田中未来監督待望の初長編『シルバー・エクスプレス』第 31 回釜山国際映画祭コンペティションにてワールドプレミア 大盛況のうちに終了

短編『ジンジャー・ボーイ』が第78回カンヌ国際映画祭ラ・シネフ部門第3位入賞を果たした新鋭・田中未来監督の初長編映画『シルバー・エクスプレス』。この度『シルバー・エクスプレス』が、2026年10月6日から開催の第31回釡山国際映画祭コンペティション部門へ出品され、田中未来監督、達富航平(撮影監督)、草田一駿(音楽)、直井卓俊(プロデューサー)が現地に参加。10月10日、映画祭のメイン会場となる<Busan Cinema Center Haneulyeon Theater>にて600人を超える観客が集うワールドプレミアを迎えた。

■ 映画『シルバー・エクスプレス』 ワールドプレミア

釡山国際映画祭で600人の観客が見守る中、記念すべきワールドプレミア大盛況で終了!

▼映画『シルバー・エクスプレス』

他者に恋愛感情を抱いたことがない智絵里は、いつもどこか孤独で浮いている。近しい友達との対人関係もうまくいかないばかりか、恋愛映画を見ても登場人物に共感できず、男友達からの好意にはうまく応えられない。そんな智絵里はある日、自分と同じように恋愛感情を持たない男性、翔也と出会う。2人は意気投合し、「自分たちは一人じゃなかった」と喜び合う。しかし、限りなく似ている2人には、決定的な違いがあった―――。


智絵里を演じるのは、高校時代からモデル活動をスタートさせ、本作が映画初主演となる注目の俳優・岡本ゆい。そして翔也役には、『HAPPYEND』が韓国で大ヒットを記録、田中監督の短編「ブルー・アンバー」でも主演を務めた栗原颯人。中村里帆、山脇辰哉、高橋璃央、中島侑香、中井友望、斉藤里奈、佐久間祥朗、大瀧慶祐ら田中監督と共に今後の日本映画界を背負うであろう新進気鋭キャストや、高良健吾、吉田羊ら実力派キャスト陣が集結。一貫して、現代を生きる若者たちの生きづらさを描いてきた田中未来監督が、恋愛感情や性的欲求を持たない智絵里の姿を通して、自分とは価値観やセクシャリティが異なる他者への“想像力”を持つことの困難と尊さを問いかける。

▼釡山国際映画祭 ワールドプレミア 舞台挨拶レポート

上映前の舞台挨拶で、田中監督が韓国語で挨拶すると、観客からは歓声と拍手が。「記念すべきワールドプレミアにお越しくださりありがとうございます。脚本を書く前に考えていたのは、自分と違う価値観を持つ他者を理解することの難しさと大切さでした。そのことを多くの人に伝えたいと思っています」と挨拶。撮影監督の達富は「主人公の悩みや孤独をどのように表現するかにこだわった。結果的に、カットごとに色味も溶け込むように映画を仕上げられたと思います。みなさんに早く届けたくて仕方がなかったので、楽しみです」とメッセージ。

音楽の草田は「悩みや迷いを抱えた主人公ですが、彼女がそんな側面も好きになれるよう、後押しできるような音楽を作れたら、と向き合ってきました。ですので、音楽を作る過程はとても感覚的なものでした」、直井プロデューサーは「極端に言えば自主映画でも良いからどうにか形にしたいと作り始めた作品。脚本の求心力によって、これから日本でも活躍していく新進気鋭の役者が揃ってくださった。代わりの効かない方たちばかりでした」とそれぞれ製作時を振り返りました。


そして、上映後のQ&Aには、田中監督、達富、直井プロデューサーが再び登壇。盛大な拍手で迎えられた田中監
督は客席を見渡し「自分にとっての初長編作品が今回の釡山国際映画祭でワールドプレミアを迎えられたこと、とても光栄に思います。また、自分の作品がこんな600人規模の会場で上映されるのも初めての経験なので嬉しかったです」と万感の表情。
岡本ゆい演じる主人公を“他者に恋愛感情を抱いたことがない”女性に設定した理由を聞かれた田中監督は、改めて、自分と違う価値観を持つ他者を理解することの難しさと大切さに触れた上で「脚本を書いていく中で、人を好きになるということがある種当たり前とされている世の中で、誰かを好きになったことがある人と、ない人の間には分か
りやすい対立構造が生まれるんじゃないかと考え、こうした設定にしました」。


そして、高良健吾演じる旅館のオーナー・林田と智絵里が話す場面について、智絵里の内面を映像でどう表現した
か?と聞かれた撮影監督の達富は「監督とは、林田が智絵里に言うことをいかに説教くさくならないように撮ろうかと話し合いました。その結果、林田にも智絵里にもカメラを寄らずに撮影しました。彼のような言葉って、その瞬間は響かないけれど、時が経つにつれて自分の中に浸透していくものだと思うんですね。なので、あのシーンは大袈裟に撮らないという選択をしました」と撮影意図を述懐。


次に観客が言及したのは、物語の舞台となる新宿という街の賑わいと孤独な智絵里との対比。田中監督は「もともと自分は、生きづらさや孤独を感じている人を主人公にしたいと思っています」と前置きした上で、「都会はこれまでの作品でも描いてきました。自分にとって新宿はよく行く街。実感としてあるのが、(新宿は)完全に理解はしてくれるわけではないけれど、多くの人を受け入れてくれる街、否定しない街なのかなと思う」と都会を描き続ける理由を明かした。


続けて「遠くを走っている電車の音が聞こえる主人公の設定はどこから生まれたのか」との質問に、田中監督は「私は幼少期から大勢の人が集まって会話しているような場所が得意ではありませんでした。いろんな人の表情や何を思っているか感じてしまうような子どもで。そんな時に何をしたかというと、自然の音や外から聴こえる音に耳を澄ませていました。そうするとその場から逃避できたし、ここではないどこかがあるように思えたんです。そのことにとても勇気づけられていました。なので(今回のストーリーには)自分の体験が入っているかもしれません」と吐露しました。


岡本ゆい 栗原颯人
中村里帆 山脇辰哉 高橋璃央 中島侑香
中井友望 斉藤里奈 佐久間祥朗 大瀧慶祐
高良健吾 / 吉田羊

監督・脚本:田中未来|エグゼクティブプロデューサー:和田有啓 鈴木さとる|プロデューサー:直井卓俊 秋山智則 藤井宏二|共同プロデュー
サー:加藤毅|音楽:草田一駿|撮影:達富航平|照明:及川凱世|録音:加唐 学|美術:春原美紀|スタイリスト:地蔵|ヘアメイク:ELLY
松本怜奈|助監督:福嶋賢治|制作担当:長島紗知|編集:BUNNY FAN FAN|スチール:菊地 空|宣伝美術:廣田 毅|製作:『シルバー・エク
スプレス』フィルムパートナーズ|制作プロダクション:Libertas|配給:KeyHolder Pictures SPOTTED PRODUCTIONS
|カラー|ヨーロピアンビスタ|5.1ch|98min ©2026 silver express Film Partners
公式X:@silverexpress12

2026 年 11 月 13 日(金)新宿武蔵野館ほか全国順次公開

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Hajime Minamoto

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