オオムタアツシの青春

映画『オオムタアツシの青春』公開記念舞台挨拶。パティシエ主人公の作品にちなみ、最近の「甘い幸せ」を語る

『オオムタアツシの青春』(フリック配給)の公開記念舞台挨拶が、9月27日(土)銀座シネスイッチにて行われた。本作は昭和風情が残る庶民的な炭鉱町である福岡県大牟田市を舞台に、苦節する大人たちと病気を抱えながらも前向きに生きる少女の出会いから生まれるかけがえのない絆の物語。本作の公開を祝して、筧美和子、福山翔大、林田麻里、陣内孝則、瀬木直貴監督が登壇し、全国公開を迎えた喜びはもちろん、亜美がオープンする洋菓子店のまばゆいスイーツにちなみ、最近身の回りで起きた“甘くて幸せ”な出来事を語りました! 都内で初の舞台挨拶として、観客の前で制作秘話や撮影の裏話、見どころまでをたっぷり語った。

■ 映画『オオムタアツシの青春』公開記念舞台挨拶レポート

筧美和子が明かす! 福岡出身キャストの温かさに支えられた撮影

すでにロケ地・福岡で先行公開されている本作。前日の9月26日(金)に全国公開初日を迎え、都内での舞台挨拶はこの日が初となりました。上映後の舞台挨拶とあって余韻冷めやらぬ観客の前に華やかな衣裳で登壇したのは、主演の筧美和子、福山翔大、林田麻里、陣内孝則、瀬木直貴監督。まず、全国公開を迎えた思いを聞かれた筧は「公開早々足を運んで頂き、ありがとうございます!この映画で主演を務めさせて頂き、光栄でした主演らしいことはしていなくて、心強い皆さんに囲まれたおかげで、リラックスして臨むことができました」と笑顔。

陣内は「世の中には上手な近所付き合いをする3つの秘訣がございます。…それはさておき、本日は足元がしっかりした中、ありがとうございます」と冒頭から抜群の掴みで観客を笑わせます。「上京45年。親父には人様に笑われる男にはなるな!と言われていましたが、今はこのザマでございます」と続け、さらに爆笑をさらいました。

一方、演出を手掛けた瀬木監督は「撮影をしていた去年の暑い夏のことを思い出します。福岡でも大入りで、自身を持って皆さんにお見せできます」と想いもひとしおの様子でした。

▼出演のオファーを聞いた時の想い

 出演のオファーを聞いた時の想いを問われた福山は、「瀬木さんとは、以前もご一緒していたので嬉しかったです」とコメント。福山と同じく、出身地である福岡県でのロケとなった陣内も「この役は無理かなと思いまして(笑)。というのも、トレンディ俳優としてチヤホヤされてしまったので田舎の人の役は難しいかなと」とユーモアたっぷりに回顧。

さらには、劇中の方言を即興で披露する一幕もありました。大牟田市出身の林田は美しい和装で登場。満面の笑みで、「もう幸せですね! 自分の生まれ育った街でロケをして、大牟田のソウルを届けることができたのが感無量です」と出演への熱い想いを告白しました。

▼大牟田でのオールロケ

 筧は大牟田でのオールロケを「台本を見ても最初は何を言っているのかわかりませんでした。でも、方言指導も林田さんがしてくださって、方言を録音した音声を聴きながら、撮影の後半には理解できるようになりましたし、ネイティブの方に囲まれた環境も良かったのだと思います」と振り返ります。陣内はその筧による方言習得の速さを絶賛。筧は劇中、陣内とアドリブによる会話劇があったことを明かし、「なかなか方言でアドリブを返すことができなかったのですが、撮影の後半、それに成功した際は思わずガッツポーズしました!」と撮影の裏側を明かします。

陣内のアドリブ応酬に筧が方言で返す!

 次いで、福山は撮影の雰囲気に関して「こんな感じです」とにっこり。「一カ月半を共に過ごしていたので家族のような感覚です」と語ります。現場のムードメーカーだった陣内は福山について、「彼はこれからもどんどん出てくる俳優だと思うんです」と前置きした上で、ある撮影で福山演じる司が絶叫するシーンで、陣内は耳元で大声による芝居を受けたために、「鼓膜が震えました(笑)」と恨み節。「先輩、勉強になります!」と恐縮しきりの福山でした。

パティシエ主人公の作品にちなみ「甘い幸せ」エピソード

イベント後半では筧演じるパティシエの主人公にちなみ、洋菓子のように「甘い幸せ」を感じたエピソードをそれぞれが語る展開へ。まずは、筧は「夫が今作を非常に楽しみにしていまして。満席にしたいということで、その話をしていたお店の人も巻き込んで、多くの方を今日の会場に呼んでくれて愛を感じました」と回答。

次いで福山が「先日、石川県の能登にお邪魔して、塩ソフトを頂いたんです。それがとても美味しくてほっこりしました」と可愛い答え。林田は「私の実家でもある地元・大牟田の映画館を復活させるというプロデュースイベントを行ない、そこで色んな方に手助けしてもらいまして。地元の方の愛情を感じました」と本作にもちなんだエピソードを披露。陣内は「子犬のパピーが懐くんです。もう私のことをめちゃくちゃペロペロしてくるんです」とペットトークで頬を緩ませました。

▼メッセージ

 最後は、筧が「林田さんが『映画は観て頂いてようやく映画になる』と福岡の舞台挨拶でおっしゃってましたが、まさにその通りだと思います。本作をどうか宜しくお願いします」と万感の想いを吐露。また、瀬木監督も「素晴らしいスタッフ、キャスト、そして観客に囲まれて、この映画は普遍性に到達できたと思います」と語り、イベントを締めくくりました。キャスト陣の醸し出す優しい空気感と「福岡愛」が作品に反映された本作。そのトークセッションに観客が熱い拍手を送る、アットホームな舞台挨拶となりました。


映画『オオムタアツシの青春』 


監督 瀬木直貴
脚本 松本稔

出演
筧美和子 福山翔大 林田麻里 / 陣内孝則

プロデューサー 宮崎逸郎 瀬木直貴
🄫2025「オオムタアツシの青春」製作委員会
配給:フリック

9月26日(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国公開中

この記事を書いた人 Wrote this article

Hajime Minamoto

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