夜中のポップコーン

映画『夜中のポップコーン』テアトル新宿で初日舞台挨拶を開催。キャストと特別ゲストの武田梨奈が絶妙な空気感の裏側を語る

2026年5月19日、田辺・弁慶映画祭セレクション2026において、映画『夜中のポップコーン』の初日上映およびトークショーがテアトル新宿にて開催された。本作は、金曜の夜にテレビ放送されるモンスター映画を観るために集まった女子3人の一夜を描く、映画愛にあふれたコメディ作品である。上映後の舞台挨拶には、特別ゲストの武田梨奈さん、出演者の鳩川七海さん、笠松遥未さん、中尾多福さん、そしてMCとして映画ソムリエの東紗友美さんが登壇。終盤には藤本匠監督も登場し、満席の会場で撮影の裏話や映画に対する思いを語り合った。

夜中のポップコーン

リアルな空気感を生んだアドリブと綿密な稽古
ゲストとして登壇した武田梨奈さんは、本作について絶妙な笑いを誘う作品であり、出演者たちの空気感が素晴らしいと絶賛した。

この空気感の背景について鳩川七海さんは、自身と中尾多福さんが同じ劇団で活動しており、笠松遥未さんとも共演経験があることから、普段からの深い関係性が自然に映像に表れたと説明した。

また、関西弁の微妙なニュアンスやテンポ感を表現するため、撮影前や現場で何度も稽古を重ねた一方で、冒頭のポップコーンを作るシーンなどは台本のない即興芝居で撮影されたことも明かされた。中尾さんは、お酒の瓶が開かないといったハプニングがそのまま本編に使われたことを振り返り、関係性ができているからこそ安心して演じられたと語った。逆に、キャスト陣の仲が良すぎるために気まずい距離感を保つのが難しく、すぐに笑顔になってしまうという苦労もあったという。

登壇者それぞれの映画鑑賞におけるマイルール
トークショーでは、映画を鑑賞する際の個人的なルールについても話題が広がった。武田さんは、幼少期に週末の夜に父親と吹き替えの映画を見ていた習慣から、現在でも時折吹き替え版を選んで楽しんでいると語った。

笠松さんは、鑑賞中に笑ったり泣いたりした際にすぐ対応できるよう、必ず膝の上にハンカチを置いて集中力を保つという独自のルールを披露した。

また、中尾さんは英語の台詞と字幕の違いを楽しむために字幕版を好んでおり、鳩川さんはとにかく一番大きなスクリーンで鑑賞することに重きを置いていると明かした。

満席の劇場で感謝と作品への思いを伝える
イベントの終盤では、出演者から観客に向けた感謝のメッセージが送られた。鳩川さんは、過去にテアトル新宿の看板前で待ち合わせをした際に、いつかこの劇場で舞台挨拶をしたいと語り合った夢が実現したことに感極まり、満席の会場への深い感謝を述べた。

笠松さんは、本作を通じて幼い頃に父親とレンタルビデオ店で映画を選んだ温かい記憶が蘇ったと語り、観客にとっても本作がほっこりとした思い出を呼び起こすきっかけになればと呼びかけた。最後に中尾さんが、観客の笑い声を含めて作品が完成していくことへの感動を伝え、これからの上映でも観客とともに作品を育てていきたいと語った。

映画『夜中のポップコーン』舞台挨拶が盛況で閉幕。藤本匠監督が語る「シナリオを読んでからもう一度観る」深い楽しみ方
イベントの最後には、メガホンをとった藤本匠監督から観客に向けて、今後の上映プログラムに関するお知らせと、本作をさらに深く味わうための独自の楽しみ方が語られた。本日からスタートした特集上映の告知に加え、脚本に関する驚きの裏話も飛び出し、会場は最後まで映画愛に満ちた温かい空気に包まれた。

関連作品4本が上映される特集プログラムがスタート
舞台挨拶の締めくくりとしてマイクを握った藤本匠監督は、5月19日(火)から5月24日(日)にかけて、本作を含めた計4作品が上映される自身の特集プログラムがスタートしたことを観客に報告した。さらに、明後日には自身の長編デビュー作も上映される予定であることを明かし、引き続き劇場へ足を運んでほしいとアピールした。用意されたチラシが予想以上の反響となっていることにも触れ、観客の熱気に対する喜びをにじませた。

関西弁ではなかった脚本と、映画を二度楽しむ方法
さらに藤本監督は、本作の脚本が『月刊シナリオ』に掲載されていることを紹介し、制作にまつわる意外な裏話を披露した。劇中ではキャスト陣によってテンポの良い関西弁の掛け合いが繰り広げられているが、脚本を担当した谷風作が関西出身ではないため、実際の台本は関西弁で書かれていなかったという。台本の冒頭に「※関西弁になります」とだけ注記がなされていたという驚きのエピソードが明かされた。

監督はこのエピソードを踏まえ、映画を一度鑑賞した後に掲載されたシナリオをじっくりと読み込み、その上でもう一度映画を観るという独自の鑑賞スタイルを観客に提案した。活字のシナリオと実際の映像とを照らし合わせる楽しみ方について「こんなに楽しいことはない」と力説し、作品をより多角的に味わってほしいと呼びかけた。最後に、劇中劇やパンフレットについての告知も行われ、熱気に包まれた初日の舞台挨拶は幕を閉じた。


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Hajime Minamoto

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