- 2024年8月21日
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谷崎潤一郎の生誕140年を記念した映画『お艶殺し』の公開記念舞台挨拶が、5月30日に開催された。イベントには主演の三河悠冴をはじめ、直木レミ、カトウシンスケ、小野寛幸、十城義弘監督が登壇。本作は、谷崎初期のデカダンス小説を原案とした愛と欲望が交錯するノワールロマンスである。舞台挨拶では昨年の猛暑下での過酷な撮影秘話が明かされたほか、監督の振る舞いにキャスト陣から鋭いツッコミが飛ぶなど、終始和やかな雰囲気で進行した。本記事ではエピソードトークや登壇者からの熱いメッセージをリポート。

■過酷な撮影秘話と監督への容赦ないツッコミ
ちょうど1年前の猛暑の中で行われた撮影について、キャスト陣からは「めちゃくちゃ暑かった」と苦労を労う言葉が相次いだ。カトウシンスケが「衣装合わせの段階から汗だくになってしまった」と明かすと、会場からは笑いが起きた。
トークが進むにつれ、キャストから十城義弘監督へ鋭くツッコミを入れる場面が数多く見られた。主演の三河悠冴は、土砂降りの雨のシーンで共演者の松尾潤が白目をむいて倒れる場面を振り返った。雨が目に当たる中で「瞬きをせずに白目を維持してほしい」と監督から何度もリテイクを求められたことに対し、三河は「できるわけねえだろうと思った」と監督の無茶ぶりを暴露し、観客の笑いを誘った。

また、直木レミも夏の暑い日にシチューを作るシーンで30回ほどやり直しがあったと語り、監督の粘り強さが浮き彫りとなった。
■「壊してしまったもの」にまつわる仰天エピソード
劇中の「男は感情のままにすべてを壊した」というキャッチコピーにちなみ、「これまでに壊してしまったもの」というテーマでエピソードトークが展開された。十城監督は、撮影最終日に小川のそばで考えていたところ、風で脚本や絵コンテなどの書類がすべて川に流されてしまったというハプニングを披露した。「終わった」と呆然としていると、メイクスタッフたちが1枚ずつ拾い集めてくれたという良い話として締めくくろうとしたが、キャスト陣からはすかさず「監督は見守っていただけで拾いに行かなかったんですか?」と鋭いツッコミが入り、タジタジになる一幕があった。

キャストの回答も個性的であった。普段から物を大切にするという直木は、電子レンジでさつまいもを温めすぎて火災報知器が鳴るほど焦がしてしまい、レンジを壊したという可愛らしい失敗談を語った。

一方で三河は「友人のPSPを壊した」と告白し、カトウさんや直木さんは思春期の怒りに任せてしまう衝動や実家の壁に穴を開けたという若気の至りを明かした。極め付きは小野寛幸で、「酒に酔った勢いで自宅のトイレの便器を割ってしまった」と豪快なエピソードを披露した。
また、カトウさんは、レゴブロックや演劇に触れ、「作っては壊すことにはロマンがあり、そういうことが好きなのだと思う」と芸術家らしい視点で語り、場を大いに盛り上げた。

■登壇者全員からの熱いメッセージ
イベントの最後には、登壇者全員から観客へ向けて感謝のメッセージが送られた。十城監督は「これから雨の季節が続くので、その時にワンシーンでも思い出していただければ幸いです」と作品の余韻をアピールした。小野は「監督がこの作品をどういう感じでやるのか、僕自身も楽しみだった。少しでも多くの方に見ていただきたい」と客席に呼びかけた。

続くカトウは、「人間が持っている執着心やドロドロとした情念と、現代性がぎゅっと詰まった作品です。じめじめした最高の季節に公開されるので、ぜひ楽しんでほしい」と力強く語った。
直木は、「100年以上前の小説を現代に公開する意味をすごく感じます。若者の犯罪や暴力はフィクションではないと思うので、表現されている意義のある映画に出演できて光栄です。いろんな方に届いてほしい」と作品の深いメッセージ性について触れた。
最後に主演の三川が、「自分も映画が好きで色々な映画館に行きますが、出る側になってお客さんが来てくれているのを見るとすごく嬉しいです。良い感想も悪い感想もよろしくお願いします」と誠実に締めくくり、会場は温かい拍手に包まれた。

『お艶殺し』
監督:十城義弘
出演:三河悠冴 直木レミ 松尾潤
カトウシンスケ 佐々木修二 豊満亮 小野寛幸 和泉志歩 / 伊藤洋三郎 中島ひろ子
原案:「お艶殺し」谷崎潤一郎
クレジット:©2026「お艶殺し」パートナーズ
公式HP:『お艶殺し』 otsuya-movie.com
公式SNS X:@TANIZAKI_Re / Instagram:@tanizaki_re
5月29日(金) シネマート新宿、池袋シネマ・ロサ他ロードショー
