若手監督・吉川啓太、縦型ショートドラマに挑む!「100万円と壊れた愛」と「なりすましの恋」が、話題の配信アプリ「ミリオン」で公開

若手監督・吉川啓太、縦型ショートドラマに挑む!「100万円と壊れた愛」と「なりすましの恋」が、話題の配信アプリ「ミリオン」で公開

新進気鋭の監督、吉川啓太氏が手掛ける縦型ショートドラマ2作品、「100万円と壊れた愛」と「なりすましの恋」が、話題の配信アプリ「ミリオン」で今月公開が開始された。
吉川監督は、大学在学中に映像制作の授業がきっかけで映画の世界へ足を踏み入れた。 クラスメートと共同制作した10分のドラマで役者を経験し、監督の指示の重要性や役者の視点を学んだ。 この経験が、後の監督としてのキャリアに大きな影響を与えたという。

「映像制作において、脚本は最も力を入れている部分」と語る吉川監督。 大学では脚本を専門的に学ぶ機会がなかったため、憧れの脚本家の著書を研究し、独学で技術を磨いた。吉川監督作品の特徴であるテンポの良い会話劇は、脚本研究の成果と言えるだろう。 日常的な会話の中に、ハッとさせられる鋭いセリフを散りばめ、「登場人物の何気ない会話の中に、人生の真実や人間の深層心理を描き出すことを意識している」と語る。

今回、吉川監督が挑むのは、1話約90秒の縦型ショートドラマという新たなフォーマットだ。

「『ミリオン』は縦型ショートドラマという新しいジャンルの可能性を広げる、革新的なプラットフォーム」と期待を寄せる。短尺動画の制作においては、「起承転結をはっきりさせること」と「テンポの速い会話と効果的なカット割り」が重要だと語る。 また、スマホで撮影したような映像ではなく、ドラマとして縦型で撮影しているという意識で制作に臨んだという。

■ 吉川啓太監督インタビュー

▼映像制作の原点と個性に迫る

聞き手:本日はよろしくお願いいたします。吉川監督は大学で受けた映像制作の授業がきっかけで、映像の道に進まれたそうですが、詳しくお聞かせいただけますでしょうか?

吉川監督:はい、大学2年生の時に受けた授業がきっかけです。授業の一環として、クラスメートとチームを組んで10分のドラマを制作しました。  その時に、みんなで協力して作品を作り上げる楽しさを初めて経験したんです。

聞き手:チームでの制作は、どのような役割分担で行ったのですか?

吉川監督:12人ほどのチームで、監督、脚本、照明、音声など、それぞれ役割を分担しました。  出演者もチームメンバーが担当しました。

聞き手:その10分のドラマの内容はどのようなものだったのでしょうか?

吉川監督:シンクに足を突っ込んで歯磨きをする印象的なシーンがあって。女の子に振られた主人公を友人が慰めて、一晩一緒に過ごしたり、自転車に乗ったりする、そんな内容でしたね。

聞き手:その作品で吉川監督は監督を務められたのですか?

吉川監督:その時は役者を務めました。  ですが、その経験を通して、監督の指示のあり方や、役者の視点から見た現場の雰囲気など、後に自分が監督をする上で非常に役立つことを学びました。  今でも、あの時の経験が活きていると感じています。

聞き手:役者経験のある監督さんは、役者の気持ちが理解できるという点で、現場の雰囲気が良いという話をよく聞きます。 吉川監督も、その経験を活かして、役者とコミュニケーションを取りながら作品作りをされているのでしょうか?

吉川監督:そうですね。役者自身の考えや意見も尊重しながら、作品全体のバランスを考え、指示を出すようにしています。

▼大学入学前、そして脚本へのこだわり

聞き手:大学に入学される前は、服作りに興味があったそうですが、映像の世界に進路を変えたきっかけは何だったのでしょうか?

吉川監督:もともと空間デザインなども好きだったので、映像作品を通して、自分だけの空間を表現したいという思いがありました。  大学の映像制作の授業で、実際に自分の手で空間を創造できることに魅力を感じ、映像の世界にのめり込んでいきました。

聞き手:脚本にもこだわりをお持ちだそうですね?

吉川監督:はい、映像制作において、脚本は一番力を入れている部分です。

聞き手:脚本の勉強はどのようにされたのですか?大学では脚本の授業はなかったということですが…。

吉川監督:憧れの脚本家の著書を研究しましたね。  授業で脚本の書き方を学ぶ機会はなかったので、自分で本を読み、研究を重ねることで脚本の技術を習得していきました。

聞き手:尊敬する脚本家さんの作品を研究することで、どのような発見や学びがありましたか?

吉川監督:脚本の構成や登場人物の描き方、セリフの選び方など、多くのことを学びました。 特に、セリフのテンポや間合いは、観客を惹きつける上で非常に重要だと感じています。

聞き手:吉川監督の作品の特徴として「テンポの良い会話劇」が挙げられますが、それは脚本の研究から生まれたものなのでしょうか?

吉川監督:影響を受けた部分は大きいと思います。 尊敬する脚本家さんの作品を研究することで、自然な会話の流れの中で、登場人物の心情や物語を展開させる技術を学びました。今回の脚本家の方ともテンポ感の話をしました。

聞き手:日常的な会話の中に、ハッとさせられるような鋭いセリフが散りばめられていると感じます。

吉川監督:ありがとうございます。登場人物たちの何気ない会話の中に、人生の真実や人間の深層心理を描き出すことを意識しています。

聞き手:脚本の執筆に行き詰まった時は、どのように乗り越えていますか?

吉川監督:行き詰まった時は、尊敬する脚本家の著書を読み返したり、影響を受けたドラマを見返したりして、インスピレーションを得ています。  また、気分転換に散歩に出かけたり、友人と話をしたりすることもありますね。

▼縦型ショートドラマという新たな挑戦

聞き手:今回は「ミリオン」という新しいプラットフォームで配信される縦型ショートドラマ作品についてお話を伺いたいと思います。まず、「ミリオン」というプラットフォームについて、どのような印象をお持ちですか?

吉川監督:「ミリオン」は、縦型ショートドラマというジャンルの可能性を広げる、革新的なプラットフォームだと思います。 スピード感と、登場人物たちのリアルな感情表現は、視聴者の皆さんに新鮮な映像体験を提供できると思います。

聞き手:今回「ミリオン」で配信される作品は、1話約90秒の短尺ドラマですが、短尺フォーマットならではの苦労や工夫はありますか?

吉川監督:短い時間の中で、いかに視聴者を惹きつけ、物語の世界に引き込むか、という点は常に意識していますね。  特に縦型の動画ということもあり、起承転結をはっきりさせることが重要です。 起承転結がぼやけてしまうと、そもそも続きを見てもらえない可能性がありますから。

聞き手:確かに、テンポの速い展開が求められますよね。

吉川監督:テンポの速い会話と効果的なカット割りで視聴者を飽きさせない工夫も必要です。  会話の間合いも重要で、自然な流れを保ちつつも、短尺動画に最適な長さに調整することで、心地よいテンポを生み出そうと研究しました。

聞き手:縦型動画ならではの映像表現で工夫した点はありますか?

吉川監督:スマホで撮影したような映像ではなく、あくまでもドラマとして撮影しているという意識を持っていました。  例えば、人物を画面いっぱいに映し出すことで、より強い印象を与えることができます。

聞き手:それでは、それぞれの作品についてお伺いします。「100万円と壊れた愛」は、モラハラ夫から逃げる妻と詐欺師の青年の逃避行を描いた作品ですね。

吉川監督:「100万円と壊れた愛」は、モラハラを受けている主人公の莉映が、偶然拾った100万円をきっかけに、落とし主である詐欺グループの蓮という青年と出会い、夫から逃げるために協力し合う物語です。  蓮自身も、詐欺グループという今の環境から抜け出したいという思いがあり、それぞれが抱える問題や葛藤、そして一歩踏み出そうともがく姿を表現しました。

聞き手:夫婦の関係性がポイントになりそうですね。

吉川監督:そうですね。過去には愛し合っていたはずですが、物語がスタートする時点では、夫の信之はモラハラをするようになってしまっています。  信之がなぜモラハラをするようになってしまったのか、そこには信之なりの弱さがあると考えています。

▼キャスティングのポイント

聞き手:キャスティングのポイントを教えてください。

吉川監督:莉映役の吉倉あおいさんは、弱さの中に芯の強さを感じさせる演技が魅力的で、莉映のイメージにぴったりだと思いました。  モラハラ夫の信之役の佐野和真さんは、支配的な一面だけでなく、どこか脆さを感じさせる複雑な人物像を表現していただけると思い、オファーしました。  また、蓮役の山田健人さんは、若さと勢いがあり、蓮の持つ危うさと純粋さを感じました。

聞き手:もう一つの作品「なりすましの恋」は、妹の死の真相を追う姉の復讐劇ですね。

吉川監督:「なりすましの恋」は、主人公のあおいが、妹を自殺に追いやった可能性のある律という男に近づき、真実を探ろうとする物語です。  あおいは妹への強い愛情と、律への復讐心の間で葛藤し、次第に追い詰められていく。  彼女の歪んだ愛情と復讐心、そして律が抱える恐怖に注目することで、より深く物語に没入できると思います。

聞き手:姉妹の関係性が重要になりそうですね。

吉川監督:あおいと陽菜は対照的な性格の姉妹です。 陽菜は元気で明るい性格で、自殺するようなタイプではありませんでした。  一方、あおいは落ち着いていてクールな性格です。  そんな二人が、どのように物語に関わっていくのか、注目して見ていただきたいです。

聞き手:キャスティングについてはいかがでしょうか?

吉川監督:あおい役の小川李奈さんは、クールな雰囲気の中に、秘めた情熱を感じさせる演技が素晴らしいと感じ、オファーしました。  妹の陽菜役の速瀬愛さんは、明るく元気なイメージが陽菜にぴったりだと思いました。  そして、律役の門下秀太郎さんは、あおいに恐怖を抱く繊細な役を演じられると思い、お願いしました。  律は、本当は積極的ではないけれど、本当は言いたいことがある、という葛藤を抱えた青年です。

▼メッセージ

聞き手:最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。

吉川監督:「100万円と壊れた愛」と「なりすましの恋」は、愛と復讐という対照的なテーマを描いた作品ですが、どちらも人間の弱さや脆さ、そして心の奥底に潜む感情を丁寧に描いています。  縦型ショートドラマというフォーマットで、濃縮された人間ドラマを楽しんでいただけたら嬉しいです。  特に、Z世代の皆さんにも楽しんでもらえるように、彼らの意見を参考にしながら制作しました。

聞き手:本日は貴重なお話をありがとうございました。

<プロフィール>
吉川啓太(ヨシカワケイタ)
映像ディレクター
1999年3月29日、神奈川県出身

大学2年の時に実写映画に興味を持ち、映画の自主制作を開始。「トラベルノート」が、TikTok×TOHO Film Festival 2021でグランプリを受賞。その後、浜辺美波さん主演の縦型連続ショートフィルム『夏、ふたり』を監督。wacci「忘れたい」などのミュージックビデオや縦型動画で定評がある


■ 作品情報

▼『100万円と壊れた愛』

Millionオリジナルドラマ『100万円と壊れた愛』11月27日から配信開始

あらすじ:
夫にモラハラを受ける主婦。お金も管理されており自由に使えるお金はほとんどない。買い物の帰り道、落としていた財布を拾うと、中にはまさかの100万円が入っていて…。

主要キャスト
七海莉映:吉倉あおい
七海信之:佐野和真
汐見蓮:山田健人

▼『なりすましの恋』

ミリオンオリジナルドラマ『なりすましの恋』11月27日から配信開始

あらすじ:
仲良く一緒に暮らしている姉妹。気が利く明るい妹と人に媚びないタイプの美人な姉。ある日、妹が交通事故で亡くなったとの知らせが。亡くなった妹のスマホから、イジメのことを知った姉は復讐を誓う。

主要キャスト
戸塚あおい:小川李奈
戸塚陽菜:速瀬愛
佐々木律:門下秀太郎


作品配信先:
ショートドラマアプリ「Million」にて配信!

アプリ名:ミリオン – ショートドラマ配信アプリ Million

iOSアプリ:
https://apps.apple.com/jp/app/%E3%83%9F%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3-%E3%82%B7%E3%83%A[…]83%A9%E3%83%9E%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AAmillion/id6723876042

Androidアプリ:
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.flash.flashdramaApp

※ ショートドラマに加え、ショートアニメ配信が決定した影響等により、アプリ名が「FlashDrama」から「ミリオン – Million」に変更されております。

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