- 2025年8月21日
映画『天使の集まる島』、青木柚 と さとうほなみ も魅了された島でのオフショット公開。サプライズ出演情報に 平井亜門
主演に青木柚、さとうほなみ、福地桃子らが出演している、新鋭・……
堀井綾香監督の最新作、異国ファンタジー映画『天使の集まる島』が、2025年8月29日(金)よりテアトル新宿ほか全国順次公開。南国マレーシアのペナン島を舞台に、闘病生活を送る青年・聡太郎の“空想の旅”を描く本作。本記事では、主演の青木柚さんと、神秘的な天使ミミを演じるさとうほなみさんへのインタビューを通して、撮影中の「チグハグで不思議な」体験 や、ミミの「触れたら壊れてしまいそう」な 魅力など、作品に込められた深い思いや知られざる舞台裏に迫ります。ふたりが語る『天使の集まる島』の知られざる世界観にご期待ください。

ー: まずは当サイト恒例の質問として、お二人の名前の由来についてお聞かせいただけますでしょうか。
青木柚: 柚子というのはからだを温かくする作用があるらしくて、そうやって周りを思いやれる人になってほしいというのと、柑橘系の爽やかな人になってほしいという願いが込められた名前だと聞いたことがあります。

ー:さとうさんは、いかがですか?
さとうほなみ: 父が、鈴木保奈美さんのファンだったからなんです。

ー: 貴重な話をありがとうございます。
インタビュアー: 青木さんにお伺いします。コメントでペナン島での撮影を「どこかチグハグで不思議な撮影だった」と振り返っていらっしゃいましたが、具体的にどのような場面や状況でそう感じられましたか?
青木柚: 僕がそのコメントを書いた時には、カラフルなペナンの雰囲気と、ハッピーだけじゃない登場人物のコントラストを考えていたんだと思います。自分自身はペナン島に来たことでテンションが上がっていたのですが、役柄的には浮かれないようにセーブしていた部分があったので、そこが自分にとってはアンバランスな空気感でチグハグだと思いました。役柄の心情と街の華やかさのギャップがすごかったです。
ー: ご自身の心の中のチグハグ感をあらわした言葉だったんですね。
ー: ダニエル役のジャド・ヒダーさんとの日本語と英語のセリフのやり取りが「意外と何も違和感がなかった」と仰っていました。実際のコミュニケーションはどのような感じだったのでしょうか?
青木柚: 本当に自然でした。日本でのお芝居とあまり変わらない流れで撮影が進んでいきました。もちろん言語が違うので、ジャドさんの台本を見て、「ここは日本語だとこういう言葉になります」というように、お互いのセリフの響きだけ確認し合ったり、「このセリフは英語だとこういう文で…」、といったやり取りを少ししました。でも「ニュアンスで伝わるものだな」というのを現地に行ってすごく感じたので、それが違和感がなかった理由だと思います。
撮影以外では、基本的に拙い英語か、ジャドさんが少し知っている日本語を使ってコミュニケーションしたりもしました。でも、知っている単語だけ並べて言うとか、途中からはなんとなくジャドさんの言いたいこと・言っていること、例えていうと、「“日本の撮影であるあるなこと”をジャドさんが言っているな」といったことが感覚で伝わってきました。
ー: ボディランゲージも使ったり?
青木柚: ボディランゲージもしていたと思います。ジャドさんはすごく日本文化が好きな方で、その人柄が話しやすかったです。

ー: 青木さんは、ミミ役を当初「もっとちいさいこどもみたいだと創造していた」とのことですが、ご自身の中でちいさい子だと思った理由はどこにありましたか?
青木柚: 名前の響きです。「ミミちゃん」みたいな現地の少女のイメージでした。海外で撮るとおっしゃっていたから、ミミもダニエルも海外の俳優さんなのかと勝手に想像していて、いざ決まったら、さとうほなみさんでびっくりしました。「えっ、どの役だろう」と最初に思ったのですが、すぐに「あ、なるほど」と。でも、脚本としては最初は本当にちいさいこどもの役だったそうなんです。
ー: そうだったんですね。
青木柚:そういった話も聞いていたから、ずっとちいさい子が来ると思っていたんですけど、「さとうほなみさんとここで共演できるんだ!」という驚きが最初の感想でした。東京パートで出てくださるのかなと思っていたのですが、ミミとして長い時間一緒だったので、最初にその驚きがありました。
ー: 演技プランなどで変わったことはありましたか?
青木柚: “ミミがちいさい女の子になるかも”、と聞いていたのは本当に初期の段階で、その時はそこまで自分もしっかり役と向き合う時間を取れてはいなかったので、さとうほなみさんと分かってから、いつも通り作品に向き合っていけて、特に演技が変わったというよりは、むしろペナンに行ってからが本番という感じでした。
ー: さとうさんにお伺いします。ご自身の役柄を「『飛べない天使』の前日譚であり、もう仕上がっているキャラクターに影響力を与えるという重大な役割でした」とコメントされています。ミミとして聡太郎にどのような「影響力」を与えたいと考えて役作りをされ、それがどのように聡太郎の「ルーツ」に繋がっていったとお考えでしょうか?
さとうほなみ: 『飛べない天使』を拝見した時に、聡太郎はいろいろなことに傷ついているけど、ちゃんと自分を持っている子で、すごく自由に生きている子だという印象を受けたんです。それで、ここへ行くまでの前日譚となると、心を閉ざしている少年であることの方が多かったので、それがそこまでひらけるようになるのは、どういうことが起きて、何が彼に影響を与えてそうなったのかというところが見えなかったらすごく嫌だなと思いました。台本には、ミミという先輩天使のような存在が、ちゃんと道筋を開けるような作りになっていたので、あの通りになりました。
堀井監督からは「好きにやっちゃって」と言われていたので、台本に準じて、自分がミミみたいに自分が思うミミを自由に演じていたら、きっと台本がそこに導いているので、彩りみたいなものにもなると思いました。
確かに『飛べない天使』の中では、聡太郎はすごく明るいキャラクターというところがあるのですが、その前日譚の部分で、何かが影響しているという部分の先輩天使という感じです。だから、あの話も本当に聡太郎の空想の世界であって、自分にプラスじゃない空想をするのはすごくしんどいことなのですが、でも気づかせるための空想というのは、あれは本当に今、青木柚君が言っていたみたいなチグハグであればあるほど空想の世界っぽいというか、日本語と英語で会話しているとか、割と街がごちゃっとしているとか、急にカラフルな街が現れるとか、そして開けた空が現れるとか、それが本当に空想感があって、“チグハグ”という言葉がすごく似合うなと思います。

ー: 堀井監督が描く天使は「自由でわがままで切なく儚い」と表現されていますが、トークイベントでは、さとうさんの演技が非常に自由奔放でアドリブも多かったというお話がありました。ミミの「自由さ」や「わがままさ」をどのように表現し、そのアドリブはどのような瞬間に生まれていったのでしょうか?
さとうほなみ: 自由奔放に生きていると言うと色々あるとは思うんですけど、ミミという人は、素直に自分の心に正直に生きていて、「これは好き、あれは嫌い」とはっきりしています。でも、ちゃんと愛するものがダニエルだったりと、きちんとあるから、ただのわがままにはならないんです。大切にするものがちゃんとあるからこそ、守るべきものはちゃんと分かっているわがままさというか。
だから映像で客観的に見たら、聡太郎から見たらとてもうざい人にはなっていたと思うけど、“なぜか愛らしいキャラクターに見える”という風に演じていたんじゃないかな…という気はしています。
ー: スプリンクラーのエピソードを耳にした記憶があります。
さとうほなみ: そういうシーンもありましたね。聡太郎からしたら「ちょっかい出してくる変な人だ」みたいな印象がミミにはあるけど、作品としてお互いに誰も何も考えてないわけじゃないっていうのがすごくいいバランスで、当人同士はそれを感じているのか感じていないのか…全く感じてないことはないだろうけど、すごく絶妙な心の察し方、この3人がすごく絶妙な距離というのは、客観的に作品を観て思います。
ー: 本作の舞台であるマレーシア・ペナン島は、堀井監督が「世界をギュっと凝縮させたみたいな魅力がある場所」だと仰っていました。お二人にとって、ペナン島の多文化が共存する雰囲気やエキゾチックな街並みは、作品の世界観やご自身の演技にどのような影響を与えましたか?特に印象に残っている旅ならではの面白い経験があれば教えてください。
青木柚: 印象に残っているエピソードとしては、ほなみさんがジャドさんの前に現れるあそこの撮影場所が、格式高いホテルを借りていたと思うんです。すごく雰囲気のあるホテルで、そこだけ吹き抜けになっていて、そこに現れるシーンっていうのは「あ、始まったな、この映画が」っていう気持ちになってすごく印象的でした。偶然に雨も降ってきたし。
さとうほなみ: 私が印象に残っているエピソードとしては、雨かな。私が登場する前に降っていて、いざ私が出るってなったらやんで、葉っぱに水滴がついて、地面は濡れてるけど人は濡れてない…みたいなのとか。私の最後のシーンはもう雨が止まなくて、でも時間に制限があったので、「もうこのまま行こう!」って撮ったその雨のシーンがすごく良くて、“自然に恵まれた!”という感じでしたね。
ー: 青木さんは、ペナン島に先に入られていたんでしたっけ?日焼けが大変だったり、さとうさんはスケジュールの関係で、やってきたと思ったら、あっという間に去っていったなんていう話も耳にしました。
さとうほなみ: 裏話中の裏話ですね。
青木柚: 先に自分がペナン島に入っていて、途中からほなみさんがいらして、通り雨のように通り過ぎて帰っていった感じです。
さとうほなみ: 帰っていったね。
青木柚: 本当に通り雨的に雨を降らせて…
さとうほなみ: 帰っていきました。
青木柚: そこが面白かったですね。
ー: 今年初めの完成披露上映会の時の話の記憶として、嵐のようにやってきて通り過ぎて行ったという印象が強くありました。作品の中でも、ミミのキャラクターや振る舞い方も、文字通り、聡太郎をかき回していったように感じました。
ー: 青木さんにお伺いします。『飛べない天使』の前日譚にあたる本作で、数年ぶりに同じ聡太郎という役を演じるにあたり、『飛べない天使』で描かれた「仕上がった」聡太郎とは異なる、病室での生活を送る聡太郎の「初めての想像の旅」を、どのように表現しようと試みましたか?
青木柚: 元々『飛べない天使』の時に自分の中にはなかったお話なので、後から前に遡ることってできるかな、チャレンジだなっていうことは最初に思いました。でも『飛べない天使』の聡太郎が自分的に、“もうちょっと知りたい”、と思う部分があって、絶妙な余白の残り方をしているキャラクターでした。
それをしっかりと、『天使が集まる島』で描き直せるというか、ひとつ遡って繋げられるというやりがいを感じました。そして、『飛べない天使』のシーンが逆に意味を持ちすぎて変わってしまったり、逆にあまりにも繋がらないようなことにはならないようにといったことは気をつけた点です。

ー: さとうほなみさんにお伺いします。「触れたら壊れてしまいそうなので、ぜひ観るだけにしてください。観るだけなら何回でも。というかぜひ観てください。」という、さとうさんらしいユニークなコメントが印象的でした。ミミという天使の脆さ、自由さ、そして人間との関係性の美しさを、観客にどのように感じてもらいたいですか?
さとうほなみ: これは聡太郎君の空想の物語なので、誰も触っちゃいけないんです。今思いついたんですけどね(笑)
だから皆さんは触っちゃいけないんですよ。だから、見るだけにしてほしい。触らないでって。でも見るだけなら何回でも見てください。

ー: 堀井監督は、映画制作を通して「“自分なんて何の力もない”と思っていたとしても、誰かを変えていくことができる。誰しもそういう存在になりうる」というメッセージを観客に届けたいと語っています。お二人は、この作品を通じて観客にどのようなメッセージを届けたい、または何を感じ取ってほしいと願っていますか?
青木柚: 堀井監督とお話ししていて思ったのですが、今回のアナザービジュアルのキャッチコピーに「諦めか希望か」みたいなキャッチコピーがあるんです。自分の置かれている環境の天井を自分で決めて、沈んでいく・あきらめてしまうことってあると思うんです。
それが絶対に悪いとは思わないのですが、沈んでいってしまっても、そこで、考えられる時間があるならそれは素敵だと思うんです。
それ以上にプラスかマイナスかというところで、プラスしていこうとか、少しでも空想やフィクション、物語のストーリーみたいなものを自分の中に生み出すことによって、ほんの少しでも何かが期待できたり、ひょんなことが起きたり、そんな遊びみたいな幅があれば、またなにかが変わるのかもなと。
映画というものを見ること自体が、非日常とかフィクションを見ることですが、その間に自分のちょっとした日々が重なって、この映画が観てくださる方々にとって、素敵な時間になったら嬉しいです。
さとうほなみ: この映画は異国ファンタジーですが、今を生きる人々に響く普遍的なメッセージが込められています。登場する4人はそれぞれ異なるものを抱え、異なる生き方をしていますが、きっとその中に共感できる言葉や行動が見つかるでしょう。この作品は『飛べない天使』の前日譚なので、既に観られた方も、まだの方も、ぜひ両方ご覧いただきたいです。

【ヘアメイク】
Misachi Moto
【スタイリスト】
Rina Maruo
【さとうほなみさん着用衣装】
ワンピース ¥132,000 MURRAL(THE WALL SHOWROOM) シューズ ¥56,100 KATIM 人差し指リング ¥18,700 ete ピンキーリング ¥79,200 ete bijoux
映画『天使の集まる島』
CREDIT
出演:青木柚 さとうほなみ ジャド・ヒダ― / 福地桃子
監督・編集・プロデュース:堀井綾香
プロデューサー:木村真奈美 脚本:川原杏奈
撮影:古屋幸一 録音・整音:Keefar スタイリスト:中村もやし ヘアメイク:くつみ綾音・鉢呂寿子
助監督:内田知樹 撮影助手:遠藤凌 カラーグレーディング:山田祐太
スチール:水島貴大 宣伝美術:神谷利男デザイン 宣伝協力:米澤あずさ 配給協力:イーチタイム
特別協力: Penang Heritage Trust 後援:マレーシア政府観光局
企画製作・配給宣伝:Nuiavan AB10 Company
©2025「天使の集まる島」製作委員会
2025|日本・マレーシア|33分|言語:日本語、英語|字幕:英語、日本語|カラー


STORY
「ずっと一人。これまでも、これからも…」闘病生活を送る青年・聡太郎。いつものように病院の屋上で寝転が
り、目を閉じる。ラジオから聞こえてくる不思議な音声に耳を傾け、ゆっくり目を開けると、そこはどこか知ら
ない“異国の島”だった。その地で出会うのは、“天使”と呼ばれるミミと、彼女を愛するダニエルの二人。彼らと
行動を共にする中で、聡太郎は自分自身と向き合うことになるが——。
映画サイト・SNS
※『天使の集まる島』『飛べない天使』の2つの作品を1つのアカウントで運用中
公式サイト:https://www.nuiavan.com/theangelisland
Instagram:@an_gel_film (https://www.instagram.com/an_gel_film/)
X:@an_gel_film (https://twitter.com/an_gel_film)
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