってくれる技量のある方に囲まれていたので毎日が新鮮だった」と撮影期間を回想した。

©WOWOW

健作の妻で好奇心旺盛な健作を支えるしっかり者・小室美代子役の宮澤さんは「やればやるほどキャラクターの深みと欲が海辺の大自然の中にいることで解き放たれていった」と報告しながら、海へと入水する場面について「OKテイクになるだろう最終日に三谷さんから『帝国劇場にいる気持ちで芝居してほしい』という演出があったので、とにかく私の出来うる限りの大きな芝居をしようと思った。これ以上奥に行ったらダメだなというところで沈んでみたら思いのほか沈んでしまって。振り返ったら松山さんが背中を向けて笑っていた」と舞台裏を披露しました。これに松山さんは「あのシーンが大好き。下田の浜辺が帝国劇場になっていてビックリした。見どころポイントの一つです」と注目場面として勧めた。

©WOWOW

地元の漁師・打雷次郎のほか合計3役を務めた梶原さんは「事前に入念な打ち合わせをして早着替えの努力をしたけれど、本編を観てみると何の気なしに自分がいる。苦労のかけらも見えない。それはそれで素晴らしいと思った」と一安心。撮影中の移動は画面に映らないようカメラマンの後ろにピッタリ寄り添って着替えたり、唯一の移動経路であるトンネルをダッシュしたり、かなり苦労したという。とあるシーンでは予想以上に田中さんが早く戻って来てしまったそうで、梶原さんは「自分がカメラに映ってはマズいと思って岩肌の足場の悪い所を超ダッシュした。人間ってこんなに頑張れるんだと思った」と苦笑い。三谷監督は「今回の撮影で一番疲れていて、今もまだ疲れが取れていないと思う」と梶原さんの見えざる努力を労った。

©WOWOW

キャスト陣のこだわりと見どころ

健作がタイムスリップ先で出会った男・太宰治役の松山さんは、青森県出身の太宰と同郷。セリフを津軽弁にすべく、地元の知り合いのアナウンサーを相手に方言を学び直したという。「僕も東京暮らしが長くてシティーボーイになってしまったので、青森駅の喫茶店に二人で入ってずっと方言の練習をしていました。ただ青森の中にも津軽弁と下北弁があって、僕はゆかりの深い下北弁の自分の感じも入れたいと思ったので、かなりミックスしています。なので本作の言葉は『青森の言葉』という表現でお願いします」とこだわりを見せました。これに三谷監督は「いまだかつて太宰を描いて青森言葉で喋った人はいないはず。本作はまさに画期的です!」と絶賛した。

©WOWOW

また本作を別のキャラクターで演じるとしたらどの役を演じたいか?と問われた田中さんは「みんな嫌です!」と即答し「移動している梶原さんの事も見ているし、映ってはいけないプレッシャーの中でタイミングを計りながら演じるのは疲れる。山の中を行ったり来たりするのも大変なので…考えられないです」とお手上げでした。

映画館限定で上映される“もう一つのエンディング”も見どころ。最後に三谷監督は「“もう一つのエンディング”は放送版を観た方でも楽しめるように用意したものですが、実際はそのおまけのエンディングこそ本当のエンディングのつもりで撮ったものです」と明かしながら「本作を映画館での大画面で見ると、劇中の不思議な浜辺に自分がいるかのような感覚になると思います。その臨場感をたっぷりと味わっていただきたいです」と呼び掛けた。


「三谷幸喜『おい、太宰』劇場版」

【ストーリー】
小室健作(田中圭)は太宰治を敬愛する平凡な男。妻の美代子(宮澤エマ)と出席した結婚披露宴の帰り道、偶然太宰が心中未遂を起こした海辺に迷い込む。太宰ゆかりの地に興奮した健作は暗い洞窟を進んでいく。その先に現われたのは太宰治(松山ケンイチ)と恋人のトミ子(小池栄子)。タイムスリップしてしまった健作はトミ子に一目惚れをする。しかし、史実では2人はもうすぐ心中してしまう。トミ子を助けたい健作は奔走する!

◆脚本・監督:三谷幸喜

◆出演   :田中圭・小池栄子・宮澤エマ・梶原善・松山ケンイチ

◆撮影   :山本英夫  ◆録音:瀬川徹夫  ◆美術:坪井一春  ◆衣裳統括:宇都宮いく子

◆音楽   :荻野清子  ◆VFXスーパーバイザー:田中貴志  ◆カラーグレーダー:齋藤精二

◆音響効果 :倉橋静男  ◆スクリプター:山縣有希子  ◆助監督:是安祐  ◆制作担当:斉藤大和

◆企画   :徳田雄久  ◆アソシエイトプロデューサー:大瀧亮  ◆配給統括:鈴木一成

◆プロデューサー:山田雅樹 村松亜樹 石塚紘太 森賢正 

◆制作協力 :エピスコープ
◆製作著作 : WOWOW
◆配給   : WOWOW
©WOWOW

◆HP: https://www.wowow.co.jp/film/oidazai/ 

7月11日(金)公開! / 絶賛公開中!

この記事を書いた人 Wrote this article

Hajime Minamoto

TOP